総合
監修

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
トランスレーショナル・メディカルセンター長小牧 宏文 (総合監修医プロフィール)先生

治療と生活のサポートを知りたい方医療費をサポートする制度

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療にかかる医療費のサポート

〈小児慢性特定疾病の医療費助成〉

18歳未満(治療の継続が必要な場合は20歳になるまで)のDMD患者さんにおいて、DMDの治療にかかる医療費の一部を助成する制度です。

対象となる方1)

DMDの場合、以下のいずれかに該当する場合に対象となります。

  • 運動障害が続く方
  • 治療として、以下のうち1つ以上を継続的に行っている方
    • 強心薬、利尿薬、抗不整脈薬、末梢血管拡張薬、β遮断薬、肺血管拡張薬を使用
    • 呼吸管理もしくは酸素療法
    • 中心静脈栄養もしくは経管栄養
対象となる費用

指定小児慢性特定疾病医療機関※におけるDMDに関する医療費

※:都道府県または市に指定された保険医療機関(病院・診療所、薬局、訪問看護ステーション)

医療費の自己負担額

自己負担割合が2割となります。
また、1カ月あたりの自己負担が世帯の収入や患者さんの状態に応じた上限額までになります。

自己負担上限額(月額)
階層
区分
階層区分の基準
(夫婦2人子1人世帯における目安)
自己負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+入院)
一般 重症※※:(1)高額な医療費が長期的に継続する方[医療費総額が5万円/月(たとえば医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円/月)を超える月が12カ月の間に6回以上ある場合]、(2)現行の重症患者基準に適合する方、のいずれかに該当。 人工呼吸器等
装着者
I 生活保護等 0円
II 市区町村民税 非課税 低所得I(年収〜82.65万円) 1,250円 500円
III 低所得II(年収82.65万円〜) 2,500円
IV 一般所得I(市区町村民税7.1万円未満) 5,000円 2,500円
V 一般所得II(市区町村民税7.1万円以上25.1万円未満) 10,000円 5,000円
VI 上位所得(市区町村民税25.1万円以上) 15,000円 10,000円
入院時の食費 1/2自己負担
※:(1)高額な医療費が長期的に継続する方[医療費総額が5万円/月(たとえば医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円/月)を超える月が12カ月の間に6回以上ある場合]、(2)現行の重症患者基準に適合する方、のいずれかに該当。
出典2)より改変
助成を受けるための手続き

助成を受けるには、お住まいの自治体に助成の申請を行う必要があります。

  1. (1) 小児慢性特定疾病指定医を受診し、「医療意見書」を作成してもらう
  2. (2) 必要書類をお住まいの自治体の窓口へ提出し、申請する
  3. (3) 審査後、支給認定された場合は「小児慢性特定疾病医療受給者証」が交付される
  4. (4) 指定小児慢性特定疾病医療機関で受給者証(自治体によってはマイナ保険証)を提示し、治療を開始する

※ 診断から受給者証交付までの間に指定小児慢性特定疾病医療機関でかかった医療費は払い戻し請求ができます。

手続きの流れ
  1. (1)-1 受診:申請者から小児慢性特定疾病指定医へ
  2. (1)-2 診断:小児慢性特定疾病指定医から申請者へ(医療意見書)
  3. (2) 申請:申請者から都道府県または市(保健所、保健センターなど)へ
  4. (3) 結果通知:都道府県または市(保健所、保健センターなど)から申請者へ(受給者証)
  5. (4) 治療開始:申請者から指定小児慢性特定疾病医療機関へ(受給者証(またはマイナ保険証))

出典3)より改変

必要な書類の例
  • 小児慢性特定疾病医療費支給認定申請書
  • 小児慢性特定疾病医療意見書
  • 住民票
  • 市区町村民税(非)課税証明書などの課税状況を確認できる書類
  • 資格確認書など保険資格が確認できる資料のコピー
  • 医療意見書の研究利用についての同意書

※ 必要書類は自治体によって異なることがありますので、詳しくは、お住まいの自治体窓口へお問合せください。

お問合せ先

都道府県または指定都市、中核市・児童相談所設置市の担当窓口(保健所、保健センターなど)

〈指定難病(特定医療)の医療費助成〉

指定難病であるDMDの治療にかかる医療費の一部を助成する制度です。小児慢性特定疾病の医療費助成と同時に利用することはできません。

対象となる方4)

DMDを含む筋ジストロフィーの場合、生活自立度の尺度であるmodified Rankin Scale(mRS)、食事・栄養、呼吸、循環のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上に該当する場合に対象となります。

また、認定基準に該当しないものの、高額な医療の継続が必要(軽症高額該当)と認められる場合※でも対象となります。

※:医療費総額が33,330円(負担割合が3割の患者さんの場合は自己負担額が約10,000円)を超える月が、支給認定を申請した月以前の12カ月の間に3回以上ある場合。

対象となる費用

難病指定医療機関※におけるDMDに関する医療費

※:都道府県・指定都市で指定された保険医療機関(病院・診療所、薬局、訪問看護ステーション)

医療費の自己負担額

自己負担割合が2割となります。
また、1カ月あたりの自己負担が世帯の収入や患者さんの状態に応じた上限額までになります。

自己負担上限額(月額)
階層区分 階層区分の基準
(夫婦2人世帯における年収の目安)
自己負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+入院)
一般 高額かつ
長期※※:医療費総額が5万円/月(たとえば医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円/月)を超える月が12カ月の間に6回以上ある方。
人工呼吸器等
装着者
生活保護 ― 0円
低所得I 市区町村民税 非課税
(世帯)
本人年収 〜82.65万円 2,500円 2,500円 1,000円
低所得II 本人年収 82.65万円超〜 5,000円 5,000円
一般所得I 市区町村民税 課税以上7.1万円未満
(約160万円〜約370万円)
10,000円 5,000円
一般所得II 市区町村民税7.1万円以上25.1万円未満
(約370万円〜約810万円)
15,000円 10,000円
上位所得 市区町村民税25.1万円以上
(約810万円〜)
30,000円 20,000円
入院時の食費 全額自己負担

※:医療費総額が5万円/月(たとえば医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円/月)を超える月が12カ月の間に6回以上ある方。

出典5)より改変

助成を受けるための手続き

助成を受けるには、お住まいの自治体に助成の申請を行う必要があります。

  1. (1) 難病指定医を受診し、「診断書(臨床調査個人票)」を作成してもらう
  2. (2) 必要書類をお住まいの都道府県または指定都市の窓口へ提出し、申請する
  3. (3) 審査後、支給認定された場合は「特定医療費(指定難病)受給者証」が交付される(申請後、3カ月程度)
  4. (4) 難病指定医療機関で受給者証(自治体によってはマイナ保険証)を提示し、治療を開始する
※ 診断から受給者証交付までの間に難病指定医療機関でかかった医療費は払い戻し請求ができます。
手続きの流れ
  1. (1)-1 受診:申請者から難病指定医へ
  2. (1)-2 診断:難病指定医から申請者へ(診断書(臨床調査個人票))
  3. (2) 申請:申請者から都道府県または指定都市(健康福祉部、保健所など)へ
  4. (3) 結果通知:都道府県または指定都市(健康福祉部、保健所など)から申請者へ(受給者証)
  5. (4) 治療開始:申請者から難病指定医療機関へ(受給者証(またはマイナ保険証))
出典5)6)より改変
必要な書類の例
  • 特定医療費の支給認定申請書
  • 診断書(臨床調査個人票)
  • 住民票
  • 市区町村民税(非)課税証明書などの課税状況を確認できる書類
  • 資格確認書など保険資格が確認できる資料のコピー
  • 同意書

※ 必要書類は自治体によって異なることがありますので、詳しくは、お住まいの自治体窓口へお問合せください。

お問合せ先

都道府県または指定都市の担当窓口(健康福祉部、保健所など)

〈自立支援医療制度による医療費助成〉7)

身体に障がいがある患者さん(難病患者さんを含む)に対し、手術などの治療によって障がいを改善することが期待される場合にその医療費の負担を軽減する制度です。

患者さんの年齢によって「育成医療」(18歳未満)と「更生医療」(18歳以上で身体障害者手帳の取得が必要)に分かれます。

申請し、支給が認定されれば、その治療にかかる医療費は1割負担となり、所得によって自己負担上限額が設けられます。

お問合せ先
市区町村の担当窓口

医療費全般のサポート

〈高額療養費制度による医療費助成〉

ひと月(その月の1日から月末)にかかった医療費が高額になり、一定の金額(自己負担上限額)を超えた場合、その金額が支給される制度です。

保険適用となる治療であれば、全ての医療費が支給の対象となります。ただし、入院中の食費や差額ベッド代、先進医療にかかる費用などは対象外です。

同月に支払う医療費が自己負担上限額を超える場合、窓口での支払いが自己負担上限額までとなります。

※情報提供に同意していない場合や、医療機関がオンライン資格確認未導入である場合などは、事前の手続き、または自己負担上限額を超えた分の払い戻しの手続きが必要です。

対象となる方

公的医療保険に加入している方です。

医療費の自己負担上限額

年齢と世帯の収入によって、以下のように自己負担上限額が異なります。

自己負担上限額

<70歳未満の方の自己負担限度額表(令和8年8月~令和9年7月)>

所得区分 月額上限 年間上限
多数回該当
年収約1,160万円〜
標準報酬月額83万円以上
270,300円+
(医療費−901,000円)×1%
140,100円 1,680,000円
年収約770万円〜約1,160万円
標準報酬月額53万円〜79万円
179,100円+
(医療費−597,000円)×1%
93,000円 1,110,000円
年収約370万円〜約770万円
標準報酬月額28万円〜50万円
85,800円+
(医療費−286,000円)×1%
44,400円 530,000円
年収〜約370万円
標準報酬月額26万円以下
61,500円 44,400円 530,000円※※:年収換算で約200万円未満であることが確認できた場合、年間上限額が41万円となり2027(令和9)年8月以降に償還払いとなります。
住民税非課税 36,900円 24,600円 290,000円
※:年収換算で約200万円未満であることが確認できた場合、年間上限額が41万円となり2027(令和9)年8月以降に償還払いとなります。
<70歳以上の方の自己負担限度額表(令和8年8月~令和9年7月)>
所得区分 月額上限 年間上限
外来
(個人ごと)
入院・外来
(世帯ごと)
多数回該当
年収約1,160万円〜
標準報酬月額83万円以上
270,300円+
(医療費−901,000円)×1%
140,100円 1,680,000円
年収約770万円〜約1,160万円
標準報酬月額53万円〜79万円
179,100円+
(医療費−597,000円)×1%
93,000円 1,110,000円
年収約370万円〜約770万円
標準報酬月額28万円〜50万円
85,800円+
(医療費−286,000円)×1%
44,400円 530,000円
年収〜約370万円
標準報酬月額26万円以下
22,000円
(年間上限216,000円)
61,500円 44,400円 530,000円※1※1:年収換算で約200万円未満であることが確認できた場合、年間上限額が41万円となり2027(令和9)年8月以降に償還払いとなります。
住民税非課税 11,000円
(年間上限96,000円)
25,700円 24,600円 290,000円
住民税非課税
(所得が一定以下※2※2:世帯の所得金額(公的年金収入から82.65万円控除、給与所得から10万円控除した後の金額)が0円の人。)
8,000円 15,700円 ― 180,000円
※1:年収換算で約200万円未満であることが確認できた場合、年間上限額が41万円となり2027(令和9)年8月以降に償還払いとなります。
※2:世帯の所得金額(公的年金収入から82.65万円控除、給与所得から10万円控除した後の金額)が0円の人。

出典1)より改変

お問合せ先

加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・国民健康保険・後期高齢者医療制度・共済組合など)

〈乳幼児・子ども医療費助成〉

0~18歳の子どもにかかる医療費の一部または全額を助成する制度です。名称や対象年齢、自己負担額などは自治体によって異なります。助成を受けるには申請が必要です。

お問合せ先

市区町村の担当窓口

〈重度心身障害者(児)医療費助成〉

重い障がいのある方の医療費の一部負担金を助成します。名称や対象となる障がいの程度(障害者手帳の級数など)、自己負担額は自治体によって異なります。助成を受けるには申請が必要です。

お問合せ先

市区町村の担当窓口

総合監修

小牧 宏文先生

国立研究開発法人
国立精神・神経医療研究センター
トランスレーショナル・メディカルセンター長

2026年8月改訂