中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2023年12月15日

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アレセンサ、ALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法として、適応拡大申請

  • ALK陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)における術後補助療法を対象に、ALK阻害剤として初めて良好な有効性を示した第III相臨床試験であるALINA試験に基づく承認申請
  • 希少疾病用医薬品指定の申請を提出しており、指定された場合、承認審査は優先審査の対象となる予定

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、ALK阻害剤「アレセンサ®カプセル150 mg」(一般名:アレクチニブ)(以下、アレセンサ)について、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法に対する適応拡大の承認申請を、本日、厚生労働省に行いましたのでお知らせいたします。なお、同適応症に対しては、希少疾病用医薬品指定の申請を提出しており、指定された場合、適応拡大の承認審査は優先審査の対象となる予定です。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「自社創製品のアレセンサが、ALK陽性NSCLCの術後補助療法を対象に日本での承認申請に至ったことを嬉しく思います」と述べるとともに、「アレセンサはALK阻害剤として初めて術後補助療法における有効性を示した医薬品であり、早期肺がんにおけるペイシェントジャーニーを大きく変える可能性があります。本剤を一日でも早く患者さんにお役立ていただけるよう、承認取得に向けて引き続き尽力してまいります」と語っています。

 今回の承認申請は、ALK陽性NSCLCを完全切除した患者さんの術後補助療法を対象としたグローバル第III相臨床試験であるALINA試験の成績に基づいています。同試験では、病理病期IB~IIIA期のALK陽性NSCLCを完全切除した患者さんにおいて、アレセンサはプラチナ製剤ベースの化学療法と比較して、再発または死亡のリスクを76%低下させることを示しました(ハザード比=0.24、95%信頼区間:0.13-0.43、p<0.0001)1。また、アレセンサの安全性および忍容性は、ALK陽性の転移性NSCLCを対象とした過去の試験と同様であり、予期せぬ所見は認められませんでした1

 オンコロジー領域のリーディング企業である中外製薬は、革新的な医薬品によりがん治療におけるアンメットメディカルニーズを充足し、患者さんおよび医療関係者に貢献できるよう引き続き取り組んでまいります。

ALINA試験について
 ALINA試験(NCT03456076)は、IB(腫瘍が4cm以上)~IIIA期(UICC/AJCC 第7版)のALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)を完全切除した患者さんを対象として、術後補助療法としてアレセンサとプラチナ製剤ベースの化学療法の有効性および安全性を比較する第III相、ランダム化、実薬対照、多施設共同、非盲検臨床試験です。本試験には、両群のいずれかにランダム化された257例が登録されました。主要評価項目は無病生存期間です。副次評価項目は、全生存期間、有害事象の発現状況などです。

アレセンサについて
 アレセンサは中外製薬の鎌倉研究所で創製された、ALK陽性NSCLCに対する選択性が高く、中枢神経系においても活性がある経口剤です。同剤はすでに、日本、米国、欧州、中国を含む世界100カ国以上でALK陽性の転移性NSCLCに対する一次治療および二次治療に対して承認されています。また、日本では再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫に対しても承認を取得しています。

肺がんについて
 肺がんは世界におけるがんによる主要な死因の一つです2。肺がんによる死亡者数は毎年180万人であり、世界中で毎日4,900人以上が死亡していることになります2。また国内では年間12.7万人が罹患しています(2019年)3。肺がんはNSCLCと小細胞肺がん(SCLC)の二つに大別されます。NSCLCは最も患者数が多く、全肺がんの約85%を占めます4。早期肺がん患者さんの約半数(疾患のステージにより45-76%)が、術後補助化学療法の選択肢があるにもかかわらず、手術後に再発を経験します5。再発前に早期に肺がんを治療することで、再発を予防し、治癒につながる治療機会となる可能性があります6

 上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典:

  1. Solomon B et al. ALINA: efficacy and safety of adjuvant alectinib versus chemotherapy in patients with early-stage ALK+ non-small cell lung cancer (NSCLC). Presentation at: European Society for Medical oncology Congress; 2023 October 20-24. Late-breaking abstract #LBA2.
  2. Thandra K C, et al. Epidemiology of lung cancer. Contemp Oncol. 2021;21(1):45-52.
  3. 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)[Internet; cited 2023 December] Available from: https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/12_lung.html
  4. American Cancer Society: What Is Lung Cancer? [Internet; cited 2023 December] Available from: https://www.cancer.org/cancer/types/lung-cancer/about/what-is.html
  5. Pignon JP et al. Lung Adjuvant Cisplatin Evaluation: A Pooled Analysis by the LACE Collaborative Group. J Clin Oncol. 2008;26:3552-3559.
  6. Hendricks LE et al. Oncogene-addicted metastatic non-small-cell lung cancer: ESMO Clinical Practice Guideline for diagnosis, treatment and follow-up. Ann Oncol. 2023;34(4): 339-357.

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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