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PEOPLE

サイエンス×クラフト×
アートで、
創薬の限界を突破していく人。

  • # 新卒
  • # 研究
  • # 創薬研究

木下 和大 Kazutomo Kinoshita

研究本部 創薬化学研究部
1996年入社

「作曲」と「創薬」は、
実は似ている。

子供の頃から美術や音楽に親しみ、自分の手で作品を生み出すことが好きだった木下。中学生の時には将来、作曲家になりたいと思っていたという。「感動的な音楽が、実は緻密で数学的な音楽理論によってつくられていることを知り、これは面白いなと。もともと理系タイプだったこともあって、当時は作曲活動にのめり込んでいました」。そんな木下は高校に入学すると、今度は化学に魅了され、医薬品をつくることを志すようになる。多くの人の命を救う医薬品は、実は化学の高度な理論に基づいてつくられ、それは作曲と似た面白さがある。そして薬をつくり出すことのほうが社会に対してより大きな貢献ができると、木下はこの頃から創薬を人生の大きなビジョンに掲げるようになった。

「薬をつくりたい」と薬学部に進学して製薬を専攻し、さらに大学院で有機合成化学を研究した木下が、目標をかなえるための場として選んだのが中外製薬だった。入社後、彼はここで新薬の基となる低分子化合物の探索を担うことになったが、転機が訪れたのは研究者生活も10年を過ぎた頃。「それまでは富士御殿場研究所で慢性疾患の創薬に携わっていたのですが、鎌倉研究所へ異動になり、心機一転、がんをターゲットにした創薬に取り組むことになりました。当時ちょうど、肺がん細胞の増殖の原因となる異常な遺伝子の存在が明らかになり、そこに画期的な肺がん治療の新薬の可能性を見出し、私たちのチームでチャレンジすることになったのです」。

サイエンスだけでは、
創薬は果たせない。

このプロジェクトで木下は、自らが手がけた化合物が新薬となって世の中に送り出されるという経験を味わうことになった。「メディシナルケミストなら誰もが夢見ることであり、それをかなえられたことは本当にうれしい。化合物が新薬になる確率は3万分の1とも4万分の1とも言われており、まさに一生分の運を使い果たしましたね(笑)」。成功の要因はいくつもあるが、まず有効な化合物候補を探索するために、中外製薬のアライアンスパートナーであるロシュ社が持つ膨大な化合物ライブラリを活用できたことが大きいと木下は語る。そして、科学の進歩の裏にあるエピソードとしてよく語られる“セレンディピティ(偶然の発見)”が、このプロジェクトでも起こったという。

「有望だと思われる化合物を検証していたところ、あることがきっかけで化合物が作用させたいターゲットだけを狙えるようになり、一気に新薬実現の可能性が高まりました。まったくの想定外で、幸運に恵まれたところもありますが、優秀なメンバーたちがそれを見逃さずに事象を究明してくれた。まさにチームの力でこの創薬を果たすことができました」。木下らが生み出した新薬は、肺がんの治療に革新をもたらし、多くの患者さんの助けとなっている。この成果はアカデミアでも注目され、海外の学会に招かれてプレゼンテーションする機会も得た。そして彼はこの一連の創薬のプロセスを経験し、新たな信念も抱くようになった。それは「“サイエンス”だけでは創薬は実現できない」ということだ。

創薬の方法論そのものを、
これから変える。

木下は語る。「いくら頭のなかで優れた理論を構築しても、それを化合物として形にしなければ検証はできません。化合物の合成は同じ方法でも人によって再現度が異なることがあり、そこには“クラフト”、すなわちいかなる時でも完璧に再現できる職人的なスキルも備えていなければならないのです。さらに、従来と同じことをやっていてはセレンディピティなど訪れない。突飛な発想からアプローチするからこそ、意外な発見がある。そこには “アート”の感覚も必要なんだと思います」。かつて学生時代に没頭した作曲で培ったアートの感覚が、実は研究者としての自分の大きな強みになっているのではないかと、木下はそう感じている。そしていま、彼はこの3つを駆使してまったく新しい創薬技術の開発に挑戦している。

創薬の世界は、大きな変革の時を迎えていると木下は言う。「これまではある程度、創薬の標的というのが存在していましたが、この20年ほどでほとんどそれは攻略し尽くされました。しかし、従来の手法では攻略できない標的、いわゆる難治性の疾患はまだ残されています。そこでいま私はその方法論から革新し、創薬の限界を突破していくようなプロジェクトを率いています」。いままでにない方法で薬をつくるためには、いままでにない発想がよりいっそう求められる。まさに“アート”の領域だ。この挑戦を通して、世界の創薬研究者をあっと驚かせ、患者さんのために創薬の新しい仕組みを世の中にもたらしていくことに、木下は残りの研究者人生を捧げていく。

※本記事の内容は取材当時のものです。

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