D&Iに関するトップメッセージ

世界のヘルスケア産業のトップイノベーター像実現に向けて、ダイバーシティ&インクルージョンにより積極的に取り組んでいきます。 代表取締役社長 最高経営責任者(CEO) 奥田修

中外製薬は、2002年にロシュ社と戦略的アライアンスを開始し、「革新的な医薬品とサービス」を継続的に患者さんに提供するために、イノベーションの連続的な創出に注力しています。これまでを振り返ってみると、戦略的アライアンス成功の根幹には、まさにダイバーシティ&インクルージョン(D&I)があります。当社とロシュ社は、それぞれ異なる文化を持ちながらも、「すべての革新は患者さんのために」という患者さん中心の理念やイノベーションへの強いこだわり、お互いを尊重するカルチャーなど、多くの共通点を持っています。率直な議論を交わし対話を重ね、お互いの考え方を知る中で、単なるビジネスパートナーを超えた強固な信頼関係を築き、シナジーを創出してきました。その結果、組織力や人財力が大きく向上し、飛躍的な業績の拡大につながったと確信しています。

2019年より、当社は「患者中心の高度で持続可能な医療を実現する、ヘルスケア産業のトップイノベーターとなること」を目指す姿に掲げ、社会と共に発展することを経営の基本方針としています。

現在、ヘルスケア産業を取り巻く環境は急激に変化しています。デジタル化や新しい創薬技術の実用化で医療が高度化しています。日本を含む先進諸国では、少子高齢化と医療の高度化により医療費や介護費用などの社会保障費が増加し、財源の問題から世界各国で医療費が抑制されています。2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、人々の生活様式や価値観にも大きな変化をもたらしました。このように激しく変化する環境下においては、真に価値がある医薬品やソリューションが自然に選択されていく、Value Based HealthCare(VBHC)が一段と加速すると考えられます。価値の高い医薬品を創ることがますます重要になってきています。

当社が将来にわたり価値を創出し続けるためには、強みを最大限に活かしつつ、既存の枠にとらわれない新たな視点・発想から連続的なイノベーションを生み出していかなければなりません。私は、イノベーションの源泉は「やっぱり、ひと」だと強く感じています。女性社員や外国籍社員、異業種からのキャリア採用人財が増えてきたことで、当社の人財の考え方や能力の多様性が広がりつつあります。イノベーションを起こしていくには、多様な考え方を持つ全ての社員が主役となって、自らの能力を十分に発揮して活躍することが極めて重要です。D&Iの推進は、イノベーション創出の大きな原動力の一つだと、私は信じています。中外製薬ではD&Iを経営の重要課題の一つと位置づけ、積極的に取り組んでいます。

当社におけるD&Iの推進は、2010年にジェンダーダイバーシティから開始しました。その後「多様な価値観や専門性から革新は生み出される」を共通認識として、シニア、マルチナショナリティなどにも対象を広げ、多様な人財の活躍に向けた環境整備を進めてきました。ジェンダーダイバーシティについては「指導的立場の女性が増え、意思決定の場面で多様な社員が属性に関わらず活躍している」ことを目指す姿の一つにおき、2023年末時点の指標として女性管理職比率、女性マネジャー比率ともに17%と設定しています。女性のキャリア形成や育成に向けた施策に注力しており、2021年末時点で女性管理職比率15.9%、女性マネジャー比率15%となりました。今後は、2030年末までには各階層における女性社員比率が全社の女性社員比率と同等の水準になることを目標に、取り組んでいきます。出産や育児、介護などにかかわらず、あらゆる社員がそれぞれのワークライフシナジーを実現できるよう、テレワーク勤務の推進など、柔軟性の高い働き方を実現する就業環境も整備しています。

不透明で厳しい経営環境において、イノベーションを生み出し続けるには、多様性の理解だけでなくインクルーシブな組織文化を醸成することが重要になります。異なる価値観やアイデアを尊重し合いながら多様な人財が活躍することで、イノベーション創出を促進していきます。2022年からは「活躍社員」の増加に向けて、D&Iの推進も包含した「働きがい改革」をスタートしています。今後も社会に新たな価値を提供し続け、社会とともに発展するヘルスケア産業のトップイノベーター像の実現に向けて、より一層D&Iを推進していきます。

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人財・ダイバーシティ&インクルージョン

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