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2023年10月20日

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アレセンサ、ALK陽性早期非小細胞肺がんの再発または死亡リスクを76%低減

  • 切除されたALK陽性早期非小細胞肺がん(NSCLC)において無病生存期間の改善を示した最初の第III相臨床試験
  • 術後補助化学療法が実施される場合があるにもかかわらず早期NSCLC患者さんの約2人に1人が再発するため1、治癒の可能性を提供する、より有効な治療選択肢が早急に求められている2
  • 本データはESMO 2023 Presidential Symposiumにおいて、Late Breaking演題として講演発表予定

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、当社創製の抗悪性腫瘍剤/ALK阻害剤アレセンサ®[一般名:アレクチニブ塩酸塩]の第III相臨床試験であるALINA試験の主要解析において、主要評価項目である無病生存期間(DFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示したデータを発表したことをお知らせします。

 IB(腫瘍が4cm以上)~IIIA期(UICC/AJCC 第7版)のALK陽性NSCLCを完全切除した患者さんにおいて、アレセンサはプラチナ製剤ベースの化学療法と比較して、再発または死亡のリスクを76%低下させることを示しました(ハザード比=0.24、95%信頼区間:0.13-0.43、p<0.0001)3。また、中枢神経系(CNS)-DFSについても、臨床的に意義のある改善が認められました(ハザード比0.22、95%信頼区間:0.08-0.58)3。本試験におけるアレセンサの安全性および忍容性は、ALK陽性の転移性NSCLCを対象とした過去の試験と同様であり、予期せぬ所見は認められませんでした3。今回の解析時点では全生存期間のデータは未成熟であり、フォローアップ調査が進行しています3

 ALINA試験の全データは、2023年10月21日土曜日に欧州臨床腫瘍学会(ESMO)2023年のPresidential Symposiumにおいて、Late Breaking演題として講演発表されます。これらのデータは、日米欧を含む世界各国の規制当局へ提出される予定です。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「当社が創製したアレセンサが、ALK阻害剤として初めて第III相臨床試験においてALK陽性早期NSCLCの再発または死亡リスクの大幅な低下を示したデータが発表されたことを大変嬉しく思います」と述べるとともに、「約半数の患者さんが再発を経験する早期NSCLCに対して、治癒の可能性をもたらす術後補助療法は切望されています。ロシュと協働のもと、新たな治療法となり得ることを示した本データを世界各国の当局へ提出し、患者さんにいち早く本剤をお届けできるよう邁進してまいります」と語っています。

 ALK陽性NSCLC患者さんは他の種類のNSCLC患者さんよりも概して若く(通常約55歳)、脳転移のリスクが高いため、病気の進行を遅らせることは特に重要です4。一度再発すると体の他の部位に転移することが多く、通常その状態に至ると治癒が難しいとされます2,5。遺伝子変異に基づき患者さん一人ひとりに適した治療を特定する上で、包括的なバイオマーカー検査が重要な役割を果たします。

 ALINA試験の主要解析では、病期がIB(腫瘍が4cm以上)~IIIA期の患者さんにおけるDFSの中央値はアレセンサ群では未達であったのに対し、化学療法群では41.3カ月でした(95%信頼区間:28.5、評価不能)3。グレード3または4の有害事象は、アレセンサ群では30%、化学療法群では31%に発現しました3。グレード5の事象はいずれの投与群でも認められませんでした3。有害事象により投与を中止した患者さんの割合は、アレセンサ群で5.5%、化学療法群で12.5%でした3

ALINA試験について
 ALINA試験(NCT03456076)は、IB(腫瘍が4cm以上)~IIIA期(UICC/AJCC 第7版)のALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)を完全切除した患者さんを対象として、術後補助療法としてアレセンサとプラチナ製剤ベースの化学療法の有効性および安全性を比較する第III相、ランダム化、実薬対照、多施設共同、非盲検臨床試験です。本試験には、両群のいずれかにランダム化された257例が登録されました。主要評価項目は無病生存期間です。副次評価項目は、全生存期間、有害事象の発現状況などです。

アレセンサについて
 アレセンサは中外製薬の鎌倉研究所で創製された、ALK陽性NSCLCに対する、選択性が高く、中枢神経系においても活性がある経口剤です。同剤はすでに、日本、米国、欧州、中国を含む世界100カ国以上でALK陽性の転移性NSCLCに対する一次治療薬および二次治療として承認されています。また、日本では再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫に対しても承認を取得しています。

肺がんについて
 肺がんは世界におけるがんによる主要な死因の一つです6。肺がんによる死亡者数は毎年180万人であり、世界中で毎日4,900人以上が死亡していることになります6。肺がんはNSCLCと小細胞肺がん(SCLC)の二つに大別されます。NSCLCは最も患者数が多く、全肺がんの約85%を占めます7。早期肺がん患者さんの約半数(疾患のステージにより45-76%)が、術後補助化学療法の選択肢があるにもかかわらず、手術後に再発を経験します1。再発前に早期に肺がんを治療することで、再発を予防し、治癒につながる治療機会となる可能性があります2

 上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典:

  1. Pignon JP et al. Lung Adjuvant Cisplatin Evaluation: A Pooled Analysis by the LACE Collaborative Group. J Clin Oncol. 2008;26:3552-3559.
  2. Hendricks LE et al. Oncogene-addicted metastatic non-small-cell lung cancer: ESMO Clinical Practice Guideline for diagnosis, treatment and follow-up. Ann Oncol. 2023;34(4): 339-357.
  3. Solomon B et al. ALINA: efficacy and safety of adjuvant alectinib versus chemotherapy in patients with early-stage ALK+ non-small cell lung cancer (NSCLC). Presentation at: European Society for Medical oncology Congress; 2023 October 20-24. Late-breaking abstract #LBA2.
  4. Griesinger F et al. Brain metastases in ALK-positive NSCLC – time to adjust current treatment algorithms. Oncotarget. 2018:9(80);35181-35194.
  5. Peters S et al. Alectinib versus Crizotinib in Untreated ALK-Positive Non–Small-Cell Lung Cancer. NEJM. 2017;377:829-838.
  6. Thandra K C, et al. Epidemiology of lung cancer. Contemp Oncol. 2021;21(1):45-52.
  7. American Cancer Society: What Is Lung Cancer? [Internet; cited 2023 October] Available from: https://www.cancer.org/cancer/non-small-cell-lung-cancer/about/what-is-non-small-cell-lung-cancer.html.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
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