総合
監修

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
トランスレーショナル・メディカルセンター長小牧 宏文 先生

よくある質問・用語集よくある質問

病気について

よくある質問のクエスチョンアイコン

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を疑う症状にはどのようなものがありますか?

よくある質問のアンサーアイコン

幼児期ごろに走れない、転びやすいなどの症状からみられはじめます。医療機関で受けた血液検査で偶然に高クレアチンキナーゼ(CK)血症が見つかり、発症前に診断される場合もあります。詳しくは「DMDのことを知りたい方」のページをご覧ください。

※:

筋肉が壊れたときに数値が上がる酵素

(参考)
小児慢性特定疾病情報センター.47 デュシェンヌ(Duchenne)型筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_047/,(2026年7月6日閲覧)

よくある質問のクエスチョンアイコン

赤ちゃんの頃からみられるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の症状はありますか?

よくある質問のアンサーアイコン

通常、生まれて間もない頃に目立った症状はみられません。多くの場合、症状が出始めるのは幼児期ごろ(乳児期に発達遅滞を認める場合があります)で、走れない、転びやすいなどの症状からみられはじめます。

(参考)
小児慢性特定疾病情報センター.47 デュシェンヌ(Duchenne)型筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_047/,(2026年7月6日閲覧)
Cyrulnik SE, et al. J Pediatr. 2007; 150: 474-8.

よくある質問のクエスチョンアイコン

筋ジストロフィーにはどのような種類がありますか?

よくある質問のアンサーアイコン

代表的な筋ジストロフィーの種類には、以下のようなものがあります。

病名
デュシェンヌ型筋
ジストロフィー(DMD)
幼児期ごろに走れない、転びやすいなどの症状からみられはじめます。血液検査で高クレアチンキナーゼ(CK)血症が見つかり発症前に診断される場合もあります。
進行すると呼吸や心臓の機能の低下がみられるようになりますが、症状の種類や程度、進行度は患者さんの状態・治療の状況により異なります。
2026年7月現在、DMDを完治させる治療法はありません。※:筋肉が壊れたときに数値が上がる酵素
ベッカー型筋
ジストロフィー(BMD)
主な症状はDMDに似ていますが、発症時期や進行がより遅く、歩行できなくなる時期は少なくとも15歳以降です。
早期に発症してDMDと区別することが難しい場合から、成人後期に発症する場合まで、発症時期や重症度に幅があります。
福山型先天性筋
ジストロフィー
新生児~乳児期早期より顔面を含む全身での筋力低下や筋緊張低下がみられます。
肢帯型筋
ジストロフィー
DMDと似た症状がみられることがありますが、DMDより程度は軽く進行が遅い傾向があります。
顔面肩甲上腕型筋
ジストロフィー
顔面や腕の筋力低下がみられやすいです。

(参考)
小児慢性特定疾病情報センター.47 デュシェンヌ(Duchenne)型筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_047/, (2026年7月6日閲覧)

小児慢性特定疾病情報センター.54 47から53に掲げるもののほか、筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_054/, (2026年7月6日閲覧)

小児慢性特定疾病情報センター.51 福山型先天性筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_051/, (2026年7月6日閲覧)

小児慢性特定疾病情報センター.49 肢帯型筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_049/, (2026年7月6日閲覧)

小児慢性特定疾病情報センター.50 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_050/, (2026年7月6日閲覧)

よくある質問のクエスチョンアイコン

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)はどのように発症するのですか?

よくある質問のアンサーアイコン

DMD患者さんでは、生まれつきジストロフィン遺伝子に異常が生じており、これをきっかけにDMDを発症します。ジストロフィン遺伝子は、ジストロフィンというタンパク質をつくるための「設計図」の役割を果たしています。そのため、ジストロフィン遺伝子に異常があると、ジストロフィンをつくることができません。
ジストロフィンは、筋肉の構造を保つために重要なタンパク質です。筋細胞膜の下に存在していて、筋肉を動かしても筋細胞膜が壊れないように支えるはたらきをしています。しかし、DMD患者さんは遺伝子の異常のためにジストロフィンをつくれないため、筋細胞膜を支えるものがなく、筋細胞膜が傷つきやすい状態です。筋肉も壊れやすくなるため、徐々に筋力低下が進んでいきます。

(参考)
Davies KE, Nowak KJ. Nat Rev Mol Cell Biol. 2006; 7: 762-73.
van Westering TL, et al. Molecules. 2015; 20: 8823-55.
*利益相反:著者にSarepta社よりコンサルタント料を受領している者が含まれている。

よくある質問のクエスチョンアイコン

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)はどのように進行していきますか?

よくある質問のアンサーアイコン

幼児期ごろに走れない、転びやすいなどの症状からみられはじめます。血液検査で高クレアチンキナーゼ(CK)血症が見つかり発症前に診断される場合もあります。進行すると呼吸や心臓の機能の低下がみられるようになりますが、症状の種類や程度、進行度は患者さんの状態・治療の状況により異なります。2026年7月現在、DMDを完治させる治療法はありません。

発達期:運動発達が遅れる、走れない、転びやすい

歩行可能前期:ふくらはぎが太くなる(筋肥大)、つま先歩きをする、手でひざや太ももを伝って立ち上がる(ガワーズ徴候)、腰を振って歩く(動揺性歩行

歩行可能後期:歩くことが難しくなってくる、車いすが必要な場面がある

歩行不能前期:常に車いすを使用する必要がある、腕を上げることが難しくなる、呼吸や心臓の機能低下がみられる

歩行不能後期:腕の機能が低下し、姿勢の維持が難しくなってくる、呼吸や心臓の機能低下に伴う、頭痛・息切れ・疲れやすさがみられやすくなる

詳しくは「DMDのことを知りたい方」のページをご覧ください。

※:

筋肉が壊れたときに数値が上がる酵素

(参考)
小児慢性特定疾病情報センター.47 デュシェンヌ(Duchenne)型筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_047/,(2026年7月6日閲覧)

よくある質問のクエスチョンアイコン

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の合併症にはどのようなものがありますか?

よくある質問のアンサーアイコン

全身の筋力が低下することで、次のような合併症が生じることがあります。

  • 心臓の筋肉の動きが弱くなり、心臓の機能が低下する(心筋症
  • 呼吸に必要な筋肉が弱くなり、呼吸がしにくくなる(呼吸不全)
  • 背骨を支える筋肉が弱くなり、背骨がうねるように曲がってしまう[側弯症(そくわんしょう)
  • 噛んだり飲み込んだりするための筋肉が弱くなり、食べ物や飲み物が飲み込みにくくなって栄養を十分に摂れなくなる[嚥下(えんげ)機能障害]

(参考)
一般社団法人 日本小児神経学会.Q92:デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の小児期の治療について教えてください。.
https://www.childneuro.jp/general/6572/,(2026年7月6日閲覧)

よくある質問のクエスチョンアイコン

大人になってからデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を発症することはありますか?

よくある質問のアンサーアイコン

大人になってから発症する筋ジストロフィーは、DMDとは異なるタイプであると考えられます。例えば、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)は、DMDと同じようにジストロフィン遺伝子の異常が原因ですが、大人になってから診断されることもあります。

BMDとは

主な症状はDMDに似ていますが、発症時期や進行がより遅く、歩行できなくなる時期は少なくとも15歳以降です。早期に発症してDMDと区別することが難しい場合から、成人後期に発症する場合まで、発症時期や重症度に幅があります。

(参考)
小児慢性特定疾病情報センター.47 デュシェンヌ(Duchenne)型筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_047/,(2026年7月6日閲覧)

小児慢性特定疾病情報センター.54 47から53に掲げるもののほか、筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_054/,(2026年7月6日閲覧)

よくある質問のクエスチョンアイコン

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)であることや疾患について本人にどのように伝えればよいでしょうか?

よくある質問のアンサーアイコン

DMDは徐々に進行していく病気でもあり、お子さんにいつどのように伝えればよいのか迷うことがあるかもしれません。DMDについて伝えるタイミングや内容は、お子さんの状態や年齢、理解度、ご家族のお考えなどにもよりますので、主治医やご家族と話し合って決めるとよいでしょう。また、お子さんにDMDのことを伝えた後は、お子さんがDMDについて周囲の大人にいつでも聞けるような状況をつくることも大切になります。

よくある質問のクエスチョンアイコン

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は遺伝しますか?

よくある質問のアンサーアイコン

DMDは、「X連鎖潜性遺伝」という形式で遺伝します。
遺伝子は、体内では「染色体」の中に存在します。ヒトの染色体は全部で23対あり、このうち1対が性別を決定する性染色体です。女性はX染色体を2本、男性はX染色体とY染色体を1本ずつ持っています。
DMDの原因となるジストロフィン遺伝子はX染色体に存在します。女性の場合はX染色体が2本あるため、どちらか1本のジストロフィン遺伝子に異常があっても、もう1本が正常であれば、DMDの症状は出ないか、出たとしてもごく軽症です。一方、男性はX染色体が1本しかないため、ジストロフィン遺伝子に異常があるとDMDを発症します。母親のジストロフィン遺伝子に異常がある場合、その男児が発症する確率は50%です。詳しくは「DMDのことを知りたい方」のページをご覧ください。

(参考)
小児慢性特定疾病情報センター.47 デュシェンヌ(Duchenne)型筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_047/,(2026年7月6日閲覧)

よくある質問のクエスチョンアイコン

子どもがデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)と診断されました。母親である私も遺伝学的検査を受けた方がよいのでしょうか?

よくある質問のアンサーアイコン

DMDの原因であるジストロフィン遺伝子の異常は、親から受け継がれる場合と、突然変異によって子どもの世代で新しく生じる場合があります。日本国内のDMD患者さんの場合、約4割は突然変異によって生じていると報告されています。そのため、必ずしもお母さんがジストロフィン遺伝子の異常を持っているとは限りません。遺伝子の異常を確認するためには遺伝学的検査を受ける必要がありますので、患者さんの主治医や認定遺伝カウンセラーⓇ※にご相談ください。詳しくは「DMDのことを知りたい方」のページをご覧ください。

※:

医療施設によっては在籍していないことがあります。

よくある質問のクエスチョンアイコン

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の患者数は日本では何人くらいですか?

よくある質問のアンサーアイコン

Remudyによれば、日本でのDMD患者数は約3,000~4,000人と推定され、2026年5月末時点のDMD、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)、中間型筋ジストロフィー(IMD)患者の登録依頼数は2,259人でした1)

※:

事務局を国立精神・神経医療研究センターに置く、DMDを含む神経筋疾患の研究などを目的としたデータベース

1)

神経・筋疾患患者登録センター Remudy. 現在の登録状況(2026年5月31日現在).
https://remudy.ncnp.go.jp/assets/pdf/statistics/touroku_graph.pdf,(2026年7月6日閲覧)

よくある質問のクエスチョンアイコン

女性でもデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)になることはありますか?

よくある質問のアンサーアイコン

ジストロフィン遺伝子がX染色体上にあることから、DMDを発症するのは原則男性です。しかし、女性でもジストロフィン遺伝子に異常がある場合、まれにDMDのような症状が出たり、クレアチンキナーゼ(CK)の値が高くなったりすることがあります。年齢を重ねるにつれて、心不全や筋力低下などの症状があらわれることもあります。こうした状態は「女性ジストロフィノパチー」と呼ばれ、指定難病に含まれています。

※:

筋肉が壊れたときに数値が上がる酵素

(参考)
厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「筋ジストロフィーの標準的医療普及のための調査研究」班.ジストロフィノパチー.
https://mdcst.jp/md/dmdbmd/,(2026年7月6日閲覧)

よくある質問のクエスチョンアイコン

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に似た病気はありますか?

よくある質問のアンサーアイコン

DMDと同じように筋力低下が進んでいく病気として、その他の筋ジストロフィーのほか、脊髄性筋萎縮症(SMA)ポンぺ病、若年性皮膚筋炎などが挙げられます。詳しくは「DMDのことを知りたい方」のページをご覧ください。

DMDとは

幼児期に発症する筋ジストロフィーの中で最もよくみられる種類です。ジストロフィン遺伝子の異常が原因で起こり、原則男性に発症します。徐々に筋力低下が進んでいく病気で、幼児期ごろに走れない、転びやすいなどの症状からみられはじめ、進行すると歩けなくなるとされています。

筋ジストロフィーとは

何らかの遺伝子の異常により、筋肉が壊れやすくなり、筋力低下が進んでいく病気の総称です。デュシェンヌ型のほか、ベッカー型、福山型先天性、肢帯型、顔面肩甲上腕型などさまざまな種類があります。

SMAとは

遺伝子の異常により、脊髄(せきずい)の中にある、筋肉を動かすためにはたらく細胞(運動神経細胞)が変化して、手や足などの筋肉が弱くなっていく病気です。赤ちゃんから大人まで幅広い年齢層で発症します。DMDと同じく筋力低下を中心としたさまざまな症状があらわれます。

ポンペ病とは

遺伝子の異常により、うまく細胞内の糖を分解できず、筋肉の細胞に糖がたまっていくことで起こる病気です。赤ちゃんから大人まで幅広い年齢で発症し、筋ジストロフィーと同じく筋力低下が進んでいきます。

若年性皮膚筋炎とは

皮膚と筋肉に炎症が起こる病気です。16歳未満で発症し、まぶたが赤く腫れぼったくなる、手指の関節が、がさがさとして盛り上がるなどの皮膚症状に加えて、筋力低下や筋肉痛といった筋肉の症状がみられます。

(参考)
小児慢性特定疾病情報センター.47 デュシェンヌ(Duchenne)型筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_047/, (2026年7月6日閲覧)

小児慢性特定疾病情報センター.54 47から53に掲げるもののほか、筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_054/, (2026年7月6日閲覧)

小児慢性特定疾病情報センター.51 福山型先天性筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_051/, (2026年7月6日閲覧)

小児慢性特定疾病情報センター.49 肢帯型筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_049/, (2026年7月6日閲覧)

小児慢性特定疾病情報センター.50 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_050/, (2026年7月6日閲覧)

難病情報センター.脊髄性筋萎縮症(指定難病3)(令和7年12月).
https://www.nanbyou.or.jp/entry/285, (2026年7月6日閲覧)

日本先天代謝異常学会 編.ポンペ病診療ガイドライン2018.診断と治療社; 2019.
小児慢性特定疾病情報センター.3 皮膚筋炎/多発性筋炎.
https://www.shouman.jp/disease/details/06_01_003/, (2026年7月6日閲覧)

よくある質問のクエスチョンアイコン

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)とベッカー型筋ジストロフィー(BMD)の違いは何ですか?

よくある質問のアンサーアイコン

DMDもBMDも、ジストロフィン遺伝子の異常が原因であることは共通していますが、DMDは完全にジストロフィンがつくられなくなってしまうのに対し、BMDは不完全ながらもジストロフィンがつくられます。そのため、一般的にDMDよりもBMDの方が軽症であり、発症が遅く、ゆっくり進行する傾向があります。

(参考)
小児慢性特定疾病情報センター.47 デュシェンヌ(Duchenne)型筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_047/,(2026年7月6日閲覧)

小児慢性特定疾病情報センター.54 47から53に掲げるもののほか、筋ジストロフィー.
https://www.shouman.jp/disease/details/11_21_054/,(2026年7月6日閲覧)

総合監修

小牧 宏文先生

国立研究開発法人
国立精神・神経医療研究センター
トランスレーショナル・メディカルセンター長

2026年7月作成