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大きな使命感を抱き、未開の世界を切り拓いていく人。

新薬誕生に、最初に立ち会う。

廣田は中学生の時、治験に参加したことがある。「その薬剤が非常によく効いて、『薬って不思議だな』ととても興味を持ったのです」 。大学院でも薬の作用メカニズムの研究に取り組み、就職先としても製薬会社を志望。中外製薬は、ロシュ社と戦略的アライアンスを締結しており、日本で独立経営を維持している。グローバルで培われたロシュ社の最先端のナレッジを共有しながら,自社オリジンの新たな医薬品を生み出せる環境に惹かれたからだ。「こうしたビジネスモデルを持つ国内の製薬企業は中外製薬だけでしたので、大変魅力を感じました」。

廣田が入社以来携わっているのは「薬事」である。薬事というのは、医薬品の承認申請・審査対応を主に担う仕事だ。「当初は臨床開発職を志望していたのですが、中外製薬の説明会で薬事の担当者の方が『この仕事は新薬の誕生の場に最初に立ち会える』とおっしゃっていて、その言葉に惹かれました。自分がリードして新薬を世の中に送り出す、そんな仕事を務めるのは大いにやりがいがありそうだなと。また、薬事というのは、幅広い部門と関わりながら業務を遂行していくので自分の幅が広がりそうだと思ったことも、この職種を選んだ理由です」。

前例もない。手本もない。

薬事業務は、近年大きく仕事の幅が広がっている。規制当局への承認申請や審査対応はもちろんのこと、研究フェーズからプロジェクトに入り、基礎研究や臨床開発の担当者と議論しながら効率的な開発戦略を策定。その製品の安全性・有効性を早い段階から検証し、申請に必要な情報を得るための臨床試験を検討していく。国内外の規制当局との合意形成をよりスムーズに行い、一刻も早く患者さんに新薬を届けるために、薬事担当者が中心になって新薬が承認されるまでの戦略を立てていくのだ。そんな薬事の仕事のいちばんの面白さは「いままでまったく道のなかったところに道を作っていくことだと廣田は言う。

「たとえば最近、再生医療が注目を集めています。当社でも研究に取り組んでいますが、再生医療のような最先端の領域になると、開発のためのガイドラインもノウハウも構築されていません。そこで私たち薬事担当が、製造方法や品質管理の妥当性、有効性や安全性の検証方法の検討を行い、開発戦略を立てていかなければならないのです」。新規領域の場合には、ガイドラインの根拠となる情報を収集し様々な角度から検証しなければならない。「まったく前例のない中、知恵を絞ってさまざまなハードルをクリアし、革新的な新薬を送り出す。それを自らリードできるのが醍醐味ですね」。

次の舞台はグローバル。

そして最近、廣田の仕事のフィールドはさらに広がっている。グローバルに向けた新薬開発に関わり、ヨーロッパやアジアなど海外の当局との対応にあたっている。「海外の当局との折衝は、その国の医療事情や法律などをきちんと理解しておかなければならないなど、また違う次元の難しさがあります。しかし、海外展開はこれからの中外製薬にとって重要なテーマ。中外製薬の革新的な医薬品をグローバルに広めていく力になりたい。そのためにも、ロシュ社で薬事を経験してみたい。当部からは毎年、ロシュ社に人材を派遣しているので、チャンスがあれば私もぜひ行きたいです。

薬事に携わっていると、たとえば規制当局との折衝で承認申請や審査対応がうまく運ばず、苦労することも多い。しかし、そんな時に廣田が立ち返るのは「患者さんのために」という原点だ。「仕事を進めていると、知らず知らずのうちに自分の考え方に枠をはめがちです。しかし、そこで私が可能性を狭めてしまうと、患者さんに薬が届く時期がどんどん遅れてしまう。たとえ無理だと思えるようなことでも、できることは挑戦する。キャリアを重ねるにつれて、そんな思いがますます強くなっています」。大きな使命感を胸に抱き、廣田は今日もさまざまな難題に立ち向かっている。

※本記事の内容は取材当時のものです。
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