PNHについての悩みごとや疑問にお答えします。

PNHについての悩みごとや疑問にお答えします。

総合監修:

筑波大学医学医療系 
医療科学・血液内科 
教授  小原 直 先生

 

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)
についての日常の悩みごとや疑問

治療について

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)かもしれない症状があります。
どのような診療科、医療機関を受診したらよいでしょうか?

血液専門医のいる医療機関の血液内科を
受診しましょう。

PNHは血液にかかわるまれな病気であり、診断にあたっては血液の病気に関する専門的な知識や診療経験が必要です。なかにはPNHの診断を受けてから治療をはじめるまでに長い時間がかかってしまう方もいるので、気になる症状がある場合には、血液の病気を専門に診療する血液内科をなるべく早く受診するようにしましょう。
血液の病気について専門知識や診療経験をもつ血液専門医がいる施設は、日本血液学会のホームページで検索することができます。

どのような治療を行いますか?

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の三主徴である
“溶血”、“血栓症”、“骨髄機能の低下”などの症状
に対して、治療を行います。

溶血によってあらわれる症状は、主に薬を用いた治療でコントロールしますが、貧血症状が強い場合には、輸血も行われます1)。症状に合わせて、①溶血のコントロール、②血栓症の治療・予防など、③骨髄機能の低下を改善することなどを目的とした治療を行います1)
患者さんによって症状が異なるため、必要となる治療も異なります。病気の根本的な原因を取り除くには造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)移植を行うしかありませんが、造血幹細胞移植は、基本的には、薬で症状をコントロールすることが難しい重症の患者さんの場合に検討されます1)

詳しくは、「発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療」をみてね。

1)発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の診断基準と診療の参照ガイド改訂版作成のためのワーキンググループ. 発作性夜間ヘモグロビン尿症診療の参照ガイド 令和4年度改訂版. 2023年3月.

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の抗補体療法とは
どのような治療ですか?

補体の活性化を阻害することにより、
溶血を防ぐことを目的とした治療です。

PNHの治療で最も重要なことは、溶血(血管内溶血)を抑えることです。抗補体薬には、補体の活性化を阻害することで、溶血を防ぐはたらきがあります1)。抗補体薬にはいくつかの種類がありますので、薬剤の適応や詳しい内容については、血液内科の先生に相談してください。

詳しくは、「発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療」をみてね。

1)発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の診断基準と診療の参照ガイド改訂版作成のためのワーキンググループ. 発作性夜間ヘモグロビン尿症診療の参照ガイド 令和4年度改訂版. 2023年3月.

症状のことを相談したいのですが、
誰に相談したらよいのかわかりません。

医師、看護師、薬剤師など、話しやすい医療従事者にまずは相談してみましょう。

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は病気や治療法についての研究が進み、適切な治療を続けることで、症状をコントロールすることができるようになりました。病気のことをより理解し、症状をよりよい状態でコントロールするためにも、悩みや疑問はそのままにしないで解消することが大切です。血液内科の先生や主治医、看護師、薬剤師などの医療従事者に相談しながら、前向きに治療に取り組みましょう。

持病の薬は続けてもよいでしょうか?

どのようなお薬を処方されているかも含めて、
まずは血液内科の先生や主治医に
相談してください。

治療を開始・継続するにあたって、血液内科の先生や主治医には、あなたの症状に加えて、ほかの病気の有無なども知ってもらうことが重要です。持病などで処方されているお薬がある場合には、ほかの病院から処方されているお薬も含め、すべて血液内科の先生や主治医に伝え、続けてもよいかを相談しましょう。

症状が落ち着いても治療は必要ですか?

溶血は持続的に起こるため、
治療は基本的に生涯続けることが必要です。

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は慢性の病気で、患者さんの体のなかでは、溶血が持続的に起こっています1)。症状をコントロールするためには、基本的に治療を生涯続けることが必要です。

1)発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の診断基準と診療の参照ガイド改訂版作成のためのワーキンググループ. 発作性夜間ヘモグロビン尿症診療の参照ガイド 令和4年度改訂版. 2023年3月.

ワクチン接種に際して留意すべきことはありますか?

必要なワクチンを定期的に接種することを
忘れないようにしましょう。

抗補体薬による治療を受けている方は、髄膜炎菌感染症などの重い感染症にかかりやすくなります。感染しにくくするために、髄膜炎菌に対するワクチン接種を忘れずに受けるようにしましょう。 一度きりではなく、5年ごとを目安に追加接種することが必要です。そのほかの感染症に対するワクチンについても、血液内科の先生や主治医に相談してください。

治療をしていても妊娠・出産は可能ですか?

妊娠・出産は可能です。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は
妊娠によって溶血発作や血栓症のリスクが
高まることがわかっていますので、
妊娠・出産を希望する場合には、
必ず血液内科の先生や主治医に相談しましょう。

PNH患者さんは、妊娠することで溶血発作(短時間での大量の溶血)や血栓症のリスクが高まります1)。しかし、治療薬の進歩により、治療をしながら妊娠・出産するケースも報告されるようになりました1)。妊娠・出産を希望する場合には、必ず血液内科の先生や主治医に相談し、合併症のリスクや妊娠中から産後までの管理について、十分に理解しておくようにしましょう。
また、すでに治療を行っている場合は、医師の指示なく治療を中断することがないようにしてください。

溶血発作が起こる主な要因は、「発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の患者さんにあらわれる溶血」をみてね。

1)発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の診断基準と診療の参照ガイド改訂版作成のためのワーキンググループ. 発作性夜間ヘモグロビン尿症診療の参照ガイド 令和4年度改訂版. 2023年3月.

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2026年3月更新