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PEOPLE

最先端の
オルガノイド培養を究めて
新薬開発の成功確率を
高めようとする人。

  • # 新卒
  • # 開発
  • # 臨床薬理職

田中 海 Kai Tanaka

トランスレーショナルリサーチ本部 医科学薬理部
2016年入社

次々と提供されるチャンスが、私を成長させた。

大学院では生命科学を専攻し、植物ホルモンの研究に従事していた田中。当初はアカデミアでそのまま基礎研究を続けていく考えだった。「真理を探索する研究活動が好きで、博士課程に進もうと考えていましたが、やはり基礎研究のレベルでは成果をなかなか社会に還元できない。そこにもどかしさを感じるようになり、もっと直接的に社会に貢献できる研究開発がしたいと、ヒトの命に関わる製薬業界への就職を希望。いくつか企業を検討するなかで興味を持ったのが中外製薬でした。抗体医薬品の研究開発に実績があり、高い技術力を持っていること。そして、ロシュ社とのアライアンスでスケールの大きな研究開発ができそうなことにも魅力を感じました。」

最終的に中外製薬を選んだのは、面接でお会いした当時の部長に惹かれたからだと田中は言う。「創薬に対する熱意にあふれていて、言葉の端々から患者さんへの想いが伝わってきました。この人のもとで私もぜひ研究開発がしたいと強く想い、中外製薬への入社を決意したのです。」入社後、彼がまず手がけることになったのは、ヒト血液中の薬剤測定法の開発。臨床試験にあたって患者さんに投与された薬剤が、体の中にどのくらい吸収されるのか、成分の変化を測定して明らかにしていくことが田中に課せられたテーマだった。2年目には、実際の臨床試験における検体の測定責任者を任されることに。「上司が次々とチャンスを提供してくれて、若いうちから重要な仕事を託してくれました。当時は無我夢中でしたが、いま振り返ると、その上司の計らいのおかげで大きく成長できたように思います。」

前例はない。未知の細胞培養モデル構築に挑む。

そして3年目、大きな転機が田中に訪れる。細胞を使用した3次元培養法の構築が新たな研究テーマとして与えられ、未知の最先端領域にチャレンジすることになったのだ。「これも上司から『3次元培養法を研究してみないか』とチャンスを与えていただきました。私も新しいことに挑戦したいという思いをずっと抱いていて、ぜひやらせてほしいと即答。そこから現在に至るまで、オルガノイドの培養に奮闘しています。」オルガノイドとは、細胞をin vitro(試験管内)で3次元培養して創り出した極小の臓器のような構造体のこと。ヒトの臓器を再現したこのオルガノイドを用いて、臨床試験に入る前に新薬候補化合物の作用を評価することで、医薬品開発の成功確率を上げることが期待されている。

「オルガノイドはここ10年ほどで研究が大きく進み、最近ようやく創薬に使えるツールにまで発展を遂げてきました。とはいえ、まだまだ絶対的な培養技術が確立されているわけではない。論文で発表されている内容が100%正しいわけでもない。目指すべきモデルの構築に向けてひたすら試行錯誤を繰り返す日々ですが、何かひとつでも自分が立てた仮説通りに結果が現れると、やはり気持ちが高揚します。」田中がいまターゲットにしているのは、ヒト腸管のオルガノイド。これが実現すれば、医薬品の成分が腸から体の中にどのように吸収されるかを探ることができ、薬効メカニズムの解明にも応用することができる。培養は順調に進み、開発に導入できるレベルに達してきた。

患者さんのために、
非臨床と臨床をスムーズに繋ぐ。

このオルガノイドの培養モデル構築を進めるにあたって、ロシュ・グループの一員であることが大きなアドバンテージになっていると田中は語る。「細胞の3次元培養技術では、ロシュ社が世界の先端を走っています。世界の有名なラボやベンチャー企業と提携し、最新の知見を豊富に有している。そうしたロシュ社の研究者たちとディスカッションをする機会も多く、それはとても刺激的。新たな気づきもたくさんあり、研究へのモチベーションがいっそう高まります。」いま彼が手がけているのは、再生能力を持つヒト成体幹細胞からオルガノイドを培養するモデルだが、iPS細胞からオルガノイドを作ることも可能だ。その方法も会得しておきたいと、論文を読み漁って知識の吸収に努めている。

田中は、自らが作り出したオルガノイドで、あらゆる創薬開発のプロジェクトを支援していきたいと考えている。「非臨床開発では薬効などが認められていた新薬候補品が、臨床試験に入って患者さんに投与すると、思うような成果が上がらずプロジェクトが失敗してしまう。そうしたケースがたくさんあるのが実情ですが、オルガノイド培養技術を導入することで非臨床から臨床へスムーズに移行し、薬剤開発の成功確率が向上して患者さんにいち早く新薬をお届けできる。この非臨床と臨床を繋ぐトランスレーショナルリサーチを究めていきたい。」田中曰く「中外製薬は失敗に寛容でチャレンジを推奨する風土」。この環境を存分に生かしてさらに最先端を拓いていきたいと、彼はそう意気込んでいる。

※本記事の内容は取材当時のものです。

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