循環型資源利用

サーキュラーエコノミーが重視され、一定の責務を果たすだけでなく、より能動的な資源有効利用の取り組みを行っていくことが必要です。廃棄物ゼロエミッション(再資源化率99%以上)に向けた展開が不可欠であると同時に、サーキュラーエコノミーに対応する中外製薬独自の事業活動を設計していきます。また、水リスクについては、国内中心の事業活動のため相対的に低いという事業特性があるものの、外部からの要請の高まりを受けて、リスク評価・管理の徹底を行っていきます。

廃棄物排出量の削減

2022年の実績

中外製薬グループは、中期環境目標2030において、延床面積あたりの廃棄物排出量を基準年2019年比で2025年5%削減、2030年10%削減という目標を設定しました。2022年の産業廃棄物排出量は基準年比29%増の4,112トンでした。また、延床面積あたりの排出量は、基準年10.5トンから9%減の9.5トンとなっています。これは、2022年に竣工した中外ライフサイエンスパーク横浜と2023年閉鎖予定の鎌倉研究所・富士御殿場研究所がどちらも稼働しているので、延床面積が大きくなったことに起因しています。増加の主な要因のひとつは、藤枝工場の新棟建設の際に、埋設廃棄物を汚泥として排出したことです。今後も廃棄物の適正処理を進めながら、廃棄物排出プロセスの見直しをするなど、廃棄物削減の取り組みを進めていきます。

その取り組みのひとつとして、2022年はプラスチック19トン、金属16トンを有価物として売却し、廃棄物を削減しました。また、有価物化の他、広域認定制度なども積極的に利用することで、資源の適正処理・有効活用にもつなげていきます。

また、サーキュラーエコノミーの概念の浸透が進む一方で、プラスチックによる海洋汚染問題が課題となりつつあります。中外製薬グループでは、廃棄物全体の削減目標だけでなく、プラスチック廃棄物の削減についても延床面積あたりのプラスチック廃棄物排出量2019年比で2025年5%削減、2030年10%削減という目標を個別に掲げて取り組みます。

種類別産業廃棄物排出量

プラスチック廃棄物排出量

2022年の再資源化量は産業廃棄物排出量4,112トンのうち4,078トンにのぼり、再資源化率は99.2%になりました。ゼロエミッションを浮間事業所、藤枝工場、宇都宮工場、鎌倉研究所の4事業所で達成しています。また最終処分量は4トン、最終処分率は0.1%にとどまりました。今後も産業廃棄物削減とともに、再資源化率の向上に向けた取り組みを進めていきます。

再資源化量、再資源化率※1

産業廃棄物最終処分量、最終処分率※2

廃棄物の適正処理

事業所の廃棄物担当者を中心とした廃棄物担当者会議を年1回実施しています。
担当者間で、廃棄物処理法の改正および適正処理等の情報を共有し、違法処理等の廃棄物リスクの低減に努めています。また、廃棄物処理法において努力義務である廃棄物処理委託業者現地確認を、3年で100%以上という計画を策定し、違法処理等の廃棄物リスク低減に努めています。

OA紙・コピー用紙使用量の削減

OA紙・コピー用紙購入量は、2021年比 3%増加の68トンでした。2021年からは微増しましたが、2019年より従業員の在宅勤務の機会が増え、オフィスでの業務が減少したことで、購入量は低く抑えられています。また、グリーン購入法に適合した用紙の購入も継続的に推進しています。

OA紙・コピー用紙購入量

過去データの算定に誤りがあり、2018年の購入量を修正しています。
2018年:誤)118トン→正)147トン

環境負荷低減に対する当社製品対策への取り組みについて

近年、資源循環分野における世界規模の喫緊の課題として、「海洋プラスチックによる生態系への影響」が共通認識となっており、G20や国連をはじめとする様々な国際会議において議論が行われています。2019年6月に開催されたG20大阪サミットでは、この海洋プラスチックごみ問題について、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されました。日本では2019年5月に3R+Renewable(4R)を基本とするプラスチック資源循環戦略を策定し、プラスチック使用量の削減に向け具体的な数値目標を設定して、様々な取り組みを行っています。
中外製薬グループでも中期環境目標2030の重点課題の一つである循環型資源利用の中で、プラスチック廃棄物の延べ床面積当たりの排出量を、2019年比で2025年に5%削減、2030年に10%削減という目標を策定し、事業所から排出されるプラスチック廃棄物の削減に取り組んでいます。

包装材料 施策
1次包装 PTP 薄いプラスチックフィルムを使用
バイオマスプラスチックへの変更(2023年より順次切り替え見込み)
ガラスボトル 軽量瓶を使用
プラボトル バイオマスプラスチックへの変更(2023年より順次切り替え見込み)
2次・3次包装 個装箱 薄い板紙を使用
再生紙を使用
紙トレイ
段ボール箱
シリンジブリスター 再生プラスチックを使用(2022年より順次切り替え)
PETボトル再利用品 ロゴ
アルミピロー
包材共通 材質表示によるリサイクル循環の促進

プラスチックへのReduceに加えた新たな取り組みとして、2020年よりRecycleとして再生プラスチックの利用、Renewable(再生可能資源の利用)として石油由来のプラスチック原料から、植物由来のバイオマスプラスチックなどの持続可能な原材料への変更を検討しています。特に使用量の多い、PTP、アルミピロー、シリンジブリスター、プラスチックボトルを中心に検討し、2022年には一部製品にて、アルミピロー・シリンジブリスターの再生プラスチック含有包材への切り替えを実施しました。またPTPやプラスチックボトルのバイオマスプラスチックの使用も検討を続け、2023年以降の切り替えを目指しています。2030年には全製品において環境に配慮したプラスチック素材を含有した包材の使用を目指し、技術検討を進めていきます。詳細は以下のリンクよりご確認いただけます。

容器包装使用量、再商品化委託申込量(2022年実績)(トン)

  容器包装使用量 再商品化委託申込量
26.2 0.4
プラスチック 79.4 23.9
ガラス(茶色) 10.4 4.0
合計 116.1 28.4

水使用量削減および水質汚濁防止

中外製薬グループは、中期環境目標2030において、延床面積あたりの水使用量を基準年2019年比で2030年15%削減という目標を設定しました。

また、水質汚濁防止法や都道府県条例などに基づき、排水処理施設で処理を行い、排水基準に適合していることを確認したうえで公共用水域への排水を行っています。

取水量は、2019年の2,082トンと比較し16.4%減少の1,740トンであり、延床面積あたりでは41%減の4.0㎏/m2でした。また、排水中の水質は、2021年差で総BOD量2,231kg減、窒素量1,050kg減、リン量135kg減でした。

水使用量

総BOD量、窒素量、リン量

* 2019年度の窒素量・リン量に誤りが見つかったため数値を修正しています。
(窒素量:4,444kg→6,655kg リン量:647kg→715kg)

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地球環境

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