中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2020年10月22日
2020年12月期第3四半期連結決算
- 売上収益5,765億円(+13.3%)、Core営業利益2,319億円(+35.5%)。いずれも第3四半期として過去最高
- 国内製商品売上高の減少を海外製商品売上高およびロイヤルティ等収入及びその他の営業収入の大幅な伸長が上回り、売上・利益とも二桁増
- クロバリマブ(SKY59/RG6107)の発作性夜間ヘモグロビン尿症に対する第III相グローバル臨床試験開始、新規抗がん剤SPYK04の臨床開発開始をはじめとした自社創製品の進展を含め、研究開発も順調に進捗
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:小坂 達朗)は、本日、2020年12月期第3四半期連結決算について発表いたしました。
代表取締役会長 CEOの小坂 達朗は、「第2四半期に続き、輸出とロイヤルティ収入の力強い伸びが国内製商品売上高の減少を大きく上回り、高成長を維持しました。初のリサイクリング抗体エンスプリング®を日米で発売したことは、大きなマイルストーンです。研究開発面でも、クロバリマブ、SPYK04が新たな開発段階に入り、エンスプリングに続く自社創製品が着実に進展しています。独自のサイエンス力と技術力に基づくイノベーションを引き続き追求し、アンメットメディカルニーズの充足と企業価値の持続的成長に努めてまいります」と語っています。
<2020年12月期第3四半期業績概要>
2020年12月期第3四半期の業績(Coreベース)は、薬価改定および後発品浸透の影響を受けた国内製商品売上高が前年同期比約7%の減少となったものの、海外製商品売上高が約4割増、ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入が約6割増と大きく伸長した結果、売上収益、営業利益とも前年同期比二桁増となりました。
売上収益は13.3%増加しました。製商品売上高では、4月の薬価改定と後発品浸透の影響により、国内のがん領域、骨・関節領域および腎領域が第2四半期に引き続き減少し、国内製商品売上高全体として6.5%の減少でした。8月に新発売した視神経脊髄炎スペクトラム障害治療薬エンスプリングの国内売上高は3億円でした。一方、新型コロナウイルス肺炎を対象とした臨床試験用を含むアクテムラ®のロシュ向け輸出の増加や、通常出荷価格による血友病A治療薬ヘムライブラ®のロシュ向け輸出を主因に、海外製商品売上高は39.3%増加しました。ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入は、ヘムライブラに関するロイヤルティおよびプロフィットシェア収入の大幅な増加と、一時金収入によるその他の営業収入の増加により、63.3%増加しました。
製商品原価率は、薬価改定の影響を受けた一方、ヘムライブラをはじめとする自社品の売上構成比の増加等により、前年同期比で2.6%ポイント改善し、43.1%でした。経費は、主に新型コロナウイルスの感染拡大に伴う活動減により販売費および一般管理費が減少したものの、開発テーマの進展を主因として研究開発費が二桁増となり、経費全体として5.7%の増加となりました。以上の通り、売上収益の増加および製商品原価率の改善を主因として、営業利益は35.5%増加しました。
研究開発活動も順調に進展しています。主な進捗として、SMN2スプライシング修飾剤リスジプラムについて、脊髄性筋萎縮症を対象とする国内の製造販売承認申請を10月に行いました。自社創製品では、発作性夜間ヘモグロビン尿症を対象に開発中の抗C5リサイクリング抗体クロバリマブの第III相グローバル臨床試験を開始し、低分子抗がん剤SPYK04の臨床開発を開始しました。また、同じく自社創製の抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体ネモリズマブについては、国内導出先のマルホ株式会社がアトピー性皮膚炎に対する製造販売承認申請を実施しています。既存品の適応拡大では、抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体テセントリク®および抗VEGFヒト化モノクローナル抗体アバスチン®が肝細胞がんに対する承認を取得したほか、抗HER2抗体チューブリン重合阻害剤複合体カドサイラ®について、早期乳がんの術後補助薬物療法の承認を取得しています。
<新型コロナウイルス感染症への取り組みおよび業績への影響について>
第3四半期までの業績影響については、売上収益および各段階利益に大きなマイナスインパクトはなかったものの、継続して一部事業活動の進捗は一定の影響を受けました。主な内容は以下の通りです。
- 従業員/ステークホルダーの安全を最大限確保の上、製品の安定供給体制を維持。これまでのところ国内外とも製品供給への影響なし
- 営業活動の自粛・抑制等、入院・外来患者数の減少等によるテセントリク、ヘムライブラなどの新製品や適応拡大品の国内市場導入の遅れ
- 海外市場においては、ヘムライブラのロシュ向け輸出が引き続き増加
- 新型コロナウイルス肺炎を対象とした臨床試験用を含むアクテムラのロシュ向け輸出が引き続き増加
- 国内営業活動の自粛等による一部経費の抑制
- 薬事申請・承認時期に大きな影響なし
- 開発中のプロジェクトにおける治験開始や進捗などが一部遅延しているものの、大きな影響なし
- 創薬活動における優先度の高いプロジェクトの遅延はなし
- 中外ライフサイエンスパーク横浜の建設工事が一時中断。すべての工事を再開し、全体工期への影響は限定的
- 新型コロナウイルス肺炎に対するアクテムラの国内第III相臨床試験を実施中。業績への影響は未定
【2020年12月期第3四半期実績】
(億円) | 2020年 第3四半期 | 2019年 第3四半期 | 前年同期比 |
---|---|---|---|
連結損益(Core実績) | |||
売上収益 | 5,765 | 5,089 | +13.3% |
製商品売上高 | 4,648 | 4,405 | +5.5% |
ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入 | 1,117 | 684 | +63.3% |
営業利益 | 2,319 | 1,711 | +35.5% |
四半期利益 | 1,656 | 1,245 | +33.0% |
連結損益(IFRS実績) | |||
売上収益 | 5,765 | 5,089 | +13.3% |
営業利益 | 2,273 | 1,609 | +41.3% |
四半期利益 | 1,624 | 1,174 | +38.3% |
<製商品売上高の内訳>
(億円) | 2020年 第3四半期 | 2019年 第3四半期 | 前年同期比 |
---|---|---|---|
製商品売上高 | 4,648 | 4,405 | +5.5% |
国内 | 3,032 | 3,244 | △6.5% |
がん領域 | 1,674 | 1,797 | △6.8% |
骨・関節領域 | 727 | 805 | △9.7% |
腎領域 | 210 | 259 | △18.9% |
その他領域 | 421 | 384 | +9.6% |
海外 | 1,616 | 1,160 | +39.3% |
【研究開発活動の進展】(2020年7月28日~2020年10月22日)
Core実績について
当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とはIFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであり、ロシュが開示するCore実績の概念とも整合しております。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
以上
本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部
- 報道関係者の皆様
- メディアリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0881
- mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
- 投資家の皆様
- インベスターリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0554
- mailto: ir@chugai-pharm.co.jp