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PEOPLE

モデリング&
シミュレーションを究めて、
医薬品開発を劇的に
革新しようと企む人。

  • # 新卒
  • # 開発
  • # 臨床薬理職

小谷 直生 Naoki Kotani

トランスレーショナルリサーチ本部 医科学薬理部
2012年入社

新薬候補品の臨床薬理担当者として味わった、
大きな感動。

大学で薬物動態学を専攻し、製薬企業の臨床薬理職を志望していた小谷。なかでも開発パイプラインが豊富で、より多くの優れた医薬品を患者さんに届けられる可能性があり、その分だけ医療の進展に貢献できる機会があることに魅力を感じて中外製薬に入社したという。すでに当社でのキャリアは10年に及び、これまで一貫して臨床薬理を究めてきた。臨床薬理担当者は、医薬品開発プロジェクトの一員となって新薬候補品の薬物動態やその有効性・安全性との関連性を評価し、治験を進めるにあたり、どのような患者集団に、どのような用法用量で投与すべきかを設計していく。「私たちが適切に治験設計を行うことが、開発の成功につながります。容易な仕事ではありませんが、非常に重要な役割を担っており、とてもやりがいを感じています。」

これまでさまざまな医薬品開発プロジェクトに参画してきた小谷だが、なかでも印象に残っているのは、血友病Aに対する新規の抗体医薬品の開発に携わったときのことだ。「血液凝固機能に異常をきたす血友病Aは、従来使われてきた標準的な治療法では高頻度に侵襲性の高い薬物投与を繰り返す必要があり、患者さんやそのご家族が日常生活を送るにあたって負担となることがあるとお聞きしていました。そのような中、この抗体医薬品はより負担の少ない用法で治療効果が期待され、私も臨床薬理担当者として関わった早期ステージの臨床試験でも臨床データとして患者さんでの出血予防効果が確認されました。臨床試験の現場で被験者として参加してくださった患者さんからも喜びの声を頂いていると聞き、医薬品開発を通じて患者さんに貢献できるのだと実感しました。その時に覚えた感動はいまでも心に強く残っており、私の原動力になっています。」この抗体医薬品はいま、中外製薬の主力製品にまで成長している。

米国に赴任し、
最先端のM&Sの知見を吸収。

そして入社7年目、小谷に大きなチャンスが訪れる。米国西海岸に拠点を置くロシュ・グループのジェネンテック社へ赴任することになったのだ。「海外でキャリアを積むことは、入社時からの希望でした。グローバルで最先端の医薬品開発を展開するロシュ・グループの知見を吸収し、自らをレベルアップしたいとキャリア面談の場で訴えていたところ、米国への赴任の機会を頂けました。私に託された使命は、ジェネンテック社で実施されているモデリング&シミュレーション(以下M&S)の技術やノウハウを吸収することでした。」M&Sとは、過去に蓄積された臨床データをもとに、新薬候補品の薬物動態やそれと有効性・安全性の関連を表現する数理モデルを構築(モデリング)し、そのモデルを使って臨床試験の結果を予測(シミュレーション)するというもの。いま製薬業界で注目される最先端のテーマだ。

米国に赴任した2年半で、小谷は本当に貴重な経験を得たという。「ジェネンテックでは、M&Sを駆使した喘息薬やがん治療薬の開発プロジェクトに参加しました。非線形混合効果モデルを用いて臨床データを解析し、用法用量設計をサポートするためのシミュレーションに奮闘しましたが、何より驚いたのは、米国では当局が主導してM&Sによる医薬品開発推進の環境整備を積極的に進めていることでした。条件次第では新たな治験を実施せずに、M&Sで臨床試験を代替できる可能性もあるという事例をジェネンテックではいくつも見ました。患者さん含め被験者を集めて新たに治験を実施する必要がなく、デジタルの世界で臨床試験を完結できる。膨大な費用がかかる治験をスキップできれば、開発コストが削減され、承認までのスピードも格段に上がる。医薬品開発が劇的に効率化され、患者さんにも大きなメリットをもたらすことができるのです。いま世界はここまで来ているのかと、毎日興奮しながら開発に明け暮れました。」

M&Sで中外製薬の未来を
リードしていきたい。

ジェネンテックへの赴任で身につけた世界水準のM&Sを国内に持ち帰り、いま進行中の医薬品の臨床開発プロジェクトへの展開を図っている小谷。さらにその前段階である、非臨床研究から臨床開発への橋渡し、トランスレーショナルリサーチにも、M&Sを実装していきたいと目論んでいる。「動物実験などによって得られる非臨床データを、そのままヒトの臨床予測に繋ぐことのできるプラットフォームを構築できれば、医薬品の開発はさらに効率的になります。研究本部のメンバーともディスカッションしながら、そうした新たなM&S戦略の立案に取り組んでいるところです。」

近い将来、医薬品候補となる化合物が、体内でどのように反応するかというレベルまでM&Sで解析することが可能になるだろう。そうした世界の実現を自らリードしていきたいと意気込む小谷。そのためにはバイオロジーや臨床医学の知識も必要とされ、さらに自分をレベルアップしていくことが求められる。決して容易なことではないが、かつて血友病の抗体医薬品の開発プロジェクトで味わった経験が、いまも彼を奮い立たせている。自らが開発した医薬品で、患者さんが苦難から解放されて生活が変わる。そんな喜びを一人でも多くの方に届けたい。そんな熱い想いを抱いて、小谷は今日も難題に立ち向かっている。

※本記事の内容は取材当時のものです。

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