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多くの人に支えられて。

戸谷は昨年出産をし、数ヶ月前に復職したばかり。「現在の主な業務は、浮間研究所の新実験棟の建築プロジェクトです。本来の仕事は低分子化合物のプロセス開発ですが、実験がメインとなる業務の場合、急に体調を崩すことも多い幼い子供の面倒をみながら取り組むのは、正直難しい。そのため、このような仕事にアサインしていただきました」。現在は時短勤務をやめ、必要に応じて在宅勤務制度も利用しているという。「残業は多くありません。上司からは仕事量に無理がないかを都度確認してもらっていますし、同じチームのメンバーにも支えてもらっています。家族も含め多くの人の理解と協力があって、育児と仕事の両立ができていると感じます」。

戸谷は高校時代、有機化学の分野で著名な先生の講演を通じて、化学に興味を持った。大学の学部・修士課程では、がん細胞の不活性化に効果がある天然物の全合成を研究。そのような研究を行うなかで、製薬会社に入りたいと思ったのは自然な流れだったという。10社ほど面接を受け、一番好印象だったのが中外製薬だった。「社内見学に参加した際、お見かけした社員の皆さんが生き生きと働いており、自分がそこで働くイメージをリアルに持つことができました。また、面接の時のこともよく覚えています。面接官の方から、私のこれまでの研究内容と人柄の両面を深く理解しようとする姿勢を感じたことも、入社を決めた理由の1つでした」。

稀有な経験の連続。

戸谷はこれまで、部署内でもなかなか経験したことがない仕事に取り組んできた。入社して1・2年目は、非小細胞肺がんを治療する「アレセンサ」のグローバル承認申請業務を行った。アレセンサを世界中に届けるために、申請用のデータを取得しては英語での資料づくりを続ける日々。英語が苦手だったうえに本当は好きなだけ実験がしたかったという当時、ストレスも溜まっていたが、いま振り返れば貴重な体験だったと戸谷は語る。「グローバル承認申請は、そう頻繁にあるものではありません。事実それは、中外製薬の長い歴史の中でも初めての、低分子医薬品のグローバル承認申請でした」。

入社3年目となり、念願の低分子化合物のプロセス開発、CMO(医薬品製造受託機関)との窓口業務などを担当したのち、4年目に産休・育休を取得。復職後は先ほども触れたとおり、新実験棟の建築プロジェクトに携わっている。実験棟の建築も実に30年ぶりで、新しい経験のチャンス。建築に関してはもちろん専門外で初めて知ることばかりだが、勉強しながらゼネコンの方々と建築プランを検討している。「自分が将来利用するかもしれないラボを、自らの手でつくれるなんて、ラッキーですよね(笑)。それにこのプロジェクトを通じて、どんなことでも挑戦してみればその中での面白さを発見できる、という自分の強みにも気づくことができました」。最近は社内研修のセブ島での社会貢献活動に参加し、新たな視点を得てきたという。「現地の協力メンバーと英語でコミュニケーションを取る中で、本格的に英語の勉強がしたいと思ったのです。社内で使うこともやはり増えていますし、純粋にもっと多くの人と思いや考え方を共有したいと思って。帰国してからは意識的に自分の時間をつくるようにして、オンライン英会話の受講を始めました」。

全体俯瞰ができる人になりたい。

育休の間、戸谷は悩んだという。「常に子どもと1対1で過ごすのは、嬉しい反面、大変でした。社会とのつながりを感じられなかったことが、私には少々辛かったのです。復職後、私は自分が人と協力して成果を出し、何らかの形で社会に役立てるのが幸せだということに気づきました。中外製薬の研究職は、チームメンバーや他部署の方々との協力が欠かせません。私のように、仲間と力を合わせて1つの大きな成果を目指すことに意義を見出せる方は、向いていると思います」。加えて、中外製薬には、患者さんへの貢献を実感できるチャンスがある。「アレセンサのグローバル承認申請を経験したのち、社内報に、アレセンサを使用した患者さんの感謝の言葉が掲載されているのを目にしました。それを読んだときは、本当に嬉しかった。私の仕事が、人を救うことに確実に繋がっているのだと、実感できました」。

これからは、仕事の全体をより俯瞰してとらえたい。それが戸谷の願いの1つだ。「これまでは自分が行う仕事の前後の工程を、それほど意識していませんでした。しかしその全体像を理解し、自分が取り組むことの意義や目的の理解をもっと深めることができたら、世の中の役に立つ薬やサービスを生み出すことに、更に貢献できるのではと考えています。将来的にはマネジメントに関わり、ビジネス全体・組織全体を広く見渡してみたい」。より広い視野を持てるようになれたらと思いながら、戸谷は今日も、目の前の仕事に力を尽くしている。

※本記事の内容は取材当時のものです。
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