OUR PEOPLEOUR PEOPLE

「人と薬の架け橋に」。粘り強さと行動力で、信念をつらぬく人。

諦めない、という使命

「どんなに素晴らしい薬でも、MRがいなければ患者さんに届かない。私たち一人ひとりの小さな頑張りが、日本の医療を変えていくと信じています」。MRとして新薬の普及に力を注ぎ、骨粗鬆症領域の製品で和歌山エリアトップの実績を収めた三浦。その言葉は力強く、想いに迷いはない。「製薬メーカーの研究者である父と、薬剤師である母のもとで育ったせいかもしれません。人と薬の橋渡しをすることで、社会に貢献したいという思いは、小さいころからありました」。だから、医師と話をするときは、その先にいる患者さんのことを意識するようにしている。たとえば、「従来の薬で効果が出ないリウマチの患者さんがいる」という話を耳にしたときのことだ。

「弊社の新薬が効くのではないかと考えてご提案したのですが、使用実績が少ないとの理由から、採用は見送られてしまいました」。けれど、患者さんにとって、その薬が最適であるという確信が、三浦にはあった。「目の前に苦しんでいる人がいて、それを救えるかもしれない薬があるのなら、諦めないのもMRの使命。何度も足を運んでデータやエビデンスをお見せし、議論を重ねました」。その結果、最終的に薬は採用された。「後日、患者さん、痛みが取れて喜んでいたよと教えていただいたときは、MRをやっていて、本当によかったと、心から思いました」。

命をあずかる仕事

「成長意欲が高く、目標を定めたら、絶対にあきらめない」。三浦の人となりを、同僚たちは、こう表現する。薬の効果や副作用を徹底的に理解し、資料に書かれていないことでも答えられるように準備して新薬の普及に奔走する姿は、周囲から一目置かれているという。「担当している薬について、誰よりも詳しい人になる。それが当然のことだと教えてくれたのは、新人時代の苦い経験なんです」と、三浦は振り返る。それは、訪問先の病院で医師の質問に対して、資料をたどたどしく読みながら答えていたときのことだった。「『MRは人の命をあずかる仕事だろう!薬の説明くらい、頭に入れておきなさい』と、一喝されたのです」。

視界が、一気に開けたような気がした。「そうか、私は命に関わる仕事をしているんだ!と、身が引き締まる思いがしましたし、先生からパートナーとしてのレベルを求められているという事実が、うれしかったのを覚えています」。また、新薬を開発している会社のMRならではのやりがいが、中外製薬にはあると感じている。「研究や臨床開発部門が、何年もかけて取り組んできた医薬品を、世の中に送り出せるという誇り。そして、その薬が世の中に浸透するかどうかは、発売から数週間が勝負です。誰をどう巻き込んでどう動くかを考えるのも、仕事のおもしろさの一つです」。

地域に架ける橋

「これからのMRは、地域医療への貢献が大きなテーマになる」と、三浦は考えている。「地域の医療機関と最前線で接しているMRだからこそ、課題を見出せるし、各医療機関と自治体、住民という〝点〟を線としてつなげられると思っています」。ただし、橋渡し役で終わらないのが、三浦らしいところ。「どこにどんな橋を架けるかを考え、それを実行する力を持ちたいと思っています」。その思いがカタチになったのが、先輩MRと共に立ち上げた、総合病院と開業医を結ぶ連携勉強会である。「きっかけは、C型肝炎の患者さんを、もっと発掘したいという、医療センターの先生の一言でした」。

和歌山県は、肝がんでの死亡率が全国平均より高い。C型肝炎の段階で治療すれば、肝がんの発症を食い止められるのだが、C型肝炎は自覚症状が少なく、専門医の数も多くないため、発見が困難だという問題点があった。「そのうえ、C型肝炎は週一回の継続的な治療が必要なので、遠方の病院まで通えずに断念する患者さんも多いのです。そこで、総合病院の専門医が地域のかかりつけ医をフォローすることで、早期発見、継続治療ができる体制を構築した。「現在は、半年ごとに勉強会・交流会を開いて、C型肝炎治療薬の普及を促進しながら、医療機関同士をつないでいます」。

※本記事の内容は取材当時のものです。
  • シェア
  • ツイート
  • Lineで送る
  • メールする
トップに戻る