開発パイプライン
中外製薬の開発品は「がん領域」「免疫疾患領域」「神経疾患領域」「血液疾患領域」「眼科領域」「その他の領域」で構成されています。開発パイプラインには、「未承認薬・適応外薬の開発要請への対応状況」も掲載しています。
2023年10月24日現在の開発状況については、以下のPDFをご覧ください。
開発品の基本情報
(承認を取得済みの製品は除く)
がん領域
自社創製品/ ロシュ導入品/ その他導入品 |
モダリティ 投与経路 |
一般名、開発コード 作用機序 |
予定適応症 | 基本情報 |
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自社創製品 | 中分子 経口 |
LUNA18 RAS阻害剤 |
固形がん | 中分子創薬最初のプロジェクトである「LUNA18」は、中外製薬独自の中分子技術により創製された経口投与可能な環状ペプチド分子であり、RASとGEFの蛋白-蛋白相互作用を阻害し、RASを不活性状態に保持します。様々なRAS遺伝子異常(変異又は増幅)を有する腫瘍細胞に対して増殖阻害活性を示し、まだ治療薬のないRAS遺伝子異常の癌に対する抗腫瘍効果が期待できます。 |
自社創製品 | 抗体 静注 |
codrituzumab/GC33 抗グリピカン 3 ヒト化モノクローナル抗体 |
肝細胞がん | 「GC33」は、肝細胞がんに特異的に発現するグリピカン3を標的とし、中外製薬で創製されたヒト化モノクローナル抗体です。 |
自社創製品 | 抗体 静注 |
ERY974 抗グリピカン3/CD3バイスペシフィック抗体 |
固形がん | 「ERY974」は、中外製薬が創製した初のT細胞リダイレクティング抗体(TRAB™)です。TRAB™は、T細胞のCD3抗原とがん細胞のがん抗原を架橋するバイスペシフィック抗体で、がん抗原依存的にT細胞を活性化し、強⼒にがん細胞を傷害することが期待されます。 |
自社創製品 | 抗体 静注 |
STA551 抗CD137アゴニストスイッチ抗体 |
固形がん | 「STA551」は、中外製薬が創製した「スイッチ抗体™」技術を適⽤した初のスイッチ抗体™です。スイッチ抗体™は疾患部位で特異的に存在する⾼濃度になる分⼦(スイッチ分⼦)の⾼濃度存在下でのみ標的抗原に結合します。「STA551」は、ATP(スイッチ分⼦)存在下ではCD137に結合し、T細胞を活性化しますが、ATP⾮存在下では、結合せずT細胞を活性化させないため、腫瘍組織選択的に作⽤することが期待されます。 |
自社創製品 (ロシュ導出) |
抗体 静注 |
SOF10/RG6440 抗潜在型 TGF-β1 モノクローナル抗体 |
固形がん | 「SOF10」は、中外が創製したモノクローナル抗体で、潜在型TGF-β1に結合し、その活性化を阻害します。腫瘍組織の線維化亢進をはじめとした免疫抑制的な腫瘍微小環境を変化させることで、抗腫瘍薬が奏効しにくい癌に対して抗腫瘍効果が期待できます。 |
自社創製品 (ロシュ導出) |
抗体 静注 |
ALPS12/RG6524 抗DLL3/CD3/CD137トリスペシフィック抗体 |
固形がん | 「ALPS12」は、中外製薬が創製したDual-Ig®技術を適用した初の次世代T細胞リダイレクティング抗体です。T細胞リダイレクティング抗体(TRAB™)では、T細胞上のCD3に結合し、T細胞を活性化させてがん細胞を攻撃するよう設計されていますが、腫瘍中のT細胞数が少ないと効果が限定的という課題があります。これに対し、Dual-Ig®では、CD3に加え、共刺激分子であるCD137シグナルの誘導が可能なため、T細胞の浸潤が少ない難治性のがんに対して、より強力な抗腫瘍効果が期待できます。 |
自社創製品 | 抗体 静注 |
SAIL66 ― |
CLDN6陽性固形がん | 「SAIL66」は中外製薬が創製した抗体医薬品です。 |
自社創製品 | 抗体 静注 |
ROSE12 ― |
固形がん | 「ROSE12」は、中外製薬が創製した抗体医薬品です。「スイッチ抗体™」技術を適⽤しており、腫瘍組織選択的に作⽤することが期待されます。 |
自社創製品 | 低分子 経口 |
SPYK04 ― |
固形がん | 「SPYK04」は、中外製薬が創製した低分⼦医薬品です。 |
自社創製品 (第三者導出) |
低分子 経口 |
avutometinib/VS-6766 (CKI27) RAF/MEK阻害剤 |
卵巣がん 非小細胞肺がん |
avutometinibは、自社創製の経口RAF/MEK阻害剤です。 2020年1⽉に、全世界における製造・開発・販売の独占的実施権をVerastem Oncologyに許諾するライセンス契約を締結しました。 |
ロシュ導入品 | 抗体 静注 |
チラゴルマブ/RG6058 抗TIGITヒトモノクローナル抗体 |
非小細胞肺がん 非小細胞肺がん(ステージIII) 食道がん 肝細胞がん |
「RG6058」は、ロシュから導⼊した抗TIGIT抗体です。TIGITは、NK細胞やT細胞表⾯に発現する免疫チェックポイントの⼀つであり、がん細胞表⾯に発現しているPVR(ポリオウイルス受容体)と結合します。この結合により、がん細胞は免疫細胞からの攻撃を回避すると考えられています。本剤は、TIGITとPVRの結合を阻害することで、NK細胞やT細胞の免疫応答を回復・維持し、がん細胞に対して治療効果を発揮することが期待されます。 |
ロシュ導入品 | 抗体 静注/皮下注 |
mosunetuzumab/RG7828 抗CD20/CD3バイスペシフィック抗体 |
濾胞性リンパ腫 再発または難治性のアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫 |
「RG7828」は、ロシュから導⼊したバイスペシフィック抗体で、T細胞上のCD3とB細胞上のCD20を架橋することで、T細胞を活性化し、がん細胞を傷害することが期待されています。 |
ロシュ導入品 | 抗体 静注 |
glofitamab/RG6026 抗CD20/CD3バイスペシフィック抗体 |
血液がん | 「RG6026」は、ロシュから導⼊したバイスペシフィック抗体で、T細胞上のCD3とB細胞上のCD20を架橋することで、T細胞の活性化と増殖およびサイトカイン放出に伴う標的細胞(B細胞)の傷害作⽤を有し、抗腫瘍効果が期待されています。 |
ロシュ導入品 | 抗体 静注 |
runimotamab/RG6194 抗HER2/CD3バイスペシフィック抗体 |
固形がん | 「RG6194」は、ロシュから導⼊した抗HER2/CD3バイスペシフィック抗体で、T細胞を誘導・活性化してHER2発現がん細胞を傷害することが期待されます。 |
ロシュ導入品 | 抗体 静注 |
cevostamab/RG6160 抗FcRH5/CD3バイスペシフィック抗体 |
再発または難治性の多発性骨髄腫 | 「RG6160」は、ロシュから導入した抗FcRH5/CD3バイスペシフィック抗体で、骨髄腫細胞上のFcRH5と、T細胞上のCD3に結合することにより、細胞傷害性T細胞を介した免疫が活性化され、骨髄腫細胞を死滅させることが期待されます。 |
ロシュ導入品 | 低分子 経口 |
giredestrant/RG6171 選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD) |
乳がん 乳がん(アジュバント) |
「RG6171」は、ロシュから導⼊した選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD:Selective Estrogen Receptor Degrader)です。ER(Estrogen Receptor)結合に対して競合阻害するだけでなく、ERの分解を促進することにより、より強く抗エストロゲン作用を発揮することが期待されています。 |
ロシュ導入品 | 低分子 経口 |
プラルセチニブ水和物/RG6396 RET阻害剤 |
非小細胞肺がん 固形がん |
「RG6396」は、原発の組織を問わず、融合や変異を含むRETの変化を選択的に標的とするように設計されたRET阻害剤です。 |
ロシュ導入品 | 低分子 経口 |
コビメチニブフマル酸塩/RG7421 MEK阻害剤 |
固形がん | 「RG7421」は、ロシュから導⼊したMEK阻害剤です。 |
ロシュ導入品 | 低分子 経口 |
divarasib/RG6330 KRAS G12C阻害剤 |
固形がん | 「RG6330」は、経口投与可能な低分子化合物であり、非臨床モデルにおいて、KRAS G12C蛋白質を強力かつ選択的に阻害します。KRAS G12C変異陽性がんに対し、RG6433と併用することで、抗腫瘍効果のシナジーが期待されています。 |
ロシュ導入品 | 低分子 経口 |
RG6433 SHP2阻害剤 |
固形がん | 「RG6433」は、強力で選択性が高い、経口低分子SHP2 阻害剤であり、SHP2蛋白質を不活性化型の立体構造に安定化することによりその酵素活性を阻害します。KRAS G12C変異陽性がんに対し、RG6330と併用することで、抗腫瘍効果のシナジーが期待されています。 |
ロシュ導入品 | 抗体 静注 |
tobemstomig/RG6139 抗PD-1/LAG-3バイスペシフィック抗体 |
固形がん | 「RG6139」は、PD-1及びLAG-3に結合する二重特異性抗体で、2つの共抑制性チェックポイント受容体を阻害することにより、T細胞を再活性化させます。腫瘍反応性の腫瘍浸潤リンパ球を優先的に標的とする特徴を有し、制御性T細胞よりもエフェクターT細胞に優先的に結合することにより、免疫抑制作用を回避することが期待されます。 |
免疫疾患領域
自社創製品/ ロシュ導入品/ その他導入品 |
モダリティ 投与経路 |
一般名、開発コード 作用機序 |
予定適応症 | 基本情報 |
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自社創製品 | 抗体 皮下注 |
DONQ52 抗HLA-DQ2.5/グルテンペプチドマルチスペシフィック抗体 |
セリアック病 | 「DONQ52」は、HLA-DQ2.5/グルテンペプチド複合体に対するマルチスペシフィック抗体です。T細胞受容体とHLA-DQ2.5/グルテンペプチド複合体の結合を中和することでT細胞の活性化を直接阻害します。バイスペシフィック技術により、セリアック病の主要因となるすべてのドミナントペプチドを含む25種類以上のグルテンペプチドに結合します。グルテン特異的な阻害により、血中で長い間機能し(皮下投与可)、また高い安全性が期待されています。 |
自社創製品 | 抗体 ― |
RAY121 ― |
自己免疫疾患 | 「RAY121」は、中外製薬が創製した、「リサイクリング抗体®」技術を適⽤した抗体医薬品です。 |
神経疾患領域
自社創製品/ ロシュ導入品/ その他導入品 |
モダリティ 投与経路 |
一般名、開発コード 作用機序 |
予定適応症 | 基本情報 |
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自社創製品 (ロシュ導出) |
抗体 皮下注 |
GYM329/RG6237 抗潜在型ミオスタチンスイーピング抗体 |
神経筋疾患 脊髄性筋萎縮症 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD) |
「GYM329」は、中外製薬で創製したリサイクリング抗体®技術やスイーピング抗体®技術などの⾃社の抗体エンジニアリング技術を適⽤した次世代の抗体です。潜在型のミオスタチンは⾮活性型で、主に筋細胞から分泌され、BMP-1などのタンパク分解酵素により活性化されます。活性化されたミオスタチンは、筋⾁の成⻑・肥⼤を抑制するため、「GYM329」はミオスタチンの作用を阻害することで、筋⾁の萎縮・筋⼒の低下を伴う疾患の病態を改善することが期待されています。 |
ロシュ導入品 | 抗体 静注 |
prasinezumab/RG7935 抗α-シヌクレインモノクローナル抗体 |
パーキンソン病 | 「RG7935」は、α-シヌクレインに対するモノクローナル抗体で、神経毒性のあるα-シヌクレイン凝集体の細胞間の伝播を阻害することで神経細胞死の拡⼤を抑制し、病態の進⾏を抑制・遅延することが期待されています。 |
ロシュ導入品 | 抗体 静注 |
semorinemab/RG6100 抗タウヒト化モノクローナル抗体 |
アルツハイマー病 | 「RG6100」は、脳内の細胞間隙に存在するタウと結合し、神経細胞を介したタウの伝播を抑制することで、アルツハイマー病における認知機能の悪化を抑制することが期待されています。 |
ロシュ導入品 | 抗体 静注 |
trontinemab/RG6102 抗アミロイドベータ/TfR1融合蛋白 |
アルツハイマー病 | 「RG6102」は、抗アミロイドベータ/TfR1 融合蛋白にトランスフェリン受容体結合抗体の一部を付加することにより、効率的な血液脳関門の通過及び脳内アミロイドβへのアプローチを実現したものです。より優れた脳内アミロイドβ除去作用によるアルツハイマー病の進行遅延効果が期待されます。 |
ロシュ導入品 | 核酸 静注 |
トミネルセン/RG6042 HTT mRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO) |
ハンチントン病 | 「RG6042」は、ハンチントン病の原因とされるHTT遺伝⼦のmRNAを標的とするASOです。HTT mRNAに特異的に結合した後、HTTたんぱく質合成が阻害され、ハンチントン病における病勢の進⾏遅延と抑制が期待されています。 |
ロシュ導入品 | 遺伝子治療 静注 |
delandistrogene moxeparvovec/RG6356(SRP-9001) マイクロジストロフィン遺伝子治療 |
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD) | 「RG6356」は、マイクロジストロフィンと呼ばれる機能を有する短縮型ジストロフィンを標的筋細胞内で発現させることでDMDの根本にある生物学的原因を治療するために設計された、開発中の遺伝子治療製品です。サレプタ社が日本を含むグローバルでの臨床試験を主導しています。 |
血液疾患領域
自社創製品/ ロシュ導入品/ その他導入品 |
モダリティ 投与経路 |
一般名、開発コード 作用機序 |
予定適応症 | 基本情報 |
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自社創製品 (ロシュ導出) |
抗体 皮下注 |
クロバリマブ(SKY59)/RG6107 抗補体C5リサイクリング抗体 |
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH) 非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS) 鎌状赤血球症(SCD) ループス腎炎 |
「SKY59」は、中外製薬が創製した、補体成分C5を抑制する「リサイクリング抗体®」です。補体活性化が要因となって発症する疾患がいくつか報告されていますが、本剤はC5のC5aとC5bへの開裂を阻害することで、補体活性化を抑制し、疾患の改善が期待されます。PNHでは、⾚⾎球の破壊を防ぎ、溶⾎の抑制効果などを⽰すと考えられます。 中外製薬独⾃の抗体エンジニアリング技術を複数適⽤することで、半減期延⻑を実現しており、⽪下投与による⾃⼰注射を⽬指した開発を⾏っています。 |
自社創製品 (ロシュ導出) |
抗体 皮下注 |
NXT007/RG6512 抗血液凝固第IXa/X 因子バイスペシフィック抗体 |
血友病A | 「NXT007」は、「ヘムライブラ」と同様の作⽤機序により⾎液凝固反応を促進する、⾃社創製のバイスペシフィック抗体です。 「ヘムライブラ」とは異なる中外製薬独⾃の抗体エンジニアリング技術として、バイスペシフィック抗体の⼯業⽣産性を向上させる「FAST-Ig™」技術と、PKプロファイルの改善が期待される「ACT-Fc®」技術が適⽤されています。NXT007は、健康な成⼈・⼩児レベルの⾎液凝固能を達成することが期待され、投与デバイスも含めた利便性の向上も⽬指して開発しています。 |
眼科領域
自社創製品/ ロシュ導入品/ その他導入品 |
モダリティ 投与経路 |
一般名、開発コード 作用機序 |
予定適応症 | 基本情報 |
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ロシュ導入品 | 抗体 注射剤(インプラント経由) |
ラニビズマブ(Port Delivery System)/RG6321 ヒト化抗VEGFモノクローナル抗体Fab断片 |
新生血管を伴う加齢黄斑変性 糖尿病黄斑浮腫 |
「RG6321」は、ラニビズマブを用いたポートデリバリーシステムです。ラニビズマブは血管内皮増殖因子A(VEGF-A)に対する遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体のFab断片であり、硝子体内投与ではルセンティス®としてすでに世界中で販売・供給されています。本剤は眼内に埋め込んだインプラントに高濃度のラニビズマブを充填し、薬剤が長期かつ持続的に徐放されることで、頻回投与をせずに視力を維持することが期待されています。 |
ロシュ導入品 | 抗体 硝子体注射 |
RG6179 抗IL-6モノクローナル抗体 |
非感染性ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫 | 「RG6179」はIL-6に対する抗体で、硝子体内投与によって眼内のIL-6シグナリングを特異的に阻害することで炎症や血管透過性亢進を抑制し、黄斑浮腫と視力を改善する一方で、ステロイドに比較して白内障進行や眼圧上昇のリスクが小さいことが期待されます。また、Fc領域改変によって血中からの消失が速やかで、硝子体内投与時に全身性の副作用が出現する可能性は低いと期待されます。 |
その他の領域
自社創製品/ ロシュ導入品/ その他導入品 |
モダリティ 投与経路 |
一般名、開発コード 作用機序 |
予定適応症 | 基本情報 |
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自社創製品 | 抗体 皮下注 |
AMY109 抗IL-8リサイクリング抗体 |
子宮内膜症 | 「AMY109」は、中外製薬が創製した、「リサイクリング抗体®」技術を適⽤した3つ⽬の抗体医薬品です。⼦宮内膜症に対する標準治療であるホルモン療法とは異なるアプローチで、抗炎症作⽤により患者さんに新しい価値を提供できる抗体医薬品として期待されています。 |
自社創製品(第三者導出) | 抗体 皮下注 |
ネモリズマブ/CIM331 抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体 |
アトピー性皮膚炎 結節性痒疹 慢性腎臓病に伴うそう痒 |
ネモリズマブは、⾃社創製の抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体です。同剤は、炎症誘発性サイトカインであるIL-31が、そのレセプターに結合することを阻害し、アトピー性⽪膚炎のかゆみと⽪膚炎を改善することが期待されています。 2016年7⽉に、⽇本、台湾を除く全世界における開発・販売の独占的実施権をスイスのガルデルマ社に許諾するライセンス契約を締結しました。さらに、同年9⽉には、国内の⽪膚科疾患領域における開発・販売の実施権をマルホ株式会社へ許諾するライセンス契約を締結しました。国内では2022年3月、マルホ社がアトピー性皮膚炎に伴うそう痒(既存治療で効果不十分な場合に限る)を効能・効果として、製造販売承認を取得しました。(製品名:ミチーガ®) |
自社創製品(第三者導出) | 低分子 経口 |
orforglipron/LY3502970 非ぺプチド型経口GLP-1受容体作動薬 |
2型糖尿病 肥満症 |
orforglipronは、中外製薬が創製した、経⼝投与が可能な⾮ペプチド型GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体作動薬です。GLP-1受容体作動薬は、強い⾎糖降下作⽤や体重低下作⽤を有しますが、⽪下注射剤のため患者さんの利便性に課題がありました。本剤は経⼝投与が可能なため、患者さんの服薬の利便性を向上し、服薬遵守率の向上を含め糖尿病治療への貢献が期待されます。2018年9⽉に、全世界における開発権および販売権をイーライリリー・アンド・カンパニー社に許諾するライセンス契約を締結しました。 |
未承認薬・適応外薬の開発要請への対応状況(2023年10月24日現在)
開発要請 | 製品 | 適応症など | 開発状況 |
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第1回 開発要請分 |
ゼローダ | 進行・再発胃癌 | 2011年2月承認 |
タルセバ | 進行・再発膵癌 | 2011年7月承認 | |
アバスチン | 進行・再発乳癌 | 2011年9月承認 | |
セルセプト | 小児腎移植 | 2011年9月承認 | |
ハーセプチン | HER2過剰発現が確認された転移性乳癌における3週間1回投与の用法・用量追加 | 2011年11月承認 | |
HER2過剰発現が確認された乳癌に対する術前補助化学療法 | |||
カイトリル | 放射線照射に伴う消化器症状 | 2011年12月承認 | |
プルモザイム | 嚢胞性線維症における肺機能の改善 | 2012年3月承認 | |
バクトラミン | ニューモシスティス肺炎の治療および発症抑制 | 2012年8月承認 | |
アバスチン | 卵巣癌 | 2013年11月承認 | |
第2回 開発要請分 |
アバスチン | 再発膠芽腫 | 2013年6月承認(悪性神経膠腫) |
ハーセプチン | HER2過剰発現が確認された乳癌における術後補助化学療法への1週間間隔投与の用法・用量追加 | 2013年6月承認 | |
セルセプト | ループス腎炎 | 2016年5月承認 | |
第3回 開発要請分 |
タミフル | 新生児・乳児の用法・用量増加 | 2017年3月承認 |
ゼローダ | 直腸癌における補助化学療法 | 2016年8月承認 | |
アバスチン | 卵巣癌における2週間間隔投与の用法・用量追加 | 2022年6月承認 | |
第4回 開発要請分 |
コペガス | ソホスブビルとの併用によるジェノタイプ3のC型慢性肝炎 またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善 |
2017年3月承認 |
ゼローダ | 神経内分泌腫瘍 | 開発要請に対する企業見解につき検討会議での評価待ち | |
アバスチン | 放射線脳壊死に起因する脳浮腫 | 開発要請に対する企業見解につき検討会議での評価待ち | |
ノイトロジン | 再発・難治性急性骨髄性白血病に対するフルダラビンなどを含む抗悪性腫瘍剤との併用療法 | 2022年6月承認 | |
セルセプト | 造血幹細胞移植における移植片対宿主病の抑制 | 2021年6月承認 | |
セルセプト | 強皮症にともなう間質性肺疾患の増悪抑制、改善 | 開発要請に対する企業見解につき検討会議での評価待ち | |
セルセプト | 難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)に対するリツキシマブ治療後の寛解維持療法 | 開発要請に対する企業見解につき検討会議での評価待ち |