PNHについての悩みごとや疑問にお答えします。
PNHについての悩みごとや疑問にお答えします。
総合監修:
筑波大学医学医療系
医療科学・血液内科
教授 小原 直 先生
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)
についての日常の悩みごとや疑問
生活について
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)になると、
仕事をすることはできなくなるのでしょうか?
症状にもよりますが、PNHの治療と仕事の両立をしている方はいらっしゃいます。
PNH患者さんをはじめとする難病患者さんへの就業支援も行われています。
PNHの症状の多くは適切な治療を行えばコントロールすることもできるため、仕事とPNH治療を両立させている患者さんは多くいます。
仕事と治療の両立にあたって不安な点がある場合には、かかりつけの病院のソーシャルワーカーの方や難病患者就職サポーターの方が配置されているハローワークなどで相談してみるとよいでしょう。
詳しい情報は、「厚生労働省.難病患者の就労支援」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/06e.html)をご参照ください。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)にかかっていても、
運動してよいですか?
体調が落ち着いていれば、
運動しても問題ありません。
治療によって体調が落ち着いている方は、PNHではない方と同じように過ごしても問題ありません。
治療をはじめて体調が回復してきた方などは、日常生活のなかで軽い運動などから少しずつ段階を踏んで、運動の量を増やしていくようにしましょう。また、疲れているときには無理をしないようにしましょう。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)になると、
妊娠・出産はできないのでしょうか?
PNHであっても妊娠・出産は可能です。
ただし、PNHは妊娠によって血栓症のリスクが高まることがわかっているので、妊娠・出産を希望する場合には必ずかかりつけの先生に相談しましょう。
PNH患者さんは妊娠することで補体の活性が高まり、また血栓症のリスクが高まるため注意が必要です。しかし、昨今の治療薬の進歩により、治療によってPNHの病状を安定させることができた患者さんが妊娠・出産するケースも報告されるようになりました。
妊娠・出産を希望する方は、かかりつけの先生に相談し、妊娠による合併症のリスクやその予防などについて十分な説明を受けるようにしましょう。また、治療を行っている方は医師の指示なく治療を中断することがないようにしましょう。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)と診断された場合、
障害年金を受給することができますか?
障害認定の基準を満たした場合は障害年金を受け取ることができます。
ご自身が該当するかわからない場合には、かかりつけの先生に相談してみましょう。
障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取ることができる年金です。
障害年金の対象となる病気には、「血液・造血器疾患」があり、PNH患者さんも障害認定の基準を満たした場合は障害年金を受け取ることができます。障害の程度は貧血の状態などによって決定します。
ご自身が該当するかわからない場合には、かかりつけの先生やソーシャルワーカーの方に相談してみましょう。
障害年金の詳しいことは「日本年金機構ホームページ」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20140604.html)をご参照ください。
- 総合監修
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筑波大学医学医療系
医療科学・血液内科
教授 小原 直 先生
2024年5月作成
障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査成績、一般状態、治療および症状の経過などにより、総合的に認定されます。