循環型資源利用

廃棄物全体の削減目標だけでなく、主な海洋汚染源であるプラスチック廃棄物や水の使用量の削減についても目標を設定し、環境に配慮した事業活動の推進や再資源化技術の共同開発を通じ、サーキュラーエコノミーの実現に向けて取り組みます。

中期環境目標2030と2025年実績

KPI 中期環境目標2030
(基準年2019年)
2025年実績
廃棄物排出量 2025年:5%削減*1
2030年:10%削減*1
31.3%削減
プラスチック
廃棄物
2025年:5%削減*1
2030年:10%削減*1
27.8%削減
水消費量
(取水量)
2030年:15%削減*1 28.1%削減
  • *1 延床面積あたり(賃貸物件を除く)

廃棄物排出量の削減

2025年の不要物(産業廃棄物・有価物)発生状況

2025年の不要物は3,241トンでした。資源の有効活用のため、有価物化に積極的に取り組んでおり、不要物のうち507トンを有価物とすることで産業廃棄物排出量の削減につなげました。有価物化の内訳は、研究機器などのリユースで2.5トン、プラスチック・金属・廃油などのリサイクルで504トンでした。産業廃棄物のそれぞれの項目に関する詳細は以下に説明します。

産業廃棄物排出量の推移

* 2023年および2024年の産業廃棄物の排出量に誤りが見つかったため数値を修正しています。
(2023年:3,525t→3,547t 、2024年:3,346t→3,553t)

2025年の産業廃棄物排出量は基準年比14.1%減、前年比23.1%減の2,734トンとなり、そのうち広域認定制度を利用した排出は2トンでした。また、延床面積あたりの排出量は、基準年 10.5 kg/m2から31.3%減、前年差2 .6 kg/m2減の7.2 kg/m2となり、中期環境目標2030における産業廃棄物排出量の2025年目標(延床面積あたり2019年比5%削減)を達成しました。2025年の減少は、一部生産計画の変更により、有害廃棄物が前年度と比べて排出量が大きく減少したことが主な要因です。また、有価物として研究機器のリユースや、プラスチック・金属・廃油などのリサイクルを積極的に行い、排出量の増加を抑制しています。

プラスチック廃棄物排出量の推移

* 2023年および2024年のプラスチック廃棄物排出量に誤りが見つかったため数値を修正しています。
(2023年:795t→791t、2024年:549t→559t)

2025年のプラスチック廃棄物排出量は基準年比9.8%減の486トン、延床面積あたりの排出量は、基準年1.8 kg/m2から27.8%減の1.3kg/m2でした。これにより、中期環境目標2030におけるプラスチック廃棄物排出量の2025年目標(延床面積あたり2019年比5%削減)を達成しました。2025年は有価物としてプラスチックのリサイクルを積極的に行い、排出量の増加を抑制しています。サーキュラーエコノミーの概念の浸透が進む一方で、プラスチックによる海洋汚染は深刻な社会課題となっているため、廃棄物全体の削減だけでなく、プラスチック廃棄物の削減にも取り組んでいきます。

再資源化量、再資源化率の推移

* 再資源化の基準見直しに加え、一部拠点における廃棄物排出量に誤りが見つかったため、2023年・2024年の再資源化量・再資源化率を修正しています。
(再資源化量:2023年 3,496t→1,157t 、2024年 3,326t→1,039t、再資源化率:2023年 99.1%→32.6%、2024年 99.4%→29.2%)

2025年は、資源循環の考え方をより重視し、産業廃棄物の処理方法について、産業廃棄物処理業者への確認を開始しました。さらに、再資源化の集計方法の見直しを行い、より厳格に処理の実態を反映させた分類へ移行しています。

具体的には、従来日本の法令に基づき再資源化として集計していたサーマルリサイクル*1について、資源循環の観点から対象外としました。例えば、助燃材として利用される廃棄物は、燃焼により資源として循環しないため、再資源化には該当しないと整理しています。

こうした見直しにより、2025年の再資源化量は産業廃棄物排出量2,734トンのうち543トン、再資源化率は19.8%となりました。数値上は低下していますが、資源循環の実効性を正確に把握し、循環の質を高めることを目的とした前向きな取り組みです。

  • *1 サーマルリサイクル 廃棄物の焼却時に発生する熱を回収し、発電や熱供給などに利用するエネルギー回収の手法

産業廃棄物最終処分量、最終処分率の推移

最終処分量:埋立処分量および焼却処分量に産業廃棄物ごとの焼却係数を乗じて算出した量の合計

* 再資源化の基準見直しに加え、一部拠点における廃棄物排出量に誤りが見つかったことにより、2023年・2024年の最終処分量・最終処分率も修正しています。
(最終処分量:2023年 4t→153t、2024年 2t→47t、最終処分率:2023年 0.1%→4.3%、2024年 0.1%→1.3%)

2025年の最終処分量は84トン、最終処分率3.1%となっています。今後も産業廃棄物削減とともに、再資源化率向上および最終処分量削減に向けた取り組みを進めていきます。

廃棄物の適正処理

事業所の廃棄物担当者を中心とした廃棄物担当者会議を年1回実施しています。
担当者間で、廃棄物処理法の改正および適正処理等の情報を共有し、コンプライアンスの徹底を図っています。

また、廃棄物処理法において努力義務である廃棄物処理委託業者の現地確認を、2024年から2026年の3年間で100%以上実施するという目標を立てています。契約する廃棄物処理委託業者48社のうち2024年は19社、2025年は20社に対し実施しました。

今後も廃棄物の適正処理に努めます。

環境負荷低減に対する当社製品対策への取り組みについて

近年、資源循環分野における世界規模の喫緊の課題として、「海洋プラスチックごみによる生態系への影響」が共通認識となっており、G20や国連をはじめとする様々な国際会議において議論が行われています。2019年6月に開催されたG20大阪サミットでは、この海洋プラスチックごみ問題について、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されました。日本では2019年5月に3R+Renewable(4R)を基盤とするプラスチック資源循環戦略を策定し、プラスチック使用量の削減に向けた具体的な目標を設定して、様々な取り組みを行っています。
中外製薬グループでも中期環境目標2030の重点課題の一つである循環型資源利用の中で、プラスチック廃棄物の延べ床面積あたりの排出量を、2019年比で2025年に5%削減、2030年に10%削減という目標を策定し、事業所から排出されるプラスチック廃棄物の削減に取り組んでいます。

包装材料 施策
1次包装 PTP 薄いプラスチックフィルムを使用
バイオマスプラスチックを使用(2023年より順次切り替え)
バイオマスプラ識別表示マーク

「バイオマスプラ識別表示マーク」
日本バイオプラスチック協会の登録商標

ガラスボトル 軽量瓶を使用
プラボトル バイオマスプラスチックを使用(2023年より順次切り替え)
バイオマスプラ識別表示マーク

「バイオマスプラ識別表示マーク」
日本バイオプラスチック協会の登録商標

2次・3次包装 個装箱 薄い板紙を使用
再生紙を使用
紙トレイ
段ボール箱
シリンジブリスター 再生プラスチックを使用(2022年より順次切り替え)
PETボトル再利用品 ロゴ
アルミピロー
包材共通 材質表示によるリサイクル循環の促進

プラスチックへのReduceに加えた新たな取り組みとして、2020年よりRecycleとして再生プラスチックの利用、Renewable(再生可能資源の利用)として石油由来のプラスチック原料から、植物由来のバイオマスプラスチックなどの持続可能な原材料への変更を検討しています。特に使用量の多い、PTP、アルミピロー、シリンジブリスター、プラスチックボトルを中心に検討し、2022年には、アルミピローおよびシリンジブリスターにおいて再生プラスチック含有包材の使用を開始、2023年にはPTPおよびプラスチックボトルにおいてバイオマスプラスチック含有包材の使用を一部製品にて開始いたしました。2030年には全製品において環境に配慮したプラスチック素材を含有した包材の使用を目指し、技術検討を進めていきます。詳細は以下のリンクよりご確認いただけます。

容器包装使用量、再商品化委託申込量(2025年実績)(トン)

  容器包装使用量 再商品化委託申込量
24.3 0.7
プラスチック 60.1 18.1
ガラス(茶色) 6.3 1.8
合計 90.7 20.5

水消費量(取水量)削減および水質汚濁防止

水消費量(取水量)の推移

製造工程の変更や雨水の利用により、2025年の取水量は、基準年比10.1%減、前年比3.5%減の1,871トン、延床面積あたりでは基準年比28.1%減の4.9kg/m2となり、中期環境目標2030における水取水量の2025年目標(2019年比15%削減)を達成しました。なお、2024年の増加は事業活動の拡大によるものです。

総BOD量、窒素量、リン量の推移

* 2023年・2024年の窒素量・リン量に誤りが見つかったため数値を修正しています。
(窒素量:2023年 4,811kg→6,288kg、2024年 4,954kg→7,868kg リン量:2023年 362kg→762kg、 2024年 345kg→742kg)

排水中の水質は、2024年差で総BOD量は3,189kg増の6,974kg、窒素量1,272kg増の9,141kg、リン量184kg増の926kgでした。水質汚濁防止法や都道府県条例などに基づき、排水処理施設で処理を行い、排水基準に適合していることを確認したうえで公共用水域への排水を行っています。

循環型資源利用に関する認証・情報開示

  • CDP*1:水セキュリティ Aリスト選定(2025年時点)
  • 水循環企業登録・認証制度*2:水循環ACTIVE企業「水量水質カテゴリー」「人材資金カテゴリー」認証(2025年時点)
  • *1 CDP:英国で設立された環境情報開示を推進する、国際的な非政府組織(NGO)
  • *2 水循環企業登録・認証制度:健全な水循環の維持・回復に向け、企業による水資源保全や適正利用などの取り組みを国が評価し、登録・認証する制度

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