中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2021年07月19日
抗体カクテル療法「ロナプリーブ点滴静注セット」、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し、世界で初めて製造販売承認を取得
上場会社名 | 中外製薬株式会社 | |
コード番号 | 4519(東証1部) | |
本社所在地 | 東京都中央区日本橋室町2-1-1 | |
代表者 | 代表取締役社長 CEO | 奥田 修 |
問い合せ先 | 責任者役職名 | 広報IR部長 |
氏名 | 笹井 俊哉 | |
電話番号 | 03(3273)0554 |
- 初の軽度から中等度のCOVID-19治療薬として、国内で特例承認として薬事承認を取得
- 海外第III相臨床試験にて、一回の投与で重症化の抑制と症状消失までの期間短縮を確認
- 日本政府や関連事業者と緊密に協働し、速やかに国内供給開始予定
当社は、抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体「ロナプリーブTM点滴静注セット300」「同1332」[一般名:カシリビマブ(遺伝子組換え)/イムデビマブ(遺伝子組換え)]について、SARS-CoV-2による感染症(新型コロナウイルス感染症、COVID-19)に対し、厚生労働省より医薬品医療機器等法第14条の3に基づく特例承認を本日付で取得したことをお知らせいたします。
代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「新型コロナウイルスの流行は複数の変異株の出現により新たな局面を迎えており、一日も早い収束のためには、ワクチンによる新規感染の抑制とともに、感染者に対する治療選択肢の拡充が極めて重要です。ロナプリーブは、COVID-19重症化リスク因子を持つ外来患者さんの入院・死亡リスクを低下させるとともに、重症化の抑制と症状消失までの期間短縮が臨床試験において示されています」と述べるとともに、「また、ロナプリーブは、デルタ株をはじめとする複数の変異株に効果があることが非臨床試験で確認されています。こうしたエビデンスを基に、本剤は疾病まん延防止等における緊急必要性が認められ特例承認を取得しています。感染拡大が続く中、可及的速やかな供給に向け日本政府や関連事業者と緊密に協働してまいります」と語っています。
今回の承認は、COVID-19患者を対象として海外で実施された第III相臨床試験REGN-COV 2067試験の成績、および日本人における安全性と忍容性、薬物動態の評価を目的とした国内第I相臨床試験の成績に基づいています。
国内におけるロナプリーブの供給は、日本政府との合意に基づき、2021年分が確保されています。速やかな供給に向け、引き続き日本政府とともに協働してまいります。
ロナプリーブは、SARS-CoV-2に対する2種類のウイルス中和抗体カシリビマブおよびイムデビマブを組み合わせ、COVID-19に対する治療および予防を目的として、米国リジェネロン社により創製されました。当社の戦略的提携先であるロシュ社が2020年8月にリジェネロン社と製造、開発、販売について共同で実施することを発表し、同年12月に、中外製薬が日本における開発権および独占的販売権をロシュ社より取得しています。現時点において、ロナプリーブは日本以外の国では薬事承認されていません。
添付文書情報
販売名: | ロナプリーブTM点滴静注セット300、同1332 |
一般的名称: | カシリビマブ(遺伝子組換え)/イムデビマブ(遺伝子組換え) |
効能又は効果: | SARS-CoV-2による感染症 |
用法及び用量: | 通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、カシリビマブ(遺伝子組換え)及びイムデビマブ(遺伝子組換え)としてそれぞれ600mgを併用により単回点滴静注する。 |
【参考情報】
開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する抗体カクテル療法(casirivimab/imdevimab)に関する日本政府との合意について(2021年5月10日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210510150000_1105.html
入院をしていないCOVID-19患者を対象とした第III相臨床試験において、casirivimabとimdevimabの抗体カクテル療法が入院または死亡のリスクを70%減少(2021年4月2日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210402150000_1096.html
中外製薬、ロシュよりCOVID-19に対する抗体カクテル療法を導入(2020年12月10日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20201210170001_1046.html
ロナプリーブについて
ロナプリーブは、2種類のモノクローナル抗体のカクテルであり、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2による感染防止を目的として、リジェネロン社によって創製されました。創薬過程においては、ヒト免疫機能を持つよう遺伝子組換えされた、リジェネロン社独自のVelocImmune®マウスによって産生された何千もの完全ヒト抗体、およびCOVID-19から回復した患者から同定された抗体が評価されています。 2種類の強力なウイルス中和抗体であるカシリビマブおよびイムデビマブは、ウイルスのスパイクタンパク質の受容体結合部位に非競合的に結合することで、SARS-CoV-2に対して中和活性を示し、ヒトの集団で発生したスパイクタンパク質に変異を持つウイルス株に対しても効果を示すことが期待されます1。
特例承認について
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)第14条の3第1項の規定に基づき、以下のいずれにも該当する医薬品について、厚生労働大臣は、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、その品目に係る承認を与えることができるとされています。
- 疾病のまん延防止等のために緊急の使用が必要、かつ、当該医薬品の使用以外に適切な方法がない
- 外国(医薬品に関し日本と同等の水準にあると認められる薬事制度を有しているとして認められる国)で販売等が認められている
VelocImmune®は、法律により保護されています。
出典
- Alina Baum, Benjamin O Fulton, Elzbieta Wloga, et al. Science 2020 Aug 21; 369(6506):1014-1018.
なお、本件は、2021年2月4日に公表した2021年12月期の業績予想には含まれておりません。現時点において当該予想の変更はありませんが、今後開示すべき事由が発生した際には、速やかに開示いたします。
以上
本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部
- 報道関係者の皆様
- メディアリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0881
- mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
- 投資家の皆様
- インベスターリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0554
- mailto: ir@chugai-pharm.co.jp