初診の時に守ること

目次

医師に対しては、自分の身体のことをできるだけくわしく伝えましょう。「質問が多いと医師に迷惑がかかり診断に差しさわりがあるのでは?」と気にする必要はありません。長年お付き合いのある医師なら、患者さんの様子からさまざまな判断ができますが、初めての病院でしかも初診だと、そうはいきません。遠慮や緊張からなかなか言い出しにくいかもしれませんが、医師から尋ねられなくても、次のことは必ず伝えるようにしましょう。

◆現在の病気と使用中のくすり名を伝える

ほかの病気にかかっていて薬を服用している場合は、その病名と薬の名称(病院の処方薬だけでなく市販の薬や漢方薬、さらには健康食品も含まれます)を医師に伝えましょう。

以下のどれかに当てはまる人も、医師にしっかりと伝えましょう。

◆アレルギーや副作用の経験がある人

過去に薬によってアレルギー症状や副作用が出たことのある人は、薬の名前と症状を医師に伝えましょう。 また、アレルギーは、自分と同じ体質の人にも起こりやすいので、自分だけでなく、家族にアレルギーがある場合も、医師に話をするようにしましょう。
「おくすり手帳」のアレルギー歴の有無の記入欄に自分のアレルギー体質を記すなどして対策を立てましょう。

◆妊娠している人・母乳を与えている人

女性の場合、妊娠中や母乳を与えている人が、薬を使用すると胎児や乳幼児にも影響が出ることがあります。

◆仕事をする時

薬のなかには、強い眠気が生じるものがあります。車両の運転手、飛行機のパイロット、ダイバーなど、眠くなると勤務に重大な支障をきたす職業の人は、事前に申し出ましょう。

◆お酒を飲む時

お酒を飲む機会が多い人は、薬の服用中に飲酒をすることが適切かどうか医師のアドバイスを受けるようにしましょう。

問診で得られた情報は、一般的にはほぼ以下の7つに分類され医師が記録します。

主訴

患者さんの主な症状、訴え

現病歴

発症のきっかけから現在に至るまでの経過

既往歴

これまでにかかったことがある病気やけが

薬歴

現在服用中の薬、健康食品など

家族歴

配偶者や血縁者がかかったことがある病気

生活歴

食の偏重、喫煙、飲酒などの生活習慣

職業歴

これまでに経験した職業や職場環境など

これらの項目を医師に伝えることは、医師が患者さんを正確に診断するために重要です。できるだけくわしく報告しましょう。


監修: 慶應義塾大学名誉教授 望月 眞弓先生