中外製薬の歩み
「すべての革新は患者さんのために」この事業哲学を育んだ中外製薬の歴史を紐解きます。
- 1. 創業
- 2. 戦後の再出発
- 3. 大衆薬から医療用医薬品へ
- 4. バイオ技術ヘの挑戦
- 5. ロシュ社とのアライアンス
- 6. 抗体医薬品創製〜連続的な革新的医薬品創出
- 7. 個別化医療の普及促進
世界中の患者さんへの貢献とイノベーションの加速を実現すべく、中外製薬は2002年、世界有数の製薬企業であるロシュ社と戦略的アライアンスをスタート。両社の強みを相互に活用する、独自のビジネスモデルが誕生しました。中外製薬は、ロシュ社の研究開発の成果である製品を導入するほか、グローバル最先端のロシュ社のノウハウやインフラを活用し、貢献価値を広げることができました。アライアンス締結後の中外製薬は、事業や研究所・工場の再編を進め、収益構造を変革しています。
Point1: 社名・代表者の変更なし。上場を維持し、自主独立経営を行う新しいビジネスモデルの成功。
2001年12月、中外製薬は、ロシュ社と戦略的アライアンスを締結します。そして翌年2002年10月に戦略的アライアンスによってロシュ社は中外製薬の発行済株式総数の過半数を保有し、中外製薬はロシュ・グループの一員となりました。しかし一般的な合併によくある社名や代表者の変更はなく、上場を維持し、経営の独立性を保つことが合意されています。これにより、中外製薬は、販売、開発両面でロシュ社とのシナジーを活かすことはもちろん、独自の経営判断で事業を推進することが可能になっています。
Point2: シナジー効果で両者の強みを拡大
ロシュ社は、世界有数の研究開発型企業として、特にバイオ医薬品の分野で世界をリードしています。トップ同士の考えが合致してスタートしたこのアライアンスの最大の特徴は、中外製薬が上場企業として自主経営を行い、ロシュ(スイス)、ジェネンテック(米国)、中外(日本)がロシュ・グループとしてネットワークの形で連携するという、まったく新しいビジネスモデルである点です。締結からの10年で、中外製薬の売上は1.6倍、営業利益は2倍強に成長するなど、大きなシナジー効果を生み出しました。
Point3: がん領域で国内No.1*。ロシュ製品導入が大きく貢献
製品ラインナップにロシュ社の抗がん剤を加えた中外製薬は、2008年以降、国内がん領域で売上トップシェアを維持しています。革新的な医薬品とサービスの提供により、患者さんが希望を持って病に立ち向かえるがん医療を実現させることを目指して活動しています。
*詳細は「中外製薬ってどんな会社?」をご覧下さい。
Point4: 世界トップレベルの抗体エンジニアリング技術や中分子創薬技術を育てる
ロシュ社との提携により、ロシュ社からの導入品の国内での独占販売、自社製品のロシュ社のネットワークを通じてのグローバル展開などが可能になり、収益基盤がさらに安定しました。このことは、研究開発面にも好影響を与えています。具体的には世界トップレベルの抗体エンジニアリング技術、中分子創薬技術などに表れています。