従業員への取り組み
トップ製薬企業像の実現に向けた人財基盤づくりを加速させています。
人財こそが企業の成長・発展を生み出すかけがえのない資産であるという基本理念のもと、ミッションステートメントで明示しているトップ製薬企業像の実現をより確実なものとするため、ダイバーシティマネジメント、タレントマネジメント、人事処遇制度の3本柱で人財マネジメントを推進しています。
トップ製薬企業像の実現に向けた人事戦略

一人ひとりの能力と適性に応じたタレントマネジメント
中外製薬では、トップ製薬企業像の実現と経営戦略の推進役となるリーダーおよびコア人財を育成・確保するため、タレントマネジメントに取り組んでいます。
具体的には2017年4月に各組織において、中長期的な人財育成方針について議論を行い、人財育成プランの策定およびタレントプール(次世代リーダー候補者の母集団)の構築を行いました。また、人財育成プランに基づき、全社的な視点に立った戦略的な人財配置やリーダーシップ強化を目的とした研修を実施しました。サクセッションプランについては、国内の部門組織長・基本組織長ポジション、および海外キーポジションなど中外グループのキーポジションの後継候補者を選抜し、可視化しました。
現在、グローバルレベルでリーダーシップを発揮するリーダーの確保に向けて、幅広い視点の醸成や各種スキル向上を目的とした育成プランを実行しています。今後もタレントマネジメントシステムを通じて、計画的・継続的な次世代リーダーおよびコア人財の育成・輩出を実現するとともに、全社の人財強化とモチベーション向上を目指していきます。
タレントマネジメントシステムの3つのゴール

多様な人財の活躍につなげる人事処遇制度
人事処遇制度改定、ダイバーシティマネジメントおよびタレントマネジメントシステムの導入を踏まえ、2012年にキャリア開発の仕組みを刷新しました。
一人ひとりのキャリア自律を支援するキャリア開発
キャリアポリシーを「自律と互いの成長に向けて一人ひとりが自分の価値に気づき育む機会を大切にします」と定め、本人の自覚と上司の支援・助言を中心とした職場での対話およびマネジメントを重視し、キャリア申告制度を基本サイクルとして、自律的なキャリア開発を実施しています。また、基本サイクルを補完する各種施策を活用し、さらなる自律と互いの成長を促進しています。
キャリア開発の全体像

キャリア開発の基本サイクル |
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キャリア申告制度による自己の再認識、実践、振り返りのサイクルを重視し、キャリア開発の基本サイクルと位置づけています。 キャリア申告制度 |
キャリア施策1:気づき、考え、語る場 |
自らの価値に気づき、キャリアについて考える場・語る場として、各種研修・交流会を実施しています。 キャリア開発研修 キャリアデザイン研修 |
キャリア施策2:さらなる成長に向けた機会 |
さまざまな機会を通じて、さらなる成長を促しています。 自己変革支援プログラム「SIP」 留学・資格取得休職制度 転採用制度 |
キャリア施策3:各種サポート機能 |
キャリア相談での個別サポートやウェブサイトでの情報提供を行っています。 キャリア相談室 キャリアWeb |
キャリア施策4:ライフイベントに対応する制度・仕組み |
キャリア開発と大きくかかわるライフイベントについて、制度や仕組みの充実を図っています。 キャリアチェンジ支援制度 シニア社員制度 |
働きやすい環境づくり
ワークライフバランスの取り組み
従業員が出産や育児、介護などを理由に離職することなく個人のライフスタイルに合わせて働き続けられるように、次世代育成支援や就業環境の整備、長時間労働削減の取り組みを行っています。
また、2013年から中外製薬グループが目指すワークライフバランス像を「ワークライフシナジーの追求」として労使でとりまとめ、全組織で「働きがいのあるインクルーシブな職場づくり」に取り組んでおります。
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ワークライフバランスの取り組み

安全衛生・健康管理・メンタルヘルスへの取り組み
中外製薬では、2011年12月に安全衛生に関する基本規程を整備し、「従業員の安全の確保は、すべての業務に優先する」という方針のもとに、安全衛生体制の整備、安全の確保と労働災害の防止、健康の保持増進、快適な職場環境の形成に積極的に取り組んでいます。全事業所に、従業員が安心して利用できる健康相談・メンタルヘルス相談の窓口を設け、産業医・産業看護職・産業心理職などの専門職と、職場の管理監督者や人事担当者とが連携して、一人ひとりの問題についてきめ細かな対応を行える体制をつくっています。
がんの就労支援の取り組み
がん治療を受ける従業員が、安心して治療を受けられるように、また、治療を受けながら安心して働くことができるように、がん治療に関する就労支援をより充実させました。実際の治療状況に応じた取り組みが実施できるような相談体制の整備や、抗がん剤や放射線治療などの外来治療と仕事の両立支援制度の整備を行い、「がんに関する就労支援ハンドブック」を作成して、全従業員に案内を行いました。
相談窓口
近年、厳しい社会環境の中で働く人たちの心の余裕が失われてコミュニケーションが不足し、職場でのいじめや嫌がらせが増えています。相手の気持ちに配慮しない言動は相手につらい思いをさせるだけではなく、職場環境を悪化させることにもつながります。
中外製薬グループでは、こうした悩みや問題を抱えたときに、プライバシーが守られ安心して話ができる相談窓口(BCGホットラインおよび社内外のハラスメント相談窓口)を設置しています。お互いの人格・個性や価値観を尊重し合い、生き生きと働ける職場環境を整えるため、公正な立場で問題解決にあたっています。
健全な労使関係を構築
中外製薬株式会社と中外製薬労働組合は、さまざまな階層で労使協議会を定期的に開催し、コミュニケーションの向上を図り、信頼をベースとした協力的で健全な労使関係を築いています。2017年12月1日現在中外製薬労働組合の組合員は3,447名となっており、民主的に運営されています。
なお、2009年には中外製薬工業労働組合が設立され、同年、中外製薬労働組合とともに中外製薬労組連合会を形成し、2010年からは中外製薬としても、労働協約に基づいた労使協議を行っています。
中外BCG(ビジネス・コンダクト・ガイドライン)をわたしたち自身のものとし、実践するために
BCG・人権研修
全従業員を対象に上期は「企業倫理」、下期は「人権の尊重」に重点を置いた内容で、毎年職場別研修を実施しています。
2017年上期は、「グローバルコンプライアンス体制」と「マタニティハラスメント防止」の2つのテーマで実施しました。
前者では、「企業倫理は業績に優先する」という当社の基本的な理念のもと、中外製薬グループを対象とした「グローバルコンプライアンスポリシー」を新たに策定した目的および3ラインズ・オブ・ディフェンスに基づく体制と社員一人ひとりが第一線の役割を理解し、自律的なコンプライアンスを推進することが、わたしたちのミッションである患者さんへの持続的な貢献につながることを確認しました。
後者のマタニティハラスメント防止については、わたしたち一人ひとりが、さまざまなライフイベントを抱えながら仕事をしている中、組織で仕事をするときに職場の組織風土や人間関係は重要な要素であり、ハラスメントの防止というテーマを通して、わたしたちが個々の能力を発揮するために、どのような働き方ができるのかを考えるとともに、“お互いさま”という気持ちの大切さとコミュニケーションの重要性を再確認しました。
下期は「贈収賄防止への取り組み」「LGBT~多様な個性を知る~」の2つのテーマで実施しました。
前者では贈収賄防止に関する規程の理解・浸透を図ることを目的に、贈収賄にかかわるリスクがグローバルに広がっている現状および最近のFCPAの法執行状況やその傾向を確認し、規程で定める自らあるいは第三者を介して贈収賄をしない・させないための仕組みや自ら実施すべきことを確認しました。
後者のLGBTのテーマでは、ここ最近の社会の動きや話題について紹介するとともに、当事者の方々の日常生活での体験談や想いを語っている映像を通じて、まず相手に対する固定観念・思い込みなどの壁を取り去り、当事者の想いに気づくことで、意識や行動を変えられることについて学びました。わたしたちが目指す姿、そして、お互いがそれぞれの個を認めて人権を尊重する社会や職場の実現に向けて、社会もわたしたちも変わっていく必要があることを確認しました。