中外製薬のESG
中外製薬は、世界の医療と人々の健康に貢献するというミッション実現に向けた事業活動を展開しています。
昨今の資本市場では、長期持続的な企業の成長を評価する上で不可欠な観点として、ESG(Environmental/環境、Social/社会、Governance/ガバナンス)といった非財務情報への関心が高まっています。健康という大きな社会課題に取り組む中外製薬にとって、ESGは長期持続的なミッションの実現に向けた活動と一体のものとなっており、これらの活動の継続的な強化を通じて中長期的な価値創造が可能になると考えています。
Environmental環境
1地球環境
中外製薬は、生命関連企業であるため、科学的・専門的な活動が多く、環境保全においても果たすべき役割は多大であり、すべての事業活動を支える重要な取り組みであるととらえています。そのため、企業の持続的発展のみではなく、地域社会、地球全体の環境保全に向け、重点項目、中長期的目標を設定し、全社的な取り組みとして推進しています。
環境マネジメントシステム
気候変動対策
気候変動対策は、ますます世界的に重視される重要課題であり、フロン規制の強化も想定される中、従来の取り組みの延長線上では限界があり、より高い水準での取り組みが不可欠となります。長期的かつ大規模な対策が必要となる気候変動対策について、2050年を最終年とした長期目標として、CO2排出量ゼロを目指します。
また、「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」のフレームワークに基づき実施したシナリオ分析を通じた気候変動リスクと機会への対応およびさらなる情報開示の充実に取り組んでいきます。
- 気候変動対策(GHG排出量の削減、エネルギー消費量の削減、フロン類の使用中止/転換、エコカー導入状況、気候変動対策に関する認証・情報開示)
- TCFD提言に基づく情報開示
- サステナビリティに関する方針、データ集(環境パフォーマンス)
- 1. 年別エネルギー使用量の熱量換算値およびCO2排出量
- 2. 事業所別エネルギー使用量の熱量換算値およびCO2排出量
- 3. 年別太陽光自家発電量および再生可能エネルギー使用量
- 4. 年別グリーン電力証書・非化石証書購入量
- 5-1. 温室効果ガス排出量
- 5-2. 年別温室効果ガス排出量
循環型資源利用
サーキュラーエコノミーが重視され、一定の責務を果たすだけでなく、より能動的な資源有効利用の取り組みを行っていくことが必要です。廃棄物ゼロエミッションに向けた展開が不可欠であると同時に、サーキュラーエコノミーに対応する中外製薬独自の事業活動を設計していきます。また、水リスクについては、国内中心の事業活動のため相対的に低いという事業特性があるものの、外部からの要請の高まりを受けて、リスク評価・管理の徹底を行っていきます。
- 循環型資源利用(廃棄物排出量の削減、環境負荷低減に対する当社製品対策への取り組みについて、水消費量(取水量)削減および水質汚濁防止)
- サステナビリティに関する方針、データ集(環境パフォーマンス)
- 6. 産業廃棄物排出状況
- 9. 年別取水量、排水量
- 10. 年別総BOD量
- 11. 事業所別水ストレス、取水量、排水量
- 12. 水ストレス地域における事業所数、取水量
- 13. 事業所別総BOD量
- 14. 大気汚染物質排出量
- 15. 容器包装リサイクル法に基づく特定容器包装の利用量
生物多様性保全
PRTR対象物質や特別管理産業廃棄物の管理はもとより、REACH規則のSVHC(高懸念物質)リストへの対応も含めて、取り組みの強化が必要です。排水マネジメントや製品製造計画の検証も含めた有害化学物質削減への取り組みを強化するとともに、地域コミュニティとの協働も拡充していきます。
- 生物多様性保全(有害化学物質の削減、大気汚染防止および対策、土壌汚染防止および対策、水の保全活動)
- サステナビリティに関する方針、データ集(環境パフォーマンス)
- 6. 産業廃棄物排出状況
- 8. 年度別PRTR法対象物質取扱量(集計期間:4月~3月)
Social社会
2持続可能な医療
今後、ライフサイエンス技術やデジタル技術の進展によって医療課題は高度化・多様化・複雑化する一方、人口増加と高齢化を背景とした医療財政問題は深刻化していくものと見られます。中外製薬はそれぞれのステークホルダーと価値を共有しながら、「高度で持続可能な医療の実現」に向け、その仕組み自体にも貢献すべく、継続的なイノベーションの追求と事業活動の進化を図っています。
医薬品の副作用マネジメント
製品の品質保証と安定供給
公正なマーケティング
3人権
中外製薬では、人権尊重の文化は、企業が社会の一員として認められ、信頼されるうえで欠かせない礎の一つと考えており、行動規準の中でも「人権の尊重」を謳っています。
また、社会課題として重要度が増している「人権問題」に対しては、自社だけでなく、サプライチェーン全体での取り組みが重要ととらえ、「中外製薬グループ 人権方針」の策定や教育啓発など、人権尊重の取り組みを強化しています。
臨床試験被験者の安全性
4人財
中外製薬では、社会に価値を発揮しながら成長を果たしていく上で、人財こそが最大の資産ととらえており、人財マネジメントを重要な経営テーマとして考えています。適所適財の実現に向けたタレントマネジメントの強化、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進による多様な人財の確保、異なる価値観やアイデアの尊重、そして社員それぞれのワークライフシナジーを実現する就業環境の整備を通じ、社員が役割に応じて能力を最大限に発揮し、お互いに支え合いながら連続的にイノベーションを生み出す組織文化の定着をめざしています。
ダイバーシティ&インクルージョン
5社会貢献
中外製薬グループでは、行動規準である中外製薬グループ コード・オブ・コンダクトでも「社会貢献活動」の重要性を掲げ、よき企業市民としての役割と責任を自覚し、地域や社会との連携を保ちながら、社会貢献活動を積極的に推進しています。また、従業員一人ひとりが行う社会貢献活動についても、これを推奨し、支援しています。
保健医療アクセス
中外製薬は、革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献することをミッションとしています。このミッションの実現に向け、まだ充足されていない医療ニーズを満たす革新的な医薬品を継続的に創製するとともに、保健医療へのアクセス向上に取り組むことによりグローバルヘルスに貢献することが私たちの使命と考えています。
Governanceガバナンス
6ガバナンス
中外製薬は、ロシュ・グループの一員でありながら、独立した上場企業として経営の自主性・独立性を確保するというユニークなビジネスモデルのもと、ミッション実現に向けイノベーションを重視した経営を推し進めています。また、企業価値を高めるためには体制や仕組みだけではなく、その実効性向上が重要との認識のもと、コーポレート・ガバナンスの継続的な検討・改善に取り組んでいます。
コーポレート・ガバナンス
リスクマネジメント
企業活動は、内外に存在するさまざまな不確実な事象(リスク)に影響を受けるため、企業価値を維持・増大していくには、リスクを適切に管理することが重要であり、不可欠です。中外製薬では、リスク管理をサステナビリティ基盤にかかわる重点課題ととらえ、日々進化を目指しています。
情報開示と対話
個人情報保護・情報セキュリティ
7倫理・コンプライアンス
中外製薬は、「企業倫理は業績に優先する」という基本的な理念のもと、生命の尊厳を第一義に置き、科学に対する真摯な取り組みと、透明かつ公正で高い倫理性を持った企業活動に努めています。また法令遵守はもとより、社会からの期待に応えることをコンプライアンスととらえ、社員に対するコンプライアンス教育の充実や、モニタリング調査・コンプライアンスリスク対策などを実施し、より高度なコンプライアンスの実現を目指しています。
コンプライアンス
行動規範
公正な取引
中外製薬は、行動基準「中外製薬グループ コード・オブ・コンダクト」の中で、目先の利益を不法な行為、抜け道的な非倫理的行為を排除するために、贈収賄・汚職などの腐敗行為を禁止しています。具体的には、「贈収賄防止ポリシー」や「購買倫理規程」にのっとって、汚職・贈賄の防止に努めています。
8サプライチェーンマネジメント
技術の進展や社会構造の変化、製薬企業に対する期待・要望の高まりなどを背景に、サプライチェーンの存在はますます重要になってきます。中外製薬では、購買活動の適正化や健全な取引関係の構築はもとより、取引先と協働で社会課題を解決していくため、自然環境や労働環境・人権といった要素を含めた包括的サプライヤー評価を実施し、サプライチェーンマネジメントの進化に取り組んでいます。