中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2024年03月26日

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  • 研究開発

ミチーガ、小児のアトピー性皮膚炎の痒み、および結節性痒疹に対し、皮下注用30mgバイアルでの製造販売承認を取得

  • 中外製薬創製のミチーガ、国内導出先のマルホが新規剤形である皮下注用30mgバイアルについて新たに小児アトピー性皮膚炎の痒み、および結節性痒疹に対する承認を取得
  • 結節性痒疹は新規適応症として、アトピー性皮膚炎の痒みについては本剤の60mgシリンジ製剤が取得している効能・効果から対象年齢が拡大

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、当社が創製し、マルホ株式会社(本社:大阪、代表取締役社長:杉田 淳、以下、マルホ)が承認申請を行っていたヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体ミチーガ®皮下注用30mgバイアル[一般名:ネモリズマブ(遺伝子組換え)]について、既存治療で効果不十分な下記疾患、アトピー性皮膚炎に伴うそう痒(6歳以上13歳未満の小児)、結節性痒疹(成人及び13歳以上の小児)を効能・効果として、厚生労働省より、本日、マルホが製造販売承認を取得したことをお知らせいたします。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は「中外製薬が創製したミチーガの今回の承認により、より年齢の低い小児のアトピー性皮膚炎の患者さん、結節性痒疹の患者さんの治療に貢献できることを大変嬉しく思います。アトピー性皮膚炎による痒みは患者さんの日常生活の様々な場面に影響を及ぼします。ミチーガブランドとして既に承認を取得している年齢層に加えて、今回の承認により、6-12歳のお子様にも新たにお使いいただけるようになります。また、結節性痒疹は本剤の新たな適応症です。本疾患もまた、患者さんの日常生活や精神面に影響を及ぼしうる疾患です。様々な皮膚疾患の痒みと炎症に関与するIL-31の作用を阻害するミチ―ガのユニークなアプローチにより、患者さんの症状と生活の質の改善にお役立ていただけることを期待しています」と語っています。

 今回の承認は、マルホが実施した既存治療で効果不十分な中等度以上のそう痒を有する6歳以上13歳未満の日本人アトピー性皮膚炎患者を対象とした国内第III相臨床試験、および既存治療で効果不十分な中等度以上のそう痒を有する13歳以上の日本人結節性痒疹患者を対象とした国内第II/III相臨床試験の成績に基づいています。

【参考情報】
アトピー性皮膚炎の痒み(小児)・結節性痒疹に対する抗体医薬品「ミチーガ®皮下注用30mgバイアル」 製造販売承認取得のお知らせ:
https://www.maruho.co.jp/information/20240326.html

ネモリズマブについて
 ネモリズマブは、中外製薬創製のヒト化抗ヒトIL-31受容体A(IL-31RA)モノクローナル抗体です。IL-31と競合的にIL-31RAに結合することにより、IL-31の受容体への結合及びそれに続く細胞内へのシグナル伝達を阻害し、そう痒を抑制します1

 2016年7月に、日本、台湾を除く全世界における開発・販売の独占的実施権をスイスのガルデルマ社に許諾するライセンス契約を締結しました。さらに、同年9月には、国内の皮膚科疾患領域における開発・販売の実施権をマルホ株式会社へ許諾するライセンス契約を締結しました。

 日本では、2022年3月には「ミチーガ®皮下注用60mgシリンジ」として、成人及び13歳以上の小児に対する「アトピー性皮膚炎に伴うそう痒(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果として、世界に先駆けて製造販売承認をマルホが取得し、同年8月より販売されています。また、海外では、ガルデルマがアトピー性皮膚炎、および結節性痒疹に対して、それぞれ二つのグローバル第III相臨床試験における主要評価項目達成を発表し、欧州および米国において新薬承認申請を実施しています。結節性痒疹に伴うそう痒に対しては、米国食品医薬品局(FDA)からBreakthrough Therapy(画期的治療薬)に指定されているほか、承認申請受理にあたり優先審査指定を受けています。

アトピー性皮膚炎について
 アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が症状の改善と悪化を繰り返しながら慢性的に続く皮膚疾患です。患部を引っかくことで⽪膚の症状が増悪し、さらにかゆみが強くなる「itch-scratch cycle(かゆみとかきむしりの悪循環)」を引き起こします2。国内の成人有病者数は、約550万人とされています3

結節性痒疹について4
 結節性痒疹は、強い痒みを伴う硬いドーム状、いぼ状の皮膚のもりあがりが、ばらばらと散らばって出現する疾患です。主に手足の外側にみられますが、体幹部など広範囲にみられる場合もあります。症状は数週間から数カ月におよび、痒みが患者さんにとって精神的苦痛となり、日常生活にも影響を及ぼします。なお、結節性痒疹のはっきりした原因はわかっていませんが、ストレス、アトピー素因などの原因があると考えられています。

 上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典:

  1. Oyama S., et al. Cynomolgus monkey model of interleukin-31-induced scratching depicts blockade of human interleukin-31 receptor A by a humanized monoclonal antibody. Exp. Dermatol. 2018; 27(1): 14-21
  2. Wahlgren CF. Itch and atopic dermatitis: An overview. J Dermatol 1999;26:770-9
  3. T Muto, et al. Prevalence of atopic dermatitis in Japanese adults. British Journal of Dermatology. 2003; Volume148, Issue1
  4. 佐藤貴浩他.日本皮膚科学会ガイドライン 痒疹診療ガイドライン2020. 日本皮膚科学会雑誌. 2020; 130巻7号: 1607-1626

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
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