事業等のリスク

当社グループの業績は、今後起こりうるさまざまな要因により重大な影響を受ける可能性があります。以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。当社グループはこれらリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の予防および発生した場合の対応に努める方針です。

1. 経営戦略に関連する潜在リスク

(1)新製品の研究開発について

当社グループは、患者中心の高度で持続可能な医療を実現するヘルスケア産業のトップイノベーターとなることを目指し、国内外にわたって積極的な研究開発活動を展開しています。独自のサイエンス力と技術力という強みを活かし、がん領域を中心とする充実した開発パイプラインを有していますが、近年の研究開発競争の激化による新薬創出の難易度上昇や研究開発費の高騰などの理由により、そのすべてについて今後順調に開発が進み発売できるとは限らず、途中で開発を断念しなければならない事態も予想されます。そのような事態に陥った場合、開発品によっては業績に重大な影響を与える可能性があります。

(2)製品を取り巻く環境の変化について

近年の製薬産業における技術進歩は顕著であり、当社グループは国内外の製薬企業との厳しい競争に直面しています。また、競合品や後発品/バイオシミラー(バイオ後続品)の浸透加速に加え、再生医療、細胞/遺伝子治療、核酸医薬、デジタルセラピーなど、従来の医薬の範囲を超えた治療手段(モダリティ)の進展や、ITプラットフォーマーのヘルスケア産業参入によるデータ寡占など、ライフサイエンスやデジタル分野での新たな技術・脅威が台頭しており、ヘルスケア産業における競争環境は急激に変化しています。このような状況におきまして、当社医薬品や開発候補品が対象とする疾患などにおける治療に大きな変化をもたらす新たな技術や治療手段が登場するなど、当社グループ製品を取り巻く環境が想定を超えて大きく変化した場合、業績に重大な影響を与える可能性があります。

(3)医療制度改革について

国内外における高齢化の進展や医療費高騰などによる財政逼迫を背景とした薬剤費引き下げ政策の強化が進められています。特に、日本では「全世代型社会保障検討会議」で医療などの給付と負担についての議論が展開されるなど、医療費抑制の圧力は引き続き高まっています。また、今後はますます「Value Based Healthcare(価値に基づく医療)」が進展し、患者さんにとって真に価値あるソリューションだけが選ばれる傾向が一層強まると考えられます。各国の制度改革の内容や環境動向によっては、薬価引き下げや医薬品へのアクセス制限による収益の低下、医療経済性を含めた価値を証明するためのコストの増加など、業績に重大な影響を与える可能性があります。

(4)ロシュとの戦略的提携について

当社グループはロシュとの戦略的提携により、日本市場におけるロシュの唯一の医薬品事業会社となり、また日本以外の世界市場(韓国・台湾を除く)ではロシュに当社製品の第一選択権を付与し、多数の製品およびプロジェクトを同社との間で導入・導出しています。何らかの理由により戦略的提携における合意内容が変更された場合、業績に重大な影響を与える可能性があります。

2. 事業遂行におけるリスク

(1)副作用について

医薬品・医療機器は各国規制当局の厳しい審査を受けて承認されていますが、その特殊性から、使用にあたり、万全の安全対策を講じたとしても副作用などの健康被害を完全に防止することは困難です。当社グループは医薬品の安全監視活動を行っていますが、副作用、特に新たな重篤な副作用が発現した場合には、「使用上の注意」への記載を行うほか、販売中止・製品の回収などに至ることもあり、業績に重大な影響を与える可能性があります。

(2)知的財産権について

当社グループは業務活動上さまざまな知的財産権を使用しており、それらは当社グループ所有のものであるか、あるいは適法に使用許諾を受けたものであると認識していますが、当社グループの認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害する可能性があり、当社グループの業務に関連する重大な知的財産権をめぐっての係争が発生した場合、製造販売の停止や対策費用の発生などにより、業績に重大な影響を与える可能性があります。

(3)国際的な事業活動について

当社グループは国外における医薬品の販売や研究開発活動、医薬品バルクの輸出入など国際的な事業を積極的に行っています。このような国際的な事業活動においては、法令や規制の変更、政情不安、経済動向の不確実性、現地における労使関係、税制の変更や解釈の多様性、為替相場の変動、商習慣の相違などに直面する場合があり、これらに伴うコンプライアンスに関する問題の発生を含め、業績に重大な影響を与える可能性があります。

(4)ITセキュリティおよび情報管理について

業務上、各種ITシステムを利用しており、従業員・アウトソーシング企業の不注意または故意による行為、サイバー攻撃などの外部要因によりシステム障害が生じた場合、業務が阻害される可能性があります。また、万が一、個人情報や知的財産権にかかわる重大な機密情報が社外に流出した場合、損害賠償や信用の失墜、競争優位性の喪失などにより、業績に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループはこれらのリスクに備え、関連規程の整備と周知、従業員に対するセキュリティ教育、サイバー攻撃およびシステム障害に対する保全(予防・監視および対処・復旧準備)などを講じるとともに、これら対策状況を当社グループ横断的に評価し強化する年次プロセスを継続し、リスクの低減に努めています。

(5)大規模災害等による影響について

地震、台風等の自然災害、火災等の事故等により、当社グループの事業所・営業所および取引先が深刻な被害を受けた場合や、新型インフルエンザ等のパンデミックの発生により、従業員の出社率が大幅に低下した場合、事業活動が停滞し、また損害を被った設備等の修復のため多額の費用が発生するなど、業績に重大な影響を与える可能性があります。当社グループは、これら災害などに係るリスクに備え、損害保険の加入や、事業継続計画(BCP)の策定・訓練の実施、耐震対策、安全在庫の確保など、従業員の安全と医薬品の安定供給のための体制を整備し、リスクの低減に努めています。

(6)訴訟等について

事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引などに関して訴訟や規制当局による調査の対象となる場合があり、その動向によっては、製造販売の停止や対策費用の発生などにより、業績に重大な影響を与える可能性があります。

(7)人権について

職場におけるハラスメントや労働環境衛生を含む人権問題への対応遅延が生じた場合、従業員の健康やメンタルヘルスの悪化、離職率の増加など人財力の低下、社会的信頼の喪失により、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、これら人権問題に対し、役員、従業員に対する人権研修、ハラスメントに関する相談窓口を設置し、また健康経営の一環として安全衛生活動に取り組んでいます。
サプライヤーに対しても人権尊重に対する理解を求め、協力して人権問題に関する課題解決に努めています。

(8)サプライチェーンについて

大規模地震や気候変動に伴う台風・豪雨などの自然災害により当社の原材料調達先や外部製造委託先などのサプライヤーに被害が生じた場合、また、サプライチェーンにおけるコンプライアンスや環境問題などの対応が遅延した場合、原材料の確保や生産の継続が困難となる可能性があり、社会的信頼の喪失や売上・シェアの低下により業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらサプライチェーンに係るリスクに備え、損害保険の加入や、事業継続計画(BCP)の策定、安全在庫の確保、サプライヤーとの情報共有体制の構築など、医薬品の安定供給のための体制を整備しています。
また、サプライチェーンにおけるコンプライアンスや環境問題など当社グループだけでは解決できない課題に関し、サプライヤーと協力して課題解決に努めています。

(9)環境汚染および地球環境について

関係法令などの遵守はもとより、さらに高い自主基準を設定してその達成に向けて努めており、今後も強化と充実を図っていきます。しかしながら、万が一、有害物質による予期せぬ汚染やそれに伴う危害が顕在化した場合、対策費用や損害賠償責任を負うなどにより、業績に重大な影響を与える可能性があります。
気候変動については地球環境保全のための重大な課題の一つと考え、温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。しかしながら、地球温暖化の進行がもたらす気候変動による自然災害などで物流網や製造施設が被害を受けた場合、製品供給の休止もしくは著しい遅滞などにより、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、将来における環境関連法規制の強化により、当社グループの研究、開発、製造、その他の事業活動が制限される可能性があります。

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経営方針

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