PNHの症状をよりよく
コントロールするために。
PNHの症状をよりよくコントロールするために。
総合監修:
筑波大学医学医療系
医療科学・血液内科
教授 小原 直 先生
発作性夜間ヘモグロビン尿症
(PNH)の患者さんの
日常生活について
―治療と生活を両立するために―
PNH患者さんに
日常生活で
気をつけてほしいこと
毎日の生活や、治療にあたって注意することで、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH: paroxysmal nocturnal hemoglobinuria)の症状をよりよい状態でコントロールすることができます。
発作性夜間
ヘモグロビン尿症(PNH)の患者さんに
日常生活のなかで
気をつけてほしいこと
補体が活性化することで、溶血の症状が重くなることがあります。
感染症や手術、また時として抜歯を含む歯科治療を行った場合は、補体を活性化させてしまう可能性があります。そのような場合には溶血発作を起こしやすくなりますので、気になる症状があらわれた場合にはかかりつけの先生に相談するようにしましょう。
感染症については日ごろから体調管理に気をつけ、感染対策を忘れないようにしましょう。
感染症
手術
溶血発作を起こしていないか、
自分の尿の色の変化に
注意しましょう。
PNHの病状は自覚症状だけではわからないことがありますが、 ヘモグロビン尿(コーラ色の尿)は自分の目でみて確認することができます。 尿の色に変化がないか、注意しましょう。
原因のはっきりしない
頭痛や腹痛、
胸痛が
出現した際には
血栓症の
可能性があります。
血栓症は死に至る可能性もある合併症です。気になる症状があらわれた場合は、かかりつけの先生に相談しましょう。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療を
安心して続けていくために心がけてほしいこと
わからないことは、医師、看護師、
薬剤師に確認し、
1つずつ疑問を
解消していくことが大切です。
PNHは病気や治療法についての研究が進み、適切な治療を続けることで症状をコントロールすることができる病気になりました。
症状をよりよい状態でコントロールするためにも、疑問はそのままにしないで1つずつ解消し、前向きに治療に取り組みましょう。
PNHの治療にあたっての希望を
ご家族や介助の方、
医療従事者に伝え、
十分に話し合ったうえで、
納得して治療を開始、
継続することが大切です。
PNHの治療により症状をうまくコントロールできれば、治療と仕事を両立したい、妊娠・出産したいなど、治療と日常生活を両立するうえでさまざまな希望や想いが出てくる方もいると思います。
PNHは、継続して治療を行うことが必要な病気です。治療にあたっての希望を家族や介助の方、医療従事者に伝え、十分に話し合ったうえで納得して治療をはじめましょう。自分の判断で治療を中断しないようにしましょう。
抗補体薬による
治療を行う方は、
とくに感染症に気をつける
必要があります。
髄膜炎菌に対するワクチンを
はじめとする
必要なワクチンを
定期的に接種することを
忘れないようにしましょう。
抗補体薬による治療を⾏っている⽅は髄膜炎菌感染のリスクが⾼まります。髄膜炎菌感染症は、発症すると命にかかわることがあります。
軽度の発熱であっても、発熱があった場合にはかかりつけの先⽣にすぐに連絡し、対処法について相談しましょう。
また感染予防のため5年に1回の髄膜炎菌に対するワクチンの定期接種は忘れずに受けるようにしましょう。
- PNH患者さんが受けられる
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―PNH患者さんの場合― - 高額療養費制度
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筑波大学医学医療系
医療科学・血液内科
教授 小原 直 先生
2024年5月作成