オープンイノベーション
中外製薬は、2030年に世界のヘルスケア産業のトップイノベーターとなることを目指しており、その実現に向けて「オープンイノベーション」を重要なキードライバーと位置付けています。ロシュ社とのアライアンスによる研究開発の強みを活かしつつ、アカデミアやスタートアップ企業をはじめとする外部との積極的な連携を通じて、革新的な医薬品の創出とそのスピードアップを目指します。
ロシュ社・ジェネンテック社とのグローバル研究ネットワーク
2002年にロシュ社との戦略的アライアンスをスタートした中外製薬には、革新的な研究に経営資源を集中投下できるという戦略的特徴があります。自社開発品に加えてロシュ社からの導入品を開発パイプラインに持てることで豊富な研究開発ポートフォリオを維持できるとともに、自社品のグローバル開発をロシュ社と共同で行うことで、自社プロジェクトに人員や資金を集中させ、革新的な医薬品の連続的な創出が可能となっています。
基礎研究も含めた早期着想・研究段階では、自社の取り組みに加えて国内外のグローバルな外部研究ネットワークを活用した新たなシーズの取得を行っています。中外製薬はロシュ社やジェネンテック社で生み出されるプロジェクトと同等以上の価値を持った製品を継続的に創出することが期待されており、このことも当社の革新性を高める原動力となっています。
また、ロシュ・グループの持つグローバルな研究基盤を活用できることも強みです。ロシュ・グループ(ロシュ社・ジェネンテック社・中外製薬)の各社は独立して創薬研究を行う一方、化合物ライブラリーなどの創薬プラットフォームはロシュ・グループ内で共有しています。大規模な化合物ライブラリーをはじめとする研究資源やインフラをロシュ社と共有できることは、資金面・効率面などで非常に大きなメリットをもたらし、研究生産性の飛躍的な向上につながっています。
産学連携の推進
中外製薬は、有用性の高い独自の創薬技術やノウハウと、アカデミアでの新たな発見を互いに提供し合いながら共同研究を積み重ね、実りある外部ネットワークを構築しています。
2016年5月には、大阪大学免疫学フロンティア研究センター(IFReC)と先端的な免疫学研究活動に関わる包括連携契約を締結し、2017年より連携推進ラボを稼働し活動しています。
ニュースリリース「大阪大学と中外製薬の包括連携契約締結のお知らせ(2016年5月19日)」[PDF 399KB]
また、短期的な成果は出にくいものの中長期的に重要と考えられる萌芽的研究*については、サテライトラボ(研究子会社)を開設・運営し、そのミッションとして継続して取り組んでいます。
* 独創的な発想、特に意外性のある着想に基づく芽生え期の研究のこと
パートナリング
中外製薬では外部とのパートナーシップ構築にも注力しています。
パートナリング活動は、イン・パートナリングとアウト・パートナリングの両面から行われています。イン・パートナリングでは、産学連携、共同研究、技術ライセンス、研究開発パートナーシップ、アセット導入、買収など、外部イノベーションへのアクセスを目的とした取り組みを推進しています。一方、アウト・パートナリングでは、研究開発および技術サービス、技術またはアセットの導出、スピンアウト、売却など、自社の技術や製品の機会拡大を図っています。
パートナリング
Chugai Venture Fund(CVF)
2023年7月、創薬スタートアップ企業への投資を行うコーポレートベンチャーキャピタル「Chugai Venture Fund, LLC(CVF)」を米国に設立し、2024年1月から本格稼働しました。ベンチャー企業への継続的な投資により、当社独自の創薬エンジン加速を目指します。
ニュースリリース「イノベーション創発の加速に向け、創薬スタートアップ企業への投資活動を開始(2023年12月19日)」[PDF 554KB]
Chugai Venture Fund, LLC(CVF)