個別化医療がもたらすメリットとは?
個別化医療のいいところって、どんなことですか?
一番のポイントは、個々の患者さんに合った、効果のある治療が期待できるところです。そのほか、社会全体で考えても、いろいろなメリットがあるんですよ。
個別化医療によって、より効果が期待される治療を選ぶというだけでなく、効果が見込めない治療を回避することで副作用リスクを減らすという選択肢も生まれます。合わないかもしれない治療をいくつも試さずに、早くから自分に合った方法で治療を行うことができれば、早く社会生活に戻ることにつながり、早期の仕事復帰も可能にします。このように個別化医療は患者さん自身にも、家族や周りでサポートする人たちにもメリットがあると考えられます。
また、医薬品の開発においてもメリットがあります。個々の病気では臨床試験が難しい場合でも、同じ遺伝子の特徴をもつ複数の病気をまとめることで臨床試験が可能となり、効率的に新しい薬の開発が進むケースがあります。総じて医療の発展にもつながると期待されています。
用語解説
- 個別化医療
- 患者さんの体質や病気の特徴に合った治療を行うことです。英語では「パーソナライズド・ヘルスケア(PHC)」「パーソナライズド・メディシン」といい、「オーダーメイド医療」、「テーラーメイド医療」、「プレシジョン・メディシン(直訳すると精密医療)」などと呼ばれることもあります。
- 副作用
- 薬による好ましくない作用のことをいいます。例えば鎮痛剤による胃腸障害や抗ヒスタミン剤による眠気などです。そのほか、生命にかかわる、あるいは後遺症が残るような重篤な反応が起こる場合もあります。原因はさまざまで、薬を正しく使っていても副作用が起こる可能性があります。
- 臨床試験
- 人を対象として行う、薬の有効性や安全性を調べるための試験のことです。
- 遺伝子
- 親から子へと伝えられる遺伝情報の単位であり、生物の活動に必要なタンパク質をどのように作るかを決める設計図として働きます。その本体は細胞の中にあるDNAと呼ばれる物質で、DNAを構成している塩基という四種類の物質の並び方(塩基配列)によって、どのようなタンパク質が作られるかが決まります。
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