病院とくすり
医師・薬剤師・看護師の役割
医師・薬剤師・看護師の役割
医師は病気を診断し、治療のために適切な薬を処方します。薬剤師は薬を保管・管理し、医師の処方箋(しょほうせん)に従って適切に調剤し、患者さんに薬の説明をします。看護師は、医師の指示のもとに注射をし、また、一人で薬を飲めない人への介助や、副作用の観察などを行っています。医師・薬剤師・看護師がぞれぞれの専門知識を生かし、協力することで、患者さんが安全かつ効果的に薬を使用できるように役割をはたしています。
医薬分業
病院や診療所で診察を受けた後、処方箋を渡されて院外で薬を受取る場合と、院内で薬を受取る場合があります。
医師と薬剤師の役割分担のシステムを医薬分業といいます。医薬分業は、薬のことを薬の専門家である薬剤師にまかせることで、医師が一層診療に専念することができ、患者さんがより充実した医療を受けられるようにするための制度です。
医薬分業のメリット
医薬分業は患者さんにとってどんなメリットがあるのでしょうか。
- ◆相互チェックにより、安全性が高まる
- 医師と薬剤師が二重にチェックすることで、より安全性が高まります。薬剤師は処方に疑問な点があった場合には医師に問い合わせ、疑問点が解決しなければ調剤してはいけないことになっています。
- ◆最適なくすりを選択できる
- 医師は、その医療機関が取り扱っていない薬も処方できるので、患者さんにとって最適な薬を選択することができます。
- ◆薬局を選択できる
- 患者さんにとって都合のよい、信頼できる薬局を自由に選択できます。
- ◆市販薬や健康食品を含めさまざまな健康相談を受けることができる
- 薬局では医療用医薬品だけでなく、市販薬や健康食品、介護用品なども扱っていることが多く、薬の説明はもちろん、健康管理全般について相談にのってもらうことが可能です。
- ◆副作用や薬物アレルギーの予防ができる
- かかりつけの薬局を決めておけば、薬歴が1カ所での管理になるので、複数の医療機関からの薬の重複や、相互作用のチェックもでき、副作用や薬物アレルギーの予防にもつながります。
医薬分業のデメリット
小さい子どもや、お年寄り、また体調の悪い時などには、病院と薬局の2カ所に行かなければならないことが、患者さんにとって負担になることもあります。
しかし、上記のようなメリットも多くあることから、日本の医薬分業率は増加しています。また、ヨーロッパや北アメリカなどの先進国のほとんどは医薬分業となっています。