用語一覧
- 個別化医療
- 患者さんの体質や病気の特徴に合った治療を行うことです。英語では「パーソナライズド・ヘルスケア(PHC)」「パーソナライズド・メディシン」といい、「オーダーメイド医療」、「テーラーメイド医療」、「プレシジョン・メディシン(直訳すると精密医療)」などと呼ばれることもあります。
- 遺伝子
- 親から子へと伝えられる遺伝情報の単位であり、生物の活動に必要なタンパク質をどのように作るかを決める設計図として働きます。その本体は細胞の中にあるDNAと呼ばれる物質で、DNAを構成している塩基という四種類の物質の並び方(塩基配列)によって、どのようなタンパク質が作られるかが決まります。
- 遺伝子変異
- 遺伝子に起きた変化のことをいいます。遺伝情報が他の情報と入れ替わったり、別の情報が入り込んだり、欠損して情報がなくなってしまったりといった、さまざまな種類の変異があります。遺伝子が変化したために正常なタンパク質ができなくなり、病気の発症につながる場合があります。
- 遺伝子解析
- 遺伝子のタイプを調べることです。遺伝子の一か所の変異を検出、遺伝子全体を解析、一人の人がもつすべての遺伝情報を解析、などさまざまな解析方法があります。
- 分子標的薬
- がん細胞などの特定の細胞だけを攻撃する治療薬のことです。主にがん領域で使われており、標的とする細胞だけで作られる異常なタンパク質(分子)などの目印を見つけて、標的の細胞を攻撃します。正常な細胞へのダメージが少なく、副作用が抑えられると考えられています。
- 抗体医薬品
- 体内の免疫作用を担う「抗体」のしくみを利用した医薬品のことで、病気に特徴的なタンパク質を目印として結合し、病気の細胞を攻撃する薬です。目印を持たない通常の細胞には作用しないので、副作用が少なくなると考えられています。
- 副作用
- 薬による好ましくない作用のことをいいます。例えば鎮痛剤による胃腸障害や抗ヒスタミン剤による眠気などです。そのほか、生命にかかわる、あるいは後遺症が残るような重篤な反応が起こる場合もあります。原因はさまざまで、薬を正しく使っていても副作用が起こる可能性があります。
- 臨床試験
- 人を対象として行う、薬の有効性や安全性を調べるための試験のことです。
- コンパニオン診断
- コンパニオン診断薬を用いて、ある治療薬が患者さんに効果があるかどうか、治療の前にあらかじめ検査することをいいます。コンパニオンとは「ともなう」という意味で、コンパニオン診断薬と治療薬は原則として1:1で対応しています。
- コンパニオン診断薬
- 分子標的薬などを使えるかどうかを調べるために、治療薬の効果に関連する一つの遺伝子の検査に使う薬です。病気を治療する治療薬とは異なります。
- 遺伝子パネル検査
- 遺伝子の検査方法の一つで、病気に関わる多くの遺伝子の変異を一度に調べることができる検査です。
- 次世代シークエンサー
- 多数の遺伝子を一度にまとめて、高速で調べることができる解析装置のことです。遺伝子の本体であるDNAをランダムに短い断片に分け、多数の断片を並行して高速で遺伝子の情報を読み取り、コンピュータで基準となる情報の配列に当てはめて断片をつなぎ合わせ、全体の遺伝情報を完成させるというしくみの装置です。
- 遺伝カウンセリング
- 遺伝に関するカウンセリングのことです。患者さんや家族などの相談者に、専門家が科学的根拠に基づいた正確な医学的情報をわかりやすく伝え、相談者自身の力で問題が解決できるように心理面や社会面も含めて支援します。臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーなどの認定を受けた専門家がカウンセリングを行います。
- 個人情報
- 「個人情報保護法」で定められている生存する個人に関する情報で、氏名、生年月日など、特定の個人を識別できる情報をいいます。なかでも遺伝子の情報は「要配慮個人情報」として、「取扱いに特に配慮を要するもの」と定められています。
- ゲノム解析
- ゲノムとは個人が持つすべての遺伝情報のことで、それを解析することです。ゲノムには遺伝子だけでなく、遺伝子の働くタイミングや量などを決める調節領域などのほか、進化の途中で遺伝子としての機能を失った部分など、遺伝子以外の部分がたくさん含まれています。
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