
2025年度
中間期 株主通信
BUSINESS REPORT20252025年1月1日〜2025年6月30日
マネジメントメッセージ

TOP I 2030達成とトップイノベーター像の実現を
目指した基盤ビジネスの充実と研究開発体制の
整備を推進する
- 代表取締役社長 最高経営責任者
- 奥田 修
国内外製商品売上高の増加により増収増益の決算
上期の順調な進捗を踏まえ、通期予想の達成を見込む
2025年度中間期の連結業績(Core実績※1、以下同)は、売上収益5,785億円(前年同期比4.6%増)、営業利益2,720億円(同3.5%増)、中間利益1,935億円(同2.1%増)となりました。国内製商品売上高は、薬価改定や後発品浸透のマイナス影響を受けた一方で、新製品の「フェスゴ」、「ピアスカイ」、主力品の「バビースモ」が増加し、2,233億円(同2.8%増)となりました。海外製商品売上高は、ロシュ向けの「アクテムラ」輸出が大幅に増加し、2,881億円(同7.3%増)となりました。
Core通期業績は、売上収益1兆1,900億円(同1.7%増)、営業利益5,700億円(同2.5%増)、当期利益4,100億円(同3.2%増)と予想しています。上期の順調な進捗を踏まえまして通期予想の達成を見込んでいます。
自社創製品の重要なマイルストンを達成
TOP I 2030達成に向け、早期臨床開発段階の5つの
自社開発一括中止、優先度の高いプロジェクトへの
リソース集中を決定
研究開発では、将来の成長ドライバーとして期待される2つの自社創製品が重要なマイルストンを達成しました。「orforglipron」は、導出先のイーライリリー社が本年4月に2型糖尿病を対象とするグローバルフェーズ3試験の最初の成功を発表しました。ヘムライブラに続く次世代のバイスペシフィック抗体である「NXT007」は、PoC※2を確認し、2026年から3つのグローバルフェーズ3試験を開始することを決定しました。さらに、新規の自社品プロジェクトとして、「MINT91」や中分子プロジェクト「AUBE00」が、いずれも固形がんを対象にフェーズ1試験を開始しました。
これらの重要なマイルストンの達成に加え、機動的かつ戦略的な早期開発加速に向けた中長期視点での経営判断として、5つのプロジェクト(LUNA18、SAIL66、SOF10、STA551、AMY109)の自社開発一括中止を決定しました。2021年の成長戦略TOP I 2030開始以降、研究と早期開発への集中投資を進めるRED SHIFTを推進した結果、4年間で9個の自社創製品のプロジェクトが臨床入りし、早期プロジェクトが充実しました。一方、極めて独自性の高い創薬に挑戦しているため、開発に時間を要しているプロジェクトもありました。そこで、早期開発段階にある自社品パイプラインを対象に、これまでに得られているデータとポートフォリオの状況を勘案の上、優先順位付けを行った結果、前述したプロジェクト5つの自社開発一括中止を決定しました。こうして優先度の高いプロジェクトにリソースを集中することで、TOP I 2030の目標達成確度を高めていきます。
中分子「LUNA18」については、当社独自の中分子技術の特徴である経口吸収性の確認に加え、細胞内への到達を示唆するデータが得られました。こうした大きな成果の一方で、これまでの臨床試験で蓄積したデータや競合品の有望な臨床試験成績などを総合的に勘案し、より競争優位性を示せる可能性の高い「AUBE00」の開発に注力する方針に切り替えることとしました。
また、当社独自の技術を適用した医薬品の製法開発機能を強化するため、800億円を投資し浮間事業所に新たな研究棟「UKX」を建設することを決定しました。R&Dアウトプット倍増と自社グローバル品毎年上市に向けRED SHIFTの基盤がより強固になることに加えて、フロン対応やCO2排出量削減など、環境に配慮した設備とします。
当社は引き続き、TOP I 2030で掲げる高い目標の達成と、トップイノベーターとして世界中の患者さんに貢献することを目指していきます。株主の皆さまには、今後とも一層のご支援を賜りますようお願いいたします。
用語解説
- ※1 Core実績 …当社事業の核(コア)である医薬品事業から発生する経常的な収益性を管理するための指標。IFRS(国際会計基準)実績から、当社が非経常的と捉える事象に係る損益等を除いたもの
- ※2 PoC …Proof of Concept、研究段階で想定した薬効がヒトでも有効性を持つことを実証すること
Core実績連結財務ハイライト
(2025年1月1日~2025年6月30日)
-
売上収益
5,785億円(前年同期比 4.6%増) -
営業利益
2,720億円(前年同期比 3.5%増) -
中間利益
1,935億円(前年同期比 2.1%増) -
研究開発費
863億円(前年同期比 2.7%増)
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2025年12月期中間配当について
戦略的な投資資金需要や業績見通しを勘案したうえで、Core EPS※対比平均して45%の配当性向を目処に、株主の皆さまへ安定的な配当を行うことを目標といたします。
なお、今期は、1株当たり年間100円(中間配当50円、期末配当50円)の普通配当に創業100周年記念配当150円(中間配当75円、期末配当75円)を加えた1株当たり年間250円を予想値としております。
中間配当につきましては次のとおり実施させていただきます。
- ※ 「Core EPS」とは、当社が定める非経常的損益項目を控除したうえで算出された、当社株主に帰属する希薄化後1株当たり当期利益であります。
中間配当金
125円
(普通配当50円、記念配当75円)

特集
再発又は難治性の濾胞性リンパ腫に対する「ルンスミオ点滴静注」国内発売のお知らせ
高い奏効割合と持続的な寛解が期待できる
新たな治療選択肢
当社は、2025年3月19日に、過去に少なくとも2つの標準治療を受けたことのある再発又は難治性の濾胞性リンパ腫を効能又は効果として、抗悪性腫瘍剤/抗CD20/CD3ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ルンスミオ®点滴静注 1mg」および「ルンスミオ®点滴静注 30mg」(一般名:モスネツズマブ(遺伝子組換え))を発売しました。濾胞性リンパ腫は、白血球の一種であるリンパ球のうち、Bリンパ球ががん化してできるリンパ腫で、一般的に進行が緩やかであり、初期は高い治療効果が得られやすいものの、多くの場合で再発を繰り返します。再発を繰り返すことで、これまでの治療が効きづらくなることがあるため、有効性の高い新たな治療が求められていました。
「ルンスミオ」は、ほぼすべてのBリンパ球の細胞表面上に発現しているCD20抗原を標的として、腫瘍細胞を攻撃するT細胞上のCD3抗原を一つの抗体製剤内で認識できるように設計されたCD20/CD3に対するT細胞誘導性バイスペシフィック抗体で、単剤治療により高い奏効割合と持続的な寛解が期待できる新たな治療選択肢になります。治療期間は、患者さん一人ひとりの治療効果に応じ、約半年または一年間と設定されており、治療に伴う患者さんの負担軽減につながります。
当社では、患者さんやご家族、医療関係者の皆さまにこれまでにない価値をお届けできるよう、「ルンスミオ」の適正使用の推進に努めてまいります。

リンパ腫について情報をまとめておりますので、是非ご一読ください。
サステナビリティトピックス
「中外ライフサイエンスパーク横浜」が
環境省の「自然共生サイト」に認定

「中外ライフサイエンスパーク横浜」の緑地が、環境省の「自然共生サイト」(令和6年度後期)に認定されました。「自然共生サイト」とは、ネイチャーポジティブの実現に向け、民間の取組み等によって生物多様性の保全が図られている区域を、環境省が認定する制度です。
地域社会との自然の調和、環境との共存をコンセプトに建てられた「中外ライフサイエンスパーク横浜」の緑地は、地域在来種を中心に植生したことで、近隣の舞岡公園や柏尾川に生息する生物のハビタット(生息地)として重要な場となっています。また、生物との触れ合い、癒しの場、レインガーデンなど生態系サービスの提供にも力を入れ、公開緑道は、地域住民の散歩や休息、環境活動団体の環境教育イベントに利用されています。「自然共生サイト」の認定は、これらの取組みが評価されたことによるものです。
当社は、今後も継続的な管理・モニタリング・環境教育に力を入れ、さらなる生物多様性増進に取り組んでいきます。
未来の科学者を育てるバイオラボ

バイオテクノロジーに強みをもつ研究開発型製薬企業である当社は、科学教育を通じた次世代の育成に取り組んできました。「中外ライフサイエンスパーク横浜」の実験体験施設「バイオラボ」では、地域の小中学生に学校の理科の授業を補完する身近な生物の観察や最先端の技術に触れてもらう実験教室と、当社の研究員が企画し、講義や実技指導も務める、高校生向けのバイオ人財育成プログラムを開催しています。
バイオラボでは2023年4月にスタートして以来、未来を考えるきっかけを与え、科学の楽しさや生物の不思議さを知るワクワクする体験を提供しており、リピーターも順調に増えています。2025年上期には、顕微鏡を使ったミジンコ、細胞の観察、赤キャベツを使った液体の酸性・アルカリ性を調べる実験、野菜からのDNA抽出実験等を行っており、今後も、新たなバイオの世界を拓く科学者を目指す理系人財の育成に注力していきます。
世の中の役に立つくすりをつくる、次の100年へ

当社は2025年3月10日に創業100周年を迎えました。
この節目の年を、創業の志「世の中の役に立つくすりをつくる」を胸に、次の100年へ向けた機会と捉えています。100年の歴史に培われた挑戦の精神を受け継ぎながら、これからも革新的な医薬品の創出を通じて社会課題の解決に貢献していきます。
当社ウェブサイトの「創業100周年サイト」では、CEOご挨拶、中外製薬の歩みや100周年記念プロジェクトを紹介しています。このプロジェクトでは、創業者上野十藏の想いを引き継ぎ、中外グループ社員のこれから実現したい未来への「My Action宣言」を社員のアバターと共に掲載しています。アクセスするたびに「My Action宣言」がランダムに表示されますので、ぜひご覧ください。
当社は、社員一人ひとりが可能性を最大限に発揮し、イノベーションを生み出すことで、世界中の患者さんとそのご家族の幸せのために貢献することをこれからも目指してまいります。
2025年9月30日(火)まで
株主さまアンケートの実施について
株主の皆さまからのご意見・ご要望を今後の株主さまとのコミュニケーション活動の参考とさせていただくため、WEBアンケートを実施いたしますので、ご協力をお願い申しあげます。