口
目次
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口について
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喉が病気になると…
口について
正面
五感のうちのひとつ「味わう」しごとをする、味覚(みかく)の器官です。
口とは
食べ物を食べたり、味わったりするほか、話をしたり、呼吸をしたりする役割をしています。
食べた物と吸った空気はどこを通っているの?
食べ物は「食道」を通って、空気はそれとは別の「気管」を通ります。

気管に食べ物が入ると苦しいです。お酢(す)でむせたときは、とくに苦しくなります。
舌はどんなはたらきをしているの?
味覚を判断したりしています。

舌
舌は厚い筋肉でできています。だ液は食べ物をやわらかくして飲み込みやすくしています。だ液にはでんぷんの消化を助けるはたらきもあります。
味覚の種類
食べ物が口に入ると、舌の上で味を感じて、脳でどのような味かが判断されます。
味覚には、甘味(あまみ:アマイ)、塩味(しおみ:シオカライ)、酸味(さんみ:スッパイ)、苦味(にがみ:ニガイ)、旨味(うまみ:ウマイ)があります。酸味、苦味は舌の前の方より奥の方がより敏感であり、塩味、甘味は舌の前後を通じてそれほどの差はありませんが、やはり奥の方が敏感だとされています。
ちなみに、トウガラシなどの「辛(から)み」といわれるものは、味覚神経で感じるのではなく、舌の表面の粘膜(ねんまく)に伸(の)びている神経の先で感じるもので、「痛み」に近い感覚だとされています。
味覚
食べ物が口に入ると、舌の上で味を感じて、脳でどのような味かが判断されます。
甘(あま)い
砂糖をなめたときなどに感じる甘さは、糖以外にもグリコール、ケトン、アルコール、アミノ酸など、さまざまな物質が原因しています。
塩辛(から)い
塩をなめたときなどに感じる塩辛さは、主にナトリウムイオンが原因といわれています。
すっぱい
レモンをなめたときなどに感じるすっぱさは、主に酸が原因です。すっぱさの強さは、水素イオン濃度(のうど)に関係しています。
苦(にが)い
苦さは、キニン、ニコチン、カフェインなどアルカロイドや窒素(ちっそ)をふくむ有機物などが原因しています。動物は苦いという感覚に特に敏感です。これは、植物の毒素の多くはアルカロイドで、毒を判断するために敏感なのではないか、という説もあります。
旨(うま)い
料理を食べたときに感じる旨味(うまみ)は、おいしさを生むために大切な役割を果たしています。旨味は、こんぶからのグルタミン酸、かつお節からのイノシン酸、干ししいたけからのグアニル酸などが原因しています。なお、欧米諸国ではこの「うまみ」を正確に表す言葉が見あたらないために、そのまま「umami」が使われている場合もあります
喉が病気になると…
喉(のど)はどうして痛くなるの?
いろいろな原因がありますが、扁桃(へんとう)が細菌(さいきん)に感染して炎症(えんしょう)を起こすのが主な原因です。

腫(は)れが前口蓋弓(ぜんこうがいきゅう)よりわずかに突(つ)き出る
腫れが前口蓋弓(ぜんこうがいきゅう)より強く内側に突き出る
腫れが口蓋垂(こうがいすい)※の真下にまで達する
※「のどちんこ」ともいいます。
喉(のど)が腫(は)れると食事がしづらくなります。
「へんとう炎(えん)」とは
どんな病気?
咽頭(いんとう)の両脇にある口蓋扁桃(こうがいへんとう)に炎症(えんしょう)が起きる病気です。口蓋扁桃が赤く腫(は)れたり、表面が白い膿(うみ)でおおわれていたりします。
主な症状(しょうじょう)は?
喉(のど)の痛み、物を飲み込むときの痛み、さらには耳の痛み、全身のだるさ、食欲がないなどの症状がでます。38〜40℃の高熱が出るのも特徴(とくちょう)です。首のリンパ節が腫(は)れて痛むこともあります。子どもの場合は脱水症状(だっすいしょうじょう)を起こして重症(じゅうしょう)になることがあるので早めに医師に相談しましょう。
原因は?
細菌(さいきん)やウイルスの感染により起こります。疲れているときや睡眠(すいみん)不足の時、気温の急激な変化などで体力が弱まったときに感染しやすくなります。かぜのひとつの症状(しょうじょう)としてあらわれることもあります。
治療(ちりょう)するには?
細菌(さいきん)が原因のときには抗菌薬(こうきんやく)を使用します。痛みや熱を抑(おさ)える薬や、口の中を清潔に保つためのうがい薬なども使用します。脱水症状(だっすいしょうじょう)がひどいときには点滴(てんてき)が行われることもあります。扁桃炎(へんとうえん)にくりかえしかかり、日常生活に影響(えいきょう)する場合は手術によって扁桃を取ることもあります。
監修:公益財団法人 日本学校保健会