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「効く」メカニズムを探求する、“おとなしそうだけど、実はやる”人。

育薬研究がしたい。

「橋詰は、学生時代から育薬研究を志していた。「私が就職活動をしていた当時から育薬研究を大々的に掲げている企業はまだ少なかったですね。育薬研究に興味を持ったのは、学生時代の病院実習や薬局勤務など臨床現場でとても身近に薬の使われかたを見ていたからです。大学では、医薬品の薬効についての研究をしていました。なぜ薬の効き目には個人差があり、薬の飲みあわせによる副作用はなぜ起こるのか?といったことに興味を持ったのです」。橋詰が担当する育薬研究とは、製薬会社の仕事の中でもまだ新しいジャンルに入るもの。新しい薬の種を生み出す創薬研究とは異なり、発売後の医薬品の情報収集を行い、患者さんにとってより安全で、より有効性の高い薬へと育てていくのがミッションなのだ。

橋詰は現在、2つの医薬品を担当し研究の日々を送っている。「担当しているのはアクテムラとスベニールという薬です。この仕事の面白さは、原因が解明できない病気を、医薬品という視点から解明していくところ。少し専門的な話になってしまいますが、たとえば、関節リウマチの治療薬・アクテムラは、もともとIL6という物質が関与する病気・キャッスルマン病で承認された薬でした。その後、原因不明の難病である関節リウマチでも効果が出たことで、ここにもIL6が大きくかかわっているのでは、と考えられたのです。つまり、薬が効いたことで病気の原因のひとつが分かったわけです。現在私は、このIL6の研究を進めていますが、病気の解明への第一歩を踏み出す瞬間にいられることはとてもやりがいがあります。毎日が刺激的ですね」。

医療現場を視野に入れて。

医薬品の育薬研究をすることで、ときには病気そのもののメカニズムにも肉薄する橋詰。しかし、育薬研究とは単なる研究だけでなく、より医療現場に近い視点が求められるシーンもあるという。「医療現場に医薬品の効果をいかにわかりやすく伝えるか、ということも大事な仕事のひとつです。たとえば同じ細胞の実験データでも、ただグラフにするだけでは瞬時には伝わりにくいですよね。その場合、細胞の動きが視覚的にわかるように写真を使い、一目で効果がわかるようにするんです。私たちの仕事は営業にも近く、ダイレクトに反応が返ってくることも喜びの一つです」。

「変形性関節症の薬、スベニール。その薬効を調べるのも橋詰の仕事だ。「スベニールはこれまで関節の潤滑油の役割をもつと考えられてきました。でもそれだけだろうか?他にも何かしらの薬効があるのでは?と自分なりに考え研究を進めていたら、それを証明できるデータが得られたんです。社内でも「それは面白い!」と驚かれました。こうしたメカニズムを解明していくことは、次の薬を生みだすきっかけともなります。育薬はとても広がりのあるやりがいのある仕事なんですよね。アクテムラも、同じように関節リウマチに対する薬効の研究を進めていますが、まだまだ分からないことばかり。今後どんな研究が育薬から生まれるのか楽しみですね」。

研究者の園。

「御殿場研究所の環境が気に入っています」と笑う橋詰。「ここは自然も多いし、オフィスも快適です。それに、なんというか研究者が自由に過ごせる場所というんでしょうか(笑)。デスクスペースもゆったりしていて、みんなであっちこっちで研究の話をしています。『今日はこんなデータが出たんだ・・』とか。研究が大好きな人の集まりという感じです。行き詰まったときなどは、部署をまたいでアイデアの交換をしたり。中外製薬は、そんな環境だからこそ、新しいアプローチの医薬品がたくさん生まれてくるんだろうなと思いますね」。さまざまな専門を持つ研究者たちが集い、刺激しあって研究を進める。ここは、研究者の園でもあるのだ。

「挫折経験はあるか?ですか。特にないのかな、というか覚えていないのかな(笑)」と橋詰。同じ研究所の仲間はというと「おとなしそうだけど、実は・・・」との評価だ。「一見ふわふわしてみえるけど、かなり自分の考えがはっきりしている、そのギャップが意外なんでしょうね」。そんな橋詰、今は仕事が楽しくて仕方がないと言う。「関節リウマチを解明していくため、次は患者さんにご協力いただく研究を考えています。早く新しいことが見つからないかと、毎日ワクワクしながら研究をしています」。

※本記事の内容は取材当時のものです。
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