総合
監修

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
トランスレーショナル・メディカルセンター長小牧 宏文 先生

治療と生活のサポートを知りたい方生活をサポートする制度

経済的なサポート

〈障害年金(障害基礎年金)〉1)

障害年金は、病気やけがで一定以上の障がいを認められたときに、受け取ることができる年金です。国民年金加入前である20歳前、もしくは国民年金加入期間に初めて障がいの原因となった病気やけがで診察を受けた場合は「障害基礎年金」、厚生年金加入期間に初めて診察を受けた場合は「障害厚生年金」を受け取ることができます。
DMDは基本的に20歳前の診断となるため、ここでは障害基礎年金についてご紹介します。

対象となる方

国が定める障害等級表の1・2級に当てはまる障がいがある方です。介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできない、または介助は要らないものの日常生活が極めて難しく、働けないような状態を指します。
障害基礎年金を受け取るには、一定期間保険料を納めていることが条件となりますが、DMDの初診日が20歳前の場合は、保険料を納めていなくても対象となります。

障害基礎年金の年金額(昭和31年4月2日以後生まれの方、2026年7月現在)

1級 1,059,125円+子どもがいれば子の加算額
2級 847,300円+子どもがいれば子の加算額

請求の手続き

DMDの初診日から1年6カ月を過ぎた日、または1年6カ月以内に症状が固定した日を「障害認定日」といいます。障害認定日が20歳前だった場合、20歳になった翌月から受給できます。
請求する際は、年金請求書に、基礎年金番号通知書または年金手帳などの基礎年金番号がわかる書類、医師の診断書など必要な書類を添えて、市区町村の窓口に提出します。年金請求書は、市区町村の窓口、年金事務所や街角の年金相談センターの窓口で入手できます。

お問合せ先

市区町村の窓口、年金事務所、街角の年金相談センター

〈障害児福祉手当〉2)

重い障がいがあり、常に介護が必要な状態で、施設ではなく自宅で生活している20歳未満の方に支給される手当です。ご本人または配偶者、扶養している保護者などの所得が一定以上の場合は支給されません。

支給額(2026年7月現在)

16,560円/月

お問合せ先

市区町村の窓口

〈特別障害者手当〉2)

重い障がいがあり、常に介護が必要な状態で、施設ではなく自宅で生活している20歳以上の方に支給される手当です。ご本人または配偶者、扶養している保護者などの所得が一定以上の場合は支給されません。

支給額(2026年7月現在)

30,450円/月

お問合せ先

市区町村の窓口

〈特別児童扶養手当〉2)

障がいがある20歳未満のお子さんを自宅で監護・養育する保護者などに支給される手当です。ご本人(障がい児の保護者)または配偶者、扶養している保護者などの所得が一定以上の場合は支給されません。

支給額(2026年7月現在)

1級 58,450円/月
2級 38,930円/月

お問合せ先

市区町村の窓口

〈身体障害者手帳で受けられるサポート〉3)4)

身体障害者手帳とは、病気やけがにより体に一定以上の障がいのある方に交付される手帳です。交付されていることで、自治体や事業者が独自に提供する経済的なサポート(公共料金の減免や料金の割引、交通機関の割引、税金の控除など)を利用できます。
また、経済的なサポートのほかにも、障害者総合支援法による支援も受けられます。

交付の対象となる方

身体上の障がいの程度が、身体障害者福祉法に定める以下のいずれかに該当する場合に対象となります。

  • 1~6級に当てはまる方
  • 7級に当てはまる障がいが2つ以上ある、または、7級の障がいが6級以上の障がいと重複する場合
交付手続き

交付の申請は、福祉事務所または市役所で行います。都道府県知事、指定都市市長または中核市市長が指定する医師が記載した診断書・意見書や障がいのある方の写真が必要です。申請する方がご本人か代理の方かで用意する書類が変わる場合があります。

お問合せ先

市区町村の窓口

〈高額障害福祉サービス等給付費の支給〉5)

同じ世帯に障害福祉サービスなどを利用している方が複数いる場合など、福祉サービスの費用負担が高額になることがあります。障害福祉サービスや障害児通所支援、障害児入所支援などの2つ以上のサービスを利用し、利用者負担額の合計が高額になった場合、基準額を超えた金額が支給されます。

お問合せ先

市区町村の窓口

〈小児慢性特定疾病のお子さんや指定難病患者さんへ見舞金の支給〉

一部の自治体では、小児慢性特定疾病や指定難病の医療受給者証を持っている患者さんに見舞金を支給しています。制度の有無や名称、支給金額、条件などは自治体によって異なります。

お問合せ先

市区町村の窓口

障害者総合支援法による
支援1)

障害者手帳をお持ちの方、もしくは国が指定する病気の患者さんは、障害者総合支援法による支援の対象です。DMDを含む筋ジストロフィーは国が指定する病気に含まれているため、DMD患者さんは身体障害者手帳を持っていなくても、障害者総合支援法による支援を受けることができます。
支援には、大きく分けて介護給付や補装具などの自立支援給付、日常生活用具の給付などの地域生活支援事業があります。
ここでは、DMD患者さんとそのご家族に特に知っておいていただきたいサービスの一部をご紹介します。

障害者総合支援法による支援サービス
障害者総合支援法による支援サービス

出典2)より改変

〈補装具〉

障害者総合支援法による自立支援給付の1つとして、補装具の購入・修理費用を支給する制度が設けられています。

対象となる方

補装具を必要とする障がい者、障がい児、難病患者の方です。

支給される補装具

電動車いす、車いす、姿勢保持装置、起立保持具、歩行器、歩行補助杖などです。

支給のための手続き

市区町村の相談窓口で相談の上、補装具支給の申請を行い、補装具支給の判定を受けます。その後、補装具製作業者と契約して補装具を購入し、市区町村から購入費用の支給を受けます。

自己負担額

原則として購入費用の1割を負担しますが、所得によって負担上限月額が決まっています。

自己負担上限額(月額)
自己負担上限額(月額)を示すグラフ

※:例)3人世帯で障害基礎年金1級受給の場合、概ね300万円以下の収入

出典3)より改変

お問合せ先

市区町村の窓口

〈日常生活用具の給付・貸与〉

日常生活を暮らしやすくするための用具のことを日常生活用具といいます。障害者総合支援法による地域生活支援事業の1つとして、日常生活用具を給付・貸与する制度が設けられています。

対象となる方

日常生活用具を必要とする障がい者、障がい児、難病患者の方です。品目ごとに障がい種別や手帳等級数が決まっている場合があります。

支給される日常生活用具

特殊寝台(電動ベッド)、特殊マット、エアーマット、入浴担架、体位変換器、移動用リフト、入浴補助用具、情報・通信支援用具(パソコン周辺機器)などがあります。

支給のための手続き

購入前に市区町村に申請します。

自己負担額

市区町村によって異なりますので、担当窓口へお問合せください。

お問合せ先
市区町村の窓口

※障害者総合支援法による日常生活用具の給付が利用できない場合、小児慢性特定疾病患者さんに対する日常生活用具の給付を利用できることがあります。

〈住宅改修費の給付〉

住宅改修費の給付は、日常生活用具の給付に含まれるサービスの1つで、生活動作を円滑にするための居宅生活動作補助用具の購入費および改修工事費を給付します。自治体によって対象者や助成の内容は異なります。

対象となる方

主に下肢、体幹機能に障がいがある方です。

対象となる住宅改修

手すりの取付け、段差の解消、滑り防止・移動の円滑化などを目的とした床または通路面の材料の変更、引き戸などへの扉の取替え、洋式便所などへの便器の取替えなどです。

支給のための手続き

工事を行う前に市区町村に申請します。見積書などが必要となる場合があるので、あらかじめ市区町村の窓口にご確認ください。

自己負担額

市区町村によって異なりますので、担当窓口へお問合せください。

お問合せ先

市区町村の窓口

〈居宅介護〉

障害者総合支援法による介護給付の1つであり、ホームヘルパーが自宅を訪問し、入浴や排せつ、食事などの介護を行うサービスです。
サービスの詳しい内容については介護・看護のサポートをご覧ください。

その他のサポート

〈小児慢性特定疾病患者さんに対する日常生活用具の給付〉1)

障害者総合支援法による日常生活用具の給付が利用できない場合、小児慢性特定疾病医療受給者証をお持ちの方を対象とした日常生活用具の給付を利用できることがあります。

支給される日常生活用具

歩行支援用具、入浴補助用具、車いす、パルスオキシメーターなどです。

支給のための手続き

市区町村の窓口に申請します。見積書などが必要になる場合があるため、あらかじめ市区町村の窓口にご確認ください。

自己負担額

世帯の所得に応じた自己負担があります。

お問合せ先

市区町村の担当窓口

介護・看護のサポート

障害者総合支援法による障害福祉サービスは介護給付と訓練等給付に分かれ、介護給付のうち、障がい児の場合は居宅介護、重度障害者等包括支援、短期入所などを利用することができます。

〈居宅介護(ホームヘルプ)〉

居宅介護(ホームヘルプ)では、ホームヘルパーが自宅を訪問し、入浴や排せつ、食事などの介護を行います。

対象となる方

障害支援区分が区分1以上(障がい児の場合はこれに相当する支援の度合い)の方です。障害支援区分とは、支援の度合いを示すもので、サービスの支給決定前に利用を希望する方がどの区分となるか認定します。

利用のための手続き

(1)市区町村の担当窓口に申請し、障害支援区分の認定を受けます。
(2)サービス等利用計画案を指定特定相談支援事業者で作成し、市区町村に提出します。
(3)サービス担当者会議を経て、サービス等利用計画が作成されます。
(4)サービスの利用が始まります。

サービス支給までの流れ
サービス支給までの流れ

出典1)より改変

自己負担額

世帯の所得によって4区分の所得区分が設定され、自己負担上限額が設けられています。

自己負担上限額(月額)
<18歳未満の障がい児>
18歳以上の障がい者向け自己負担上限額の説明図

※:収入が概ね890万円以下の世帯が対象となります。

出典2)より改変

<18歳以上の障がい者>
自己負担上限額の各種条件説明図

※1:3人世帯で障害基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。

※2:収入が概ね600万円以下の世帯が対象となります。

出典3)より改変
お問合せ先

市区町村の担当窓口

〈訪問看護(医療保険)〉

訪問看護では、主治医の指示で看護職が自宅を訪問し、健康状態の確認や医療的ケアのほか、介護を担っているご家族の相談に乗ったり、支援したりします。本来は週3日までですが、DMD患者さんの場合は厚生労働大臣が定める疾病に指定されているため、週4日以上利用することも可能です。

自己負担額

公的医療保険の自己負担割合となりますが、小児慢性特定疾病や指定難病の医療費助成の対象となります。

お問合せ先

主治医の先生、お近くの訪問看護ステーション

〈レスパイト入院(医療保険を利用した短期入院、難病対策の在宅難病患者一時入院事業、障害福祉サービスによる短期入所)〉

レスパイト入院とは、介護を担っているご家族などが休息を必要としていたり、用事があったりして介護できない場合などに、一時的に入院することです。医療保険を利用した短期入院、難病対策の在宅難病患者一時入院事業による入院、障害福祉サービスによる短期入所があります。

お問合せ先

医療保険を利用した短期入院の場合は主治医の先生、難病対策の在宅難病患者一時入院事業による入院の場合は保健所など担当窓口、障害福祉サービスによる短期入所の場合は市区町村の担当窓口にお問合せください。

総合監修

小牧 宏文先生

国立研究開発法人
国立精神・神経医療研究センター
トランスレーショナル・メディカルセンター長

2026年7月作成