治験が実施されるまでの道のり

実施

治験は、計画書に沿って実施されます。計画書で決められた治験に参加される方の条件に則り、医師が参加される方を選定します。ただし、治験に参加するかどうかは、医師から選定された方ご本人の自由な意思で決めます。

治験に参加される方はどうやって決まるのですか?

治験を実施するために作られる計画書には、参加するための条件も決められています。また、治験に参加するにあたっては、医師から治験を紹介される場合と、自分で治験情報を調べて参加する場合があります。
いずれも、参加できそうな方に医師が治験に関する説明を行い、文書で参加の意思を確認します。医師や医療スタッフから治験の説明を受けた場合、治験に参加するかどうかは自由な意思で決めることができます。つまり、医師から紹介を受けた際にどんな理由でも断ることができます。
文書による同意を確認した後、さらに計画書に基づいて健康状態の検査を行い、その治験に参加する方として適切かどうかを調べます。

なぜ参加される方の条件を設定しているのですか?

治験では、参加される方の保護のために、参加条件を設けています。別の病気を患っている場合や使用している薬がある場合には、「くすりの候補」による副作用のリスクがあるためです。例えば、ある病気にはたいへん効果的であっても、血圧が高くなる副作用のある「くすりの候補」の治験には、高血圧症の患者さんは参加できないなどの条件を設けることがあります。
さらに、「くすりの候補」の安全性・有効性を適切に評価するために設定されている基準もあります。

治験に参加される方の権利や利用できる制度は何がありますか?

治験の参加はメリットだけでなくデメリット(リスク)も伴うため、参加される方には様々な権利・制度があります。

権利や制度の例

  • いつでも、どんな理由でも治験の参加を取りやめられる
  • 治験参加の負担軽減のために費用を受け取れる
  • 治験薬を使用している期間の検査費用などは、製薬企業が負担する
  • 副作用が起こった場合は、製薬企業から補償を受けることができる
    ※補償には一定の条件を満たすことが必要です

治験の実施にかかわる人々の役割

治験実施中、患者さん・医療機関・厚生労働省・製薬企業がどんな役割を担っているのか紹介します。それぞれに役割があり、連携しながら治験を進めています。これらにより、「くすりの候補」の正確な情報が集められます。
中外製薬が考える『患者さんと共に進める医薬品開発』はこちら

患者さん(治験に参加される方)

「同意説明文書」の内容を理解し、スケジュールにそって来院し、検査を受け、正しく「くすりの候補」を使用します。また、体調に変化があった場合は担当医に報告します。

医療機関

計画通りに治験を進め、参加された方の安全性を確認し、「くすりの候補」の有効性・安全性の評価を行います。また治験審査委員会へ治験の実施状況を報告し、継続可否の審査を受けます。

厚生労働省

「くすりの候補」に関する新たな情報や計画の変更について企業から報告を受けた際に、随時確認し、必要に応じて、治験中止、治験の計画書の改訂、検査の追加などの適切な指示を行います。

製薬企業

治験に参加された方の人権と安全性が保護され、治験の計画書およびGCP等のルールを守って治験が実施されていることを継続的に確認します。

医療機関は具体的にどんな業務を行っているのですか?

治験を担当する医師を中心に、治験に参加された方への様々な説明、安全性の確認、くすりの候補の評価などを行っています。また参加された方に副作用などが発生した際には最善の治療を行います。また、医師、看護師、薬剤師等の医療機関のスタッフや、製薬企業と協力して治験がスムーズに進むように支援する役割の治験コーディネーターがいます。

製薬企業は具体的にどんな業務を行っているのですか?

製薬企業の担当者は、治験に参加された方の人権が守られているかや、治験が正しい手順で実施されているか、副作用などが発生していないかなどを確認する目的で、参加された方のカルテを直接確認したり、医療機関の担当者と面会したりします。また、最新の情報を医療機関や厚生労働省に報告する役割も担っています。

治験が実施されるまでの道のり

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