指定難病患者さんの医療費負担を
軽減するための制度です。
指定難病患者さんの医療費負担を軽減するための制度です。
総合監修:
筑波大学医学医療系
医療科学・血液内科
教授 小原 直 先生
発作性夜間ヘモグロビン尿症
(PNH)の患者さんの
日常生活について
―治療と生活を両立するために―
難病医療費助成制度―発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の患者さんの場合-
指定難病の患者さんの医療費負担を軽減するための制度です。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH: paroxysmal nocturnal hemoglobinuria)の患者さんは、重症度が中等症以上の方、軽症でもPNHにかかわる月ごとの公的医療保険適用前の医療費が33,330円を超える月が支給認定申請月以前の12ヵ月以内に3回以上ある方が助成を受けることができます※1。
※1 (1)申請月から起算して12ヵ月前の月、または(2)指定難病を発症したと難病指定医が認めた月を比較して、いずれか後の月から
申請日の属する月までの期間が対象です。なお、「33,330円」には入院時食事(生活)療養の標準負担額は含みません。
- [目次]
- 1.難病医療費助成制度の
概要 - 2.難病医療費助成制度の
利用による自己負担額 - 3.難病医療費助成制度を
利用するための手続き
難病医療費助成制度の
概要
PNH患者さんが利用できる可能性がある難病医療費助成制度には、
「一般」「軽症高額該当」
「高額かつ長期」があります。
PNH患者さんがPNH治療にかかわる医療のために難病指定医療機関※2を受診したときにかかる医療費が高額になった場合に利用できる制度です。 ※2 指定難病にかかわる医療を受けたときに、難病医療費の助成を受けられる医療機関のことを指します。
- PNH患者さんで難病医療費助成制度を利用できる方は、
- ●一般:PNHの重症度が中等症以上の方
- ●軽症高額該当:PNHにかかわる1ヵ月の公的医療保険適用前の医療費が33,330円を超える月が
支給認定申請月以前の12ヵ月以内に3回以上ある方 - ●高額かつ長期:PNHにかかわる1ヵ月の公的医療保険適用前の医療費が50,000円を超える月が
支給認定申請月以前の12ヵ月以内に6回以上ある方 - です(→PNHの重症度分類って?)。
PNH患者さんが利用できる
難病医療費助成制度
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難病医療費助成制度の
助成対象となる医療費と
助成対象とならない医療費
PNH患者さんで難病医療費助成制度の対象となった方
(医療受給者証*が交付される方)は、
重症度が中等症以上と診断された日まで
さかのぼって
医療費の助成を
受けることができます。
* 特定医療費(指定難病)受給者証
難病医療費の助成対象となる期間
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難病医療費助成制度が変わり、助成開始時期を前倒しできます. https://www.mhlw.go.jp/content/001154634.pdfより作成
難病医療費助成制度の利用による自己負担額
PNH治療にかかわる医療費の自己負担が表の自己負担上限額より
低い場合は公的医療保険適用前の医療費の2割分
(1割負担の方は1割のまま)、高い場合は自己負担上限額が
自己負担額となります。
難病医療費助成における自己負担上限額(月額)
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「高額かつ長期」とは、月ごとの公的医療保険適用前の医療費が50,000円を超える月が支給認定申請月以前の12ヵ月以内に6回以上ある場合です(例えば医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が10,000円を超える月が年間6回以上)(→高額かつ長期)。
75歳以上の方など、申請前の自己負担割合が1割の方は、申請後も自己負担割合は1割のままです。
指定難病治療のために難病医療費
助成制度を利用したときの
自己負担額のイメージ:公的医療保険による自己負担額が3割/
難病医療費助成の自己負担上限額
の表で一般所得Ⅰの方
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PNHの重症度が「軽症」であっても
高額な医療を継続する必要がある
場合、
「軽症高額該当」として
難病医療費助成制度の
対象となることがあります。
PNHにかかわる公的医療保険適用前の医療費が33,330円を超える月が支給認定申請月以前の12ヵ月以内に3回以上ある場合を軽症高額該当といい、申請を行うと、以降のPNHにかかわる医療費に対して難病医療費助成制度による助成を受けることができます。
PNHの重症度は「軽症」の方が、PNHの治療にかかわる
ひと月の公的医療保険適用前の医療費が支給認定申請月以前の12ヵ月以内に
3回33,330円を超えた後に「軽症高額該当」を申請した場合
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https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460より作成
自己負担額が3割の方の場合、支給認定申請月以前の12ヵ月以内に医療費の自己負担が10,000円以上の月が3回以上あった場合に申請を行うと、以降は「軽症高額該当」として難病医療費助成制度による医療費助成を受けることができます。
難病医療費助成を受ける方で、
高額な医療を長期的に継続する方に
向けて
設けられた制度として、
「高額かつ長期」があります。
難病医療費助成制度における自己負担上限額の表で、「一般所得Ⅰ」「一般所得Ⅱ」または「上位所得」の方が対象となります。
ひと月のPNHにかかわる公的医療保険適用前の医療費が50,000円を超える月が支給認定申請月以前の12ヵ月以内に6回以上ある方が対象となります。対象となった方は申請を行うことで、申請後のPNHにかかわる医療費の自己負担額は、自己負担上限額の表の「高額かつ長期」の金額までとすることができ、さらに医療費の負担を軽減することができます。
PNHの治療に難病医療費助成制度による助成を受けている方の
ひと月の公的医療保険適用前の医療費が支給認定申請月以前の12ヵ月以内に
6回以上50,000円以上になった場合
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https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460より作成
自己負担額が2割の方の場合、PNHにかかわる医療費の自己負担が10,000円以上の月が支給認定申請月以前の12ヵ月以内に6回以上ある場合に申請すると、以降の自己負担上限額は、「高額かつ長期」の金額が適用され、さらに医療費の負担を軽減することができます。
難病医療費助成制度を利用するための手続き
住民票のある
都道府県・指定都市への
申請が必要です。
申請窓口は、都道府県・指定都市によって異なります。住民票のある都道府県・指定都市で確認して申請しましょう。
難病指定医や難病指定医療機関の情報
難病医療センターのホームページ(https://www.nanbyou.or.jp/)や各都道府県のホームページなどで確認可能です。不明な点がある場合には都道府県や指定都市の相談窓口、医療機関の相談室やソーシャルワーカーに相談してみましょう。
医療受給者証の有効期間は、原則、申請日から1年以内で都道府県・指定都市が定める期間です。有効期間を過ぎて治療継続が必要な場合は更新の申請が必要なため更新を忘れないようにしましょう。
- PNH患者さんが受けられる
医療費助成制度 - 難病医療費助成制度
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2025年4月更新