トップコミットメント

代表取締役社長 最高経営責任者(CEO) 奥田 修

人々の健康で豊かな生活の実現は、世界共通の願いです。
関東大震災における薬不足を憂いた上野十蔵が創業した中外製薬は、一貫して「世界の医療と人々の健康に貢献する」という使命を持ち、常に患者さんの価値と社会の持続性を根幹に置いた経営を行ってきました。

当社は経営の基本方針として、「当社と社会の共有価値創造」を掲げています。サステナビリティを事業活動の中心に据えて社会課題の解決をリードし、その活動を通じて創出される価値をさまざまなステークホルダーと共有し、社会と共に発展することを目指しています。私たちだからこそ生み出せるイノベーションで、「患者中心の高度で持続可能な医療を実現する」ことによって、共有価値を創造します。

中外製薬は、2030年に到達を目指すヘルスケア産業のトップイノベーター像と、それを実現するための新たな成長戦略「TOP I 2030」を策定し、2021年から取り組んでいます。ロシュ社との協働のもと、イノベーションを通じた革新的新薬の創出に挑戦し、世界のヘルスケア領域におけるトップイノベーターとなることを目指しています。

近年は、地球環境問題や経済格差の拡大など社会システムの持続性に対する危機が高まっています。さらにAIをはじめとするデジタル技術の急速な進展、それに伴う顧客ニーズの変化など、予測不能かつ急激な変化が、社会に大きな影響を与えています。このような環境下において中外製薬が社会課題を解決し、持続的な成長を遂げていくには、長期的な視点でこれらの社会課題と真摯に向き合い、事業活動における取り組みを一層進化させていく必要があります。

TOP I 2030」では、トップイノベーター像を実現するための改革を実行していきます。「成長基盤」の改革における重点分野の一つ「環境」では、中期環境目標2030を設定し、気候変動・エネルギー対策、資源の循環促進・適切な水管理、生物多様性保全などを、先進的かつ積極的に推進していきます。社会からの期待や要請が大きい、人権の尊重、コンプライアンス、ステークホルダー・エンゲージメント、コーポレートガバナンス、健康経営などについても取り組みを強化していきます。

また、「当社と社会の共有価値創造」に向けたイノベーションの創出に欠かせないのが人財です。「人・組織」についても重点分野に掲げており、中長期を見据えた人財マネジメントの高度化による適所適財の推進、社員エンゲージメントの向上、イノベーションを牽引する高度かつ多様な人財の獲得・育成、果敢なチャレンジを推奨する組織風土の醸成、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進にも引き続き取り組んでいきます。

これらの取り組みは、国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けても寄与するものだと考えております。
現代の社会課題は、ますます複雑かつ高度化しており、また、持続可能な社会の実現という高い目標の達成には、多様なプレーヤーとのパートナーシップと共創による課題解決が不可欠です。製薬企業に限らない多様なプレーヤーとのパートナーシップを通じて、イノベーションの創出を加速し、社会の期待や要請に応えていきます。

これらの活動を通じて、持続可能な社会に向けて、ヘルスケアを中心とした社会課題の解決に取り組み、誠実かつ先進的に行動することで「当社と社会の共有価値」を創造し、2030年には社会課題解決をリードする企業として、世界のロールモデルを目指します。

(2025年3月更新)

中外製薬のサステナビリティ