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家事はがんばらなくていい!
ゆとりを作る時短家事のすすめ

監修:時短家事コーディネーター 野間 和美さん

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洗濯、炊事、掃除、買い物、そして子どもの関連のあれこれなど、子育て中はどうしても家事が増えがち。家族の誰かが病気を抱えたときには、そのケアのためにも家事負担はできるだけ軽くしたいものです。そこで、時短家事コーディネーター 野間 和美さんに、家事の負担が誰か一人に押し寄せるのを避け、みんなが時間と気持ちのゆとりを作るための上手な手抜きと時短家事のコツを教えてもらいました。

積み残しOK! 7割の家事をこなすことを目標に

時短家事の大前提は、家事をがんばりすぎないことです。ただし、だからといって放置しすぎると生活が乱れて気持ちもすさみ、逆にストレスになってしまうことも。私の実感では、7割ぐらいの家事をこなしてしておくと、家の中の一定の状態はキープできます。

そこで、まず考えておきたいのは、何をやって何をやらないか、何ができて何ができないかを考えておくこと。そのために、家事を細分化してみましょう。「しなくてもいいこと」「人にまかせられること」が見えてきます。

例えば、洗濯は意外とやっかいな家事の一つです。ため込むと「着たい服が着られない」というストレスになるし、こまめに行えばきりがありません。そこで「今日は下着と普段着だけ」「今日はシーツ1枚洗う」など細分化しておくと、日々の負担感が減っていきます。掃除も「ここだけ拭こう」と目につく一部だけ片付けると決めておくと、「掃除しなければ」のプレッシャーを解消できます。

では、積み残しのまま溜まっていった3割の家事はどうするか。日ごろから家事を細分化しておけば、何が溜まっていくかも見えてきます。家族で分担してこなすこともできるし、ヘルパーさんやお掃除サービスなど外部の力を借りて定期的にリセットすることもできる。家事を細分化することは、家事を一人で背負い込まないことにもつながるのです。

家族や社会の手を借りながら家事をまわしていく仕組みをつくるためにも、家事を時短化するヒントを次にご紹介します。

家事をラクに! 時短家事を叶える5つのヒント

モノを減らして、家事分担をスムーズに

洋服が多いと、そのぶん洗濯もクローゼットの整理も必要になるように、モノが多いとそれだけ管理に手間がかかり、家事が複雑になります。さらに、家族の療養や介護があるときは、それに関するモノや作業も増えがちです。基本の家事をシンプルにするため、モノを減らしましょう。家族みんなで分担しやすくなり、ヘルパーさんなど外からの手助けも受けやすくなります。

バスタオルの小型化で、洗濯をラクに

洗いにくい、乾きにくいものを小さくすると洗濯の手間は軽減します。例えば、バスタオルを小さなものに変えるのも一つの方法。また、洗濯後の服はハンガーで干し、そのまま吊るし収納ができれば、畳む工程が減って時短に。制服などアイロンの必要な服には、ハンガーにかけたまま使えるハンディアイロンが便利です。

便利グッズに飛びつかない

100円ショップなどで手軽に買える便利グッズは、一見、時短家事を叶えてくれそうですが、小物があふれて片付かない原因になることも。
時短のためのグッズ選びでは、“多様な使い方のできるもの”がポイントです。例えば、オーブン料理にもサラダにも使える耐熱ガラス皿、テーブルにそのまま出せる蓋つきのグリラーなどは、調理に手間がかからず、洗い物も置き場所も減らしてくれます。

手抜きをポジティブに楽しむ

忙しくて手が回らないときは、コンビニやスーパーのお惣菜も活用しましょう。「お惣菜でごめんね」ではなく、「今日はラクして、その分自分の時間を作りリフレッシュしよう」とポジティブに考えることが大切です。

人と比べて、がんばりすぎない

家事は増やそうと思えば、いくらでも増やすことができます。今はSNSの広がりなどで、いろいろな人の生活術を目にする機会があります。同じような境遇でも自分より家事や仕事をがんばっている人のようすを見ると、つい「なぜ、自分はできないのだろう」と思いがちです。でも、そもそも家庭によって家事のやり方は違います。自分にとって何が重要か、どこを目指すかを大切にしましょう。

時短家事は、時間と心のゆとりを作るライフハック

家事の細分化は、最初は大変かもしれませんが、やっていくうちにスムーズにできるようになります。そして、家事が時短化できれば時間にゆとりが生まれ、気持ちのゆとりにもつながるでしょう。

家事に不慣れな人は、「何を」「どこまでするか」の順位付けが難しいかもしれません。我が家の家事にはどんなものがあるのか、家族に話を聞きながら細分化し、今の自分に何ができて何ができないかをリストアップしてみましょう。一度家族みんなで集まって、それぞれが「自分は何ができるか(できないか)」を出し合うのも良いでしょう。

日本には「主婦」という言葉があるせいか、家事は誰か一人がメインでこなすものという発想になりがちです。でも、本来は家族みんなで共有・分担するもの。なぜなら、誰か一人が家事をまるごと担っていたら、その人が動けなくなったときに、家全体がすぐ回らなくなってしまうからです。時短家事とは、家事を効率化すること。そのコツを知っておくと、家事を一人だけで抱え込まないためにも役立つはずです。

※ライフハック:仕事や暮らしの効率アップに役立つ、ちょっとしたアイデアや技術のこと。
時短家事コーディネーター
野間 和美(のま かずみ)さん

おうちじかん代表。整理収納アドバイザー、時短家事コーディネーターとして、時短家事・整理収納の観点から自立と協働の暮らしを実現し、QOL向上などについて活動中。家族のチーム力を上げるための家事シェアを推進中。

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