中外製薬のマテリアリティ
共有価値創造とマテリアリティ
中外製薬では、経営の基本方針として掲げる「共有価値の創造」を進めていくうえで、重点的に取り組むべき事項を、25項目の重要課題(マテリアリティ)として策定しました。
これは、私たちのミッションおよび事業が社会に及ぼす影響を踏まえて外部からの客観的視点を取り入れ、多方面の分析を通じて特定したもので、8つの分野に分類されます。また、それぞれの進捗・達成度合いを測るための社内の評価指標も併せて設定しました。なお、これらの重要課題は、環境変化や中外製薬の事業活動の進展によって可変のものであり、定期的に見直しを図ることとしています。サステナビリティは経営戦略の一環であり、さまざまな取り組みも統合的・戦略的にとらえ、活動を推進していくことが大切だと考えています。

マテリアリティの策定プロセス
重要課題(マテリアリティ)の策定にあたっては、将来にわたる環境展望・分析を踏まえ、SDGs、各種外部イニシアチブやガイドラインを参照・検証し、社会から期待され求められる課題を網羅的に抽出しながら、中外製薬が十分に満たせていない事項なども精査。外部視点を取り入れ、客観性のある分析を行うとともに、目指す姿(Envisioned Future)の実現に向けた課題というスコープで整理を行い、25項目の重要課題(マテリアリティ)を特定しました。
重要課題(マテリアリティ)の特定
![【ステークホルダーの関心】【中外製薬が経済・社会・環境に与える影響】[高][高]革新的な医薬品とサービスの創出、患者ソリューション提供、公正なマーケティング、医薬品の副作用マネジメント、臨床試験被験者の安全性、製品の品質保証と安定供給、保健医療アクセスの向上 [高][中]コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント、コンプライアンス、情報開示と対話、行動規範、従業員の働きがい、人権、気候変動対策、循環型資源利用 [中][高]従業員の能力開発、ダイバーシティ&インクルージョン、公正な価格 [中][中]公正な取引、サプライチェーンマネジメント、労働安全衛生の向上、社会貢献活動、生物多様性保全、環境マネジメントシステム](/sustainability/strategy/materiality/images/pic_csr_materiality01.png)
重要課題(マテリアリティ)の策定プロセス
中長期環境分析・リスク機会の抽出

- ヘルスケア産業の展望、ドメイン・参画企業の予測・想定
- 将来におけるリスクと機会、またそれを踏まえた強みと弱みを抽出
経営方針の検討(経営会議)

- 経営方針、経営計画策定プロセスについて決議
- 中外製薬の成長と社会の発展の双方を表現するミッションステートメントについて検討
外部有識者ヒアリング

ギャップ分析(外部からの要請・他社比較)

- Chugai International Council(CIC)において、ライフサイエンスを取り巻く中長期環境変化とリスク、戦略の方向性、および中外製薬が果たしうる貢献について助言
- 中外製薬のサステナビリティ活動に対する外部コンサルタントからの助言
- SDGs、GRI、SASBなどをもとに、社会からの期待・要請を踏まえた重要課題(マテリアリティ)項目抽出
- DJSI、MSCI、FTSEの調査項目から現状の取り組みとのギャップ分析実施
解決したい社会課題(提供価値)と重要課題(マテリアリティ)の分析

- ステークホルダーの「社会課題解決(提供価値)案」と「重要課題(マテリアリティ)案」を設計
- アウトカムのスコープは「患者中心の高度で持続可能な医療の実現に向けて」
社内各部門ヒアリング

- 「社会課題解決(提供価値)案」と「重要課題(マテリアリティ)案」に対するレビューと各部門長および担当役員(グローバルヘルスポリシー担当、サステナビリティ推進、人事)の意向・展望をヒアリング
重要課題(マテリアリティ)の特定(社外取締役・経営会議・取締役会)

- 上記のステップに基づき「中外製薬が経済・社会・環境に与える影響」と「ステークホルダーの関心」の2軸で重要課題(マテリアリティ)を特定
- 経営会議での検討を経て最終化、取締役会にて決議