中外製薬の歩み

「すべての革新は患者さんのために」この事業哲学を育んだ中外製薬の歴史を紐解きます。

7. 個別化医療の普及促進 日本の個別化医療を牽引し、社会に高い価値をもたらす

医療の新しい潮流が個別化医療です。これは人によって異なる遺伝子情報などの診断に基づいて、効果が見込める患者さんを選別し、適した治療を提供する方法です。個別化医療は、患者さん、医療財政、社会のすべてに価値をもたらすことが期待されています。

中外製薬は、個別化医療のパイオニアとして、医薬品開発はもちろん、医療関係者向けの情報提供、ガイドライン作成などにも取り組み、個別化医療の普及に力を注いでいます。

Point1: 分子標的治療薬「ハーセプチン®」を発売。個別化医療の先駆けに

[2001年6月]

ロシュ社の乳がん治療薬「ハーセプチン®」は、体内で疾患の原因となる特定の分子の働きを抑制する分子標的治療薬の一つです。この治療薬は乳がんに多く見られるHER2というたんぱく質が過剰に発現しているがん細胞を標的とし、事前の検査でHER2が陽性と判断された患者さんに使用するもので、中外製薬の個別化医療の先駆例となりました。

Point2: FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイルの販売

[2019年6月]

個別化医療進展の背景の一つには、ゲノム医療やデータ解析技術が急速に進み、患者さんの遺伝子状態などを網羅的に検査できるようになったことがあります。その代表例の一つがロシュ・グループのFoundation Medicine社の技術を活用し、がんゲノム医療を通じて個別化医療に取り組む事業です。2019年、次世代シークエンサーを用いた包括的がん関連疾病診断用プログラム「FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル」の販売を開始し、がんの個別化医療へのアクセス向上が期待されています。

Point3: デジタル技術を活用し、個別化医療をさらに進展

[2020年3月]

中外製薬は薬学、生化学、バイオなどの研究開発力に、AI、RWD(Real World Data)など、デジタルの活用と高度化を組み合わせることで、創薬プロセスを革新する、また個別化医療をさらに高精度、高品質にしていくことをめざしています。

2020年にはデジタルトランスフォーメーションの実現に向けて、「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」を発表。デジタル基盤の強化、すべてのバリューチェーンの効率化、デジタルを活用した革新的な新薬創出の三つの基本戦略を提唱しました。

国やアカデミアとも緊密に連携しながら、Flatiron Health社を含むロシュ・グループと協働し、がんゲノム情報を含むリアルワールドデータ(RWD)の収集や規制対応に向けた網羅的なデータベース構築にも貢献していきます。

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