中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2023年04月21日

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テセントリクとアバスチンの併用により、第III相試験で特定の肝がん患者の再発リスクが低下

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社が4月16日(バーゼル発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることにご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2023-04-16をご覧ください。

 ロシュ社は4月16日、第III相IMbrave050試験からの新たなデータにより、テセントリク®(一般名:アテゾリズマブ)とアバスチン®(一般名:ベバシズマブ)の併用療法が、根治目的の外科切除または焼灼療法後に再発リスクの高い肝細胞がん(HCC:hepatocellular carcinoma)患者において、統計学的に有意な無再発生存期間(RFS:recurrence-free survival)の改善を示したことを発表しました1

 テセントリクとアバスチンの併用療法により、アクティブサーベイランス群と比較して追跡期間中央値17.4カ月の時点で再発リスクを28%低下させました(独立判定機関(IRF:independent review facility)によるRFSハザード比: 0.72、95%信頼区間: 0.56-0.93、p値=0.0120)2。IRFによるRFSの所見は部分集団間で概ね一貫していました。重要な副次的評価項目である全生存期間(OS:overall survival)は、解析時点ではまだデータが十分ではありませんでした(被験者数に対するイベント割合として7%)。テセントリクとアバスチンの併用療法における安全性は、各治療薬の安全性プロファイル、および基礎疾患によるものと同様でした2

 この最新データは2023年米国がん学会(AACR:American Association for Cancer Research)年次総会で発表され、公式プレスプログラムとして採用されています。規制当局との協議を実施中であり、予め規定された次の解析時におけるRFSの最終データと、より成熟したOSデータの取得に向け、フォローアップを継続します。

IMbrave050試験について
 IMbrave050試験は、根治目的の切除または焼灼療法後に再発リスクの高い肝細胞がん患者[がん病変の大きさ及び数、並びに病理組織学的検査結果(入手可能な場合)に基づき決定]に対し、アクティブサーベイランス群と比較して、術後補助療法としてのテセントリクとアバスチンの併用療法の有効性および安全性を評価する多施設共同非盲検ランダム化グローバル第III相臨床試験です。
 本試験では、668人を1:1の割合でテセントリク(1,200 mgを3週1回投与)およびアバスチン(15 mg/kgを3週1回投与)を併用で12カ月間もしくは17サイクル投与する群、またはアクティブサーベイランスによる無治療群にランダム化しました。主要評価項目は独立判定機関の判定による無再発生存期間(RFS:recurrence-free survival)です。重要な副次的評価項目は、全生存期間、主治医の判定によるRFS、PD-L1陽性患者におけるRFS等です。

肝細胞がん(HCC:hepatocellular carcinoma)について
 肝臓がんはがんによる死亡原因の第3位であり、死亡率が上昇している数少ないがんの一つです3,4。全世界で毎年90万人を超える人がこの疾患の診断を受けており、90秒ごとに1人が診断を受けていることになります3。HCC10症例のうち9症例は、慢性B型肝炎、慢性C型肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:non-alcoholic fatty liver disease)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:non-alcoholic steatohepatitis)、アルコール性肝疾患(ALD:alcohol-related liver disease)や、これらの疾患から生じる肝硬変を含む慢性肝疾患によるものです4,5
 早期に診断された場合、原発腫瘍を切除するために手術が行われることがありますが、早期HCC患者さんの70-80%が手術後に再発すると推定されます1。早期再発は予後不良と生存期間の短縮に繋がります1, 6。また、腫瘍の大きさ、腫瘍数、門脈浸潤は再発リスクの上昇に関連します6

参考:テセントリクの国内承認状況について
 2018年4月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能・効果として販売を開始し、同年12月に「化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する用法・用量の追加について承認を取得しています。また、2019年8月に「進展型小細胞肺癌」、同年9月に「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」、同年11月に「化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する用法・用量の追加、2020年9月に「切除不能な肝細胞癌」に対する承認、同年12月に「化学療法未治療のPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する用法・用量の追加に対する承認を取得しました。2022年5月には「PD-L1 陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法」に対する適応追加の承認を取得しています。
 なお、テセントリクの国内開発は中外製薬が実施しており、日本からもIMbrave050試験に参加しています。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典:

  1. Hack SP, Spahn J, Chen M, et al. IMbrave 050: a Phase III trial of atezolizumab plus bevacizumab in high-risk hepatocellular carcinoma after curative resection or ablation. Future Oncology. 2020;16(15):975-989.
  2. Chow P, Chen M, Cheng AL, et al. IMbrave050: Phase 3 study of adjuvant atezolizumab + bevacizumab versus active surveillance in patients with hepatocellular carcinoma (HCC) at high risk of disease recurrence following resection or ablation. Presented at American Association for Cancer Research (AACR) Annual Conference 2023; 16 April 2023. Abstract #CT003.
  3. World Health Organization. Liver Cancer Factsheet. Globocan. 2020. Available at: https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/11-Liver-fact-sheet.pdf. Last accessed: March 2023.
  4. Llovet JM, Kelley RK, Villanueva A, et al. Hepatocellular carcinoma. Nature Reviews Disease Primers. 2021;7(1):6.
  5. McGlynn KA, Petrick JL & El-Serag HB. Epidemiology of Hepatocellular Carcinoma. Hepatology. 2021;73:4-13.
  6. Saito A, Toyoda H, Kobayashi M, et al. Prediction of early recurrence of hepatocellular carcinoma after resection using digital pathology images assessed by machine learning. Modern Pathology. 2021. 34:417-425.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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