PNHに特徴的な症状はありませんか?
PNHに特徴的な症状はありませんか?
総合監修:
筑波大学医学医療系
医療科学・血液内科
教授 小原 直 先生
発作性夜間ヘモグロビン尿症
(PNH)ってなに?
もしかしてPNH?
こんな症状ありませんか?
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH: paroxysmal nocturnal hemoglobinuria)の患者さんにあらわれる特徴的な症状があったら、血液内科を受診してください。
PNH患者さんに
あらわれる症状1)
溶血によって起こる症状
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ヘモグロビン尿
尿の色がコーラ色になる
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貧血
体がだるい、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ など
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黄疸、胆石症
共通の症状:白目や皮膚が黄色くなる、尿の色が濃くなる、体がかゆくなる など
胆石症の症状:吐き気、嘔吐、右上腹部痛 など
溶血によって血液中の
一酸化窒素(NO)の消費量が
増えて起こる合併症
-
血栓症
血のかたまり(血栓)が詰まる場所によって異なる症状があらわれます。
詳細は医師にご確認ください。 -
慢性腎臓病、急性腎障害
疲れやすい、食欲低下、息切れ、皮膚のかゆみ、尿量が減る、むくみ、体がだるい など
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肺高血圧症
体がだるい、めまい、むくみ、体重の増加、息苦しい、動悸 など
-
嚥下困難 ・ 嚥下痛
食べ物や飲み物をうまくのみこめずにむせる、のみこむときに痛みが出る など
そのほか:男性機能の悩みや腹痛など
長引く貧血症状やヘモグロビン尿など、気になる症状がある方は、早めに血液内科を受診しましょう。
発作性? 夜間?
ヘモグロビン尿症?
「発作性夜間ヘモグロビン尿症」という病名なので
誤解しやすいかもしれませんが、PNHには以下の特徴があります。
- 発作性ではありません。
- PNHは慢性的に溶血が起こる病気です。 感染症など、補体が活性化してしまうことがきっかけとなって溶血発作が起こることがあります。
- 溶血は夜間だけに
起こるわけではありません。 - PNH患者さんの体のなかでは、1日のうち、いつでも溶血発作が起こる可能性があります。
- すべての患者さんに
ヘモグロビン尿の症状が
みられるわけではありません。 - PNHと診断を受けた患者さんのうち、診断時にヘモグロビン尿がみられたのは約1/3と報告されています2)。
- 1)発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の診断基準と診療の参照ガイド改訂版作成のためのワーキンググループ. 発作性夜間ヘモグロビン尿症診療の参照ガイド 令和4年度改訂版. 2023年3月.
- 2)Nishimura J, et al. Medicine (Baltimore). 2004; 83: 193-207.
- 総合監修
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筑波大学医学医療系
医療科学・血液内科
教授 小原 直 先生
2025年4月更新