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誠実さをベースに、財務から会社のミッションを支える人。

「誠」を社風に持つ会社。

会計学の知識を活かして仕事がしたいと思っていた阿部にとって、中外製薬は、魅力的な会社だった。「世界トップの製薬企業であるロシュ社とアライアンスを締結し、バイオの分野で先陣を切って、未だかつてないビジネスモデルを展開していたからです」。しかし、入社の決め手になったのは、最終面接で財務経理部長に、「中外製薬のカルチャーで好きなところはどこですか」と質問したときのことだった。

「答えは、『Integrity(誠)』。即答でした。外資系企業なので社風もヨーロッパ的な風土なのかと思っていましたが、『Integrity(誠)』という言葉を聞いて、武士道を思い出しました。中外製薬は侍が世界に果敢に挑戦しているようなイメージが頭に浮かび、魅力的な会社に感じました」。大学時代に武道を学んでいた阿部は、「誠」の精神がいかに大切かを感じていた。「純粋にこの会社で働きたい、と思いました」。

1取引を3つの世界で整合させて、解を導く。

入社後、財務経理部に配属され、主に決算業務に携わってきた。「日本の基準であるJGAAPに則った会計処理は、学生時代も勉強していましたが、加えて、ロシュ社に対してIFRS(国際財務報告基準)に対応した処理を報告する必要がありました。さらに、日本の税法に準拠した処理にも対応しなければならない。ビジネスの一つのトランザクション(取引)を、3つの世界で整合させて解を導くことに、学問にはない新鮮さと面白さを感じました」。時には、ロシュ社の解釈と相違していることもあり、会計処理について議論を交わすこともあった。また、中外製薬の「若手に任せる風土」にも、驚かされたという。「入社4年目で、消費税8%引き上げの対応を一任されました」。対応に漏れや不手際があると、法律に基づいて社名を公表されるという、厳しい措置が取られるものだ。「消費税はすべての部署に関係するものですが、そもそも、各部門のビジネスを把握できていなかった。どういう相手とどんな取引をしているのか、消費税はどう反映されるべきなのかを調査して、収集した情報に対して税理士や弁護士と法解釈を何度も確認。全社に配布するマニュアルに落とし込んでいきました」。

事前に、各部門のコントローラーに説明して疑問を吸い上げるなど、混乱を避ける工夫もした。「消費税を正しく転嫁するために、それまでの取引慣習を改めなければならず、他部門に煩雑な対応をお願いしなければならないこともありましたが、会社として、徹底的に誠実に対応することを上司と決断しました。対応にミスがあって会社の評判が損なわれれば、真剣に患者さんのために医薬品を届けている中外製薬の社員に申し訳ないと考えたからです。後日、行政機関の立入調査を受けたとき、私たちが作成した対応マニュアルや計算ファイルに目を通されて、『ここまで真摯に対応している会社は、初めてです』と、評価していただけました」。

海外から、広い視野で会社の財務を捉える。

現在、阿部は、スイスに赴任し、日本で作成された予算や実績の数字を確認・調整して、ロシュ社に報告する役割を担っている。「日本の主なカウンターパートは、財務経理部と経営企画部になるのですが、電話やテレビ会議を通じて数字を固め、ロシュ社に報告・説明します」。日本で決算業務をしていたときは、原価計算や退職給付会計など特化されたトピックスについて、細かい論点を詰めていく業務が多かった。現在は、より大枠の視点で考えるように、マインドセットをしているという。「たとえば、『厳しい薬価制度の改定に対して当社はどう対応していくのか』『実施されている短期的な投資の意図は何であるのか』といったことです。そこには常に、中外製薬が長期的に何をしようとしているのか、という視点が必要で、それを自分の言葉で説明できるよう努めています」。異国の地での多忙な毎日の中にあって、会計関連の資格取得も目指している。

「会計のプロフェッショナルとして、頼られる存在になるのが目標です。財務経理は、有価証券報告書の作成や全社的な事業戦略に携わる重要な部署ですが、患者さんに直接的に貢献することはできません。だからこそ、各部門が抱える会計的な課題に対してサービスを提供することで、“革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献する”という、会社としてのミッションに寄与できるよう精進したいと思っています」。

※本記事の内容は取材当時のものです。
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