血液
目次
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血液について
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血液が病気になると…
血液について
血液ってどんな働きをしているの?
血液はからだのすみずみまで酸素や栄養を送り、二酸化炭素やいらない物質を回収するはたらきをしています。
血液は何からできているの?
主に3種類の血球(細胞成分)と1種類の液体成分からできています。

血液の構成とはたらき
血漿(けっしょう)
血液の半分以上を構成する液体成分。水分が主で、栄養素やホルモン、いらないものを運ぶ。
赤血球(せっけっきゅう)
酸素や二酸化炭素を運ぶ。ヘモグロビンという赤い色素を含み、血液が赤く見えるのはこのため。
白血球(はっけっきゅう)
体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を攻撃・排除する。免疫の中心的な役割を担う。
血小板(けっしょうばん)
血管が傷ついたときに集まり、血を固めて止血する。赤血球
血液型っていくつあるの?
主にA、B、O、ABの4種類に分かれています。

血液型について
赤血球の表面についているたんぱく質の種類によって、人の血液を4つに分けたのがABO式血液型です。手術やけがなどで大量に出血すると命に関わるため、輸血が行われます。輸血とは健康な人の血液をとって、必要とする人の静脈へ注射することです。血液型が合わないと血管の中で血液が固まってしまうため、同じ血液型の人のものが使われています。
血液が病気になると…
血液が病気になるとどうなるの?
血液が病気になると、体のあらゆる部分に影響が及びます。なぜなら、血液は酸素や栄養の運搬、免疫、防御、止血など、生きる上で欠かせない働きをしているからです。
「鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ」とは
どんな病気?
何らかの原因でからだのなかの鉄分が不足すると、体内に酸素を運ぶ役割の赤血球にふくまれるヘモグロビンが減り、貧血が起こりやすくなります。貧血の90%が「鉄欠乏性貧血」であるといわれ、男性に比べ女性がかかる割合が非常に高い病気です。
主な症状(しょうじょう)は?
立ちくらみがする、顔色が悪い、動悸(どうき)・息切れが起こる、皮膚(ひふ)が蒼白(そうはく)〈青白〉になる、爪(つめ)がわれやすくなるなどの症状が出ます。
原因は?
食事からの鉄分の摂取(せっしゅ)不足や、消化吸収機能の低下、妊娠(にんしん)による鉄分不足、女性の生理による出血過多(かた)などが挙げられますが、過度な偏食(へんしょく)やダイエットもその原因に挙げられています
治療(ちりょう)するには?
貧血がひどい場合や食事療法(りょうほう)で改善がみられない場合は、鉄剤(てつざい)を投与(とうよ)します。体内の鉄分の割合が正常になるまでには、3〜4ヵ月はかかるケースが多いです。
「白血病(はっけつびょう)」とは
どんな病気?
白血病は、骨髄の中で血液細胞ががん化し、異常な白血病細胞が増殖する病気です。正常な赤血球・白血球・血小板がつくられなくなるため、全身にさまざまな影響が出ます。急性と慢性、骨髄性とリンパ性に分類されます。
主な症状(しょうじょう)は?
白血病細胞が増加するかわりに、赤血球、血小板、白血球が減少します。そのため、息切れ、動悸(どうき)などの貧血症状や鼻血や歯ぐきからの出血、あざができやすくなる、発熱、頭痛や関節痛の症状が現れます。ほかにも感染しやすい状態になることもあります。
原因は?
はっきりとした原因は不明ですが、遺伝子の異常が関与していると考えられています。放射線や化学物質への曝露、抗がん剤治療の影響などがリスク因子とされることもあります。
検査方法は?
血液検査で白血球数や赤血球・血小板の異常を調べたり、骨髄検査で骨髄液に白血病細胞があるかを確かめたりします。染色体検査や遺伝子検査は、治療方針の決定や予後の予測に役立ちます。
治療(ちりょう)するには?
がんの種類(急性か慢性か/骨髄性かリンパ性か)によって病気の進行の速さや異常が起こる細胞の種類が異なるため、種類に応じて、化学療法、分子標的治療、造血幹細胞移植などが選ばれます。
監修:公益財団法人 日本学校保健会