子どもにくすりを飲ませる時

子どもと大人の違い

子どもは心身共に発育途上にあり、生体機能が日々著しく変化しています。薬に対する反応も年齢や体重などによって異なるほか、個人差も大きい時期です。薬を分解したり排泄したりする能力が大人より弱いため、薬の影響を受けやすい傾向があります。

子どもと大人の違い

ご家庭で子どもが急に熱を出した場合などでも、大人用の薬を減量して飲ませることをしてはいけません。単純に量を減らせばよいというわけではなく、薬の成分や体内での吸収のされ方によっては、危険を伴う場合がありますので必ず医師・薬剤師に相談しましょう。

たとえば、アスピリンは解熱鎮静剤としてよく使われている薬ですが、子どもがはしかやインフルエンザなどにかかっている場合に使用すると「ライ症候群※」という病気にかかりやすくなるおそれがあります。そのため子どもに使用することは禁じられています。

※ライ症候群とは:主に子どもがウイルス性疾患にかかった後、激しい嘔吐や意識障害、けいれんと肝機能障害などが現れ、場合によっては死に至ることがあります。

乳児期のくすりの飲ませ方

◆くすりをミルクに混ぜて飲ませるのはやめましょう
ミルクの成分によっては、薬が効かなくなったり、ミルクを飲み残すことで薬を全量飲ませられないこともあります。また、ミルクの味が変わってしまうことでミルク嫌いの原因になる場合もあります。

哺乳瓶

◆泣いていやがっている時にむりやり飲ませてはいけません
気管に入ってしまい、呼吸困難におちいることがあります。
◆授乳後など満腹で飲まないことがあります
薬によっては、空腹時や食前に飲ませることが可能な場合もあるので、医師・薬剤師に相談しましょう。
◆シロップ製剤の飲ませ方
ほ乳瓶の乳首の中に入れて吸わせるか、小さなスプーンやスポイトで舌の上にのせ、飲ませましょう。
◆粉ぐすりの飲ませ方
少量の水か白湯で粉薬を練って、だんご状にして上あごにこすりつけます。その後に水、白湯を飲ませましょう。

乳児へのくすりの飲ませ方

幼児期のくすりの飲ませ方

◆まずしっかりと飲ませてあげること
特に1〜3才は薬に対して最も抵抗感がある時期といわれています。いつも飲んだり食べたりしているものと違うので、警戒して薬を嫌がったり、吐き出してしまったりすることがあります。基本的には水か白湯で飲ませるのが良いのですが、どうしても飲まないときはジュースやシロップに混ぜるのも一つの方法です。ただし一緒に服用すると薬が効かなくなる場合もあるので、あらかじめ医師や薬剤師に相談しましょう。

スプーンやスポイトで飲ませ

◆シロップ製剤の飲ませ方
瓶から直接飲ませると、むせたり唾液で薬を汚染させる原因になります。一回分を別の容器に取り、スプーンやスポイトで飲ませましょう。シロップは甘くて飲みやすいので、子どもが勝手に飲まないよう注意が必要です。
◆粉ぐすりの飲ませ方
水や白湯で溶いてスプーンで少しずつ飲ませましょう。
◆錠剤、カプセル剤の飲ませ方
食道につかえないようにあらかじめ水を含ませましょう。
◆嚥下(えんげ)補助ゼリー
粉薬、錠剤、カプセル剤などは嚥下補助ゼリーを使うと飲ませやすくなる場合もありますので、医師・薬剤師に相談しましょう。(嚥下とは口の中に入れたものを飲み込むことです。)
◆坐薬の使い方
水やサラダ油で濡らすと痛みが少なくスムーズに挿入できます。できるだけ排便を済ませてから挿入し、薬が外に出てしまわないよう1〜2分押さえておきましょう。

子どもとの会話

薬をいやがる子どもに無理やり薬を飲ませようとすると、よけいに薬が嫌いになってしまいます。病気を治すために薬を飲まなければならないことを、子どもにあった方法でわかりやすく説明することが大切です。(ばい菌をやっつけて、はやくお友達と遊ぼうね、など)そして上手に飲めたら心からほめてあげましょう。

子どもにあった方法でわかりやすく説明

くすりを誤って飲んだら

慌てずに、状況の確認(何を何時に、どのくらい飲んだか)を正確に行ってください。 その後、一刻も早く医院・病院へ連れて行きましょう。

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