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2022年02月25日

VabysmoおよびSusvimoの2年時点における新たなデータより、視力障害の主な原因である2つの疾患において、より少ない治療頻度で視力を維持する可能性が強められた

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社が2月11日(バーゼル発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることにご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2022-02-11.htmをご覧ください。
  • 糖尿病黄斑浮腫を対象としたYOSEMITE試験およびRHINE試験のVabysmo投与群において、1年時点で50%、2年時点で60%以上が4カ月間隔の治療間隔延長を達成
  • 両試験において、Vabysmo投与群の約80%が3カ月間隔の治療間隔延長を達成

 ロシュ社は2月11日、2月12日開催のAngiogenesis, Exudation and Degeneration 2022において、Vabysmo™(海外製品名。一般名:ファリシマブ)およびSusvimo™(Port Delivery System with ranibizumab)*の第III相臨床試験について、2年時点における新たなデータを発表しました。Vabysmoの糖尿病黄斑浮腫(DME)を対象としたYOSEMITE試験およびRHINE試験、ならびにSusvimoの滲出型もしくは新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)を対象としたArchway試験におけるこれらの長期の成績により、従来の注射による標準療法で認められた視力向上を達成、維持しながら、両疾患の患者さんに治療間隔の延長とより少ない回数での眼内注射の可能性を高めることが示唆されました。

*Susvimoの日本国内における臨床試験は現在準備中です(2022年2月現在)

 YOSEMITE試験およびRHINE試験において、Vabysmoの治療間隔延長が可能であった患者さんの60%以上が2年時点で4カ月間隔の投与が可能であり、1年時点でのデータに対して10%ポイント以上増加しました。視力改善においてはアフリベルセプトの2カ月間隔投与群に対して非劣性を維持することができました。また、Vabysmoの治療間隔延長が可能であった患者さんの80%近くが、3カ月以上の治療間隔が可能でした。いずれの試験においても、Vabysmoの忍容性は概ね良好であり、適正なベネフィット・リスクプロファイルが得られました。安全性については、引き続き製造販売後に綿密なモニタリングを行う予定です。

 Vabysmo (ファリシマブ)​は、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)により承認された眼科領域初のバイスペシフィック抗体であり、初年度は導入期に月1回間隔で4回投与後、患者さんの解剖学的所見および視力アウトカムの評価に基づき1~4カ月間隔で投与することが認められた唯一の眼内注射剤です1。Vabysmoは、アンジオポエチン-2(Ang-2)と血管内皮増殖因子-A(VEGF-A)を中和することにより、視力低下の恐れのある多くの網膜疾患に関与する2つの疾患経路を阻害するよう設計されています。Ang-2とVEGF-Aは、漏出しやすい血管の新たな形成や、炎症の亢進を引き起こす原因として示唆されている血管の不安定化による視力の低下に関与していると考えられています。両経路を阻害することにより、VEGF-A単独の阻害よりも血管を安定化させ、血管漏出および炎症を抑制し、相互補完的な効果をもたらす可能性があることが非臨床試験で示されており、さらなる研究が継続されています2

Vabysmo:YOSEMITE試験およびRHINE試験における2年時点の結果

 YOSEMITE試験およびRHINE試験は、DMEの患者さんを対象にVabysmoの2カ月間隔投与群もしくは治療間隔延長による最長4カ月間隔投与群、またはアフリベルセプトの2カ月間隔投与群としました。2年時点の結果では、Vabysmo投与群は1年時点で達成した視力の改善を維持し、アフリベルセプト投与群に対し引き続き視力改善の非劣性が示されました。YOSEMITE試験では、2年時点におけるベースラインからの平均視力改善効果は、Vabysmoの治療間隔延長群および2カ月間隔投与群ともに+10.7文字、アフリベルセプト投与群では+11.4文字でした。RHINE試験では、2年時点におけるベースラインからの平均視力改善効果は、Vabysmo治療間隔延長群および2カ月間隔投与群でそれぞれ+10.1文字および+10.9文字、アフリベルセプト投与群で+9.4文字でした。

 重要な点として、2年時点においてYOSEMITE試験におけるVabysmoの治療間隔延長群の60% (n=162/270)、RHINE試験では64.5% (n=185/287)の患者さんが4カ月間隔投与を達成しました。これは1年時点の結果、すなわちYOSEMITE試験におけるVabysmoの4カ月間隔投与を達成した患者さんの割合52.8% (n=151/286)、RHINE試験の51% (n=157/308)を上回りました。さらに、YOSEMITE試験におけるVabysmoの治療間隔延長群の18.1% (n=49/270)、RHINE試験の13.6% (n=39/287)が3カ月間隔投与を達成しました。これらをあわせると、2年目終了時点でVabysmoの治療間隔延長群の約80%の患者さんが3カ月以上の治療間隔が可能でした。試験群を通じて、Vabysmoは一貫して2段階以上のEarly Treatment Diabetic Retinopathy Study - Diabetic Retinopathy Severity Score (ETDRS-DRSS)による糖尿病網膜症の改善が認められました。2年時点では、YOSEMITE試験におけるVabysmoの治療間隔延長投与群の42.8%、RHINE試験の44.3%がベースラインから2段階以上、糖尿病網膜症の改善を達成しました。また、Vabysmoの2カ月間隔投与群において、YOSEMITE試験およびRHINE試験でそれぞれ51.4%および53.5%が、ベースラインから2段階以上、糖尿病網膜症の改善を達成しました。両試験において、アフリベルセプトの2カ月間隔投与群に対し、Vabysmoの最長4カ月間隔投与群における中心領域網膜厚(CST)のより大きな減少が引き続き確認されました。安全性の結果は、試験群間で一貫していました。

 YOSEMITE試験およびRHINE試験、ならびにnAMDを対象としたTENAYA試験およびLUCERNE試験におけるVabysmoの1年時点の結果が最近The Lancetに掲載されています2,3

YOSEMITE試験およびRHINE試験について3

 YOSEMITE(NCT03622580)試験およびRHINE(NCT03622593)試験は同一デザインの無作為化多施設二重遮蔽第III相グローバル臨床試験です。糖尿病黄斑浮腫患者1,891名(YOSEMITE試験は940例、RHINE試験は951例)を対象とし、Vabysmo(ファリシマブ)の有効性と安全性をアフリベルセプトと比較し評価しました。両試験では、ファリシマブ 6.0 mg月1回を4回投与後、最長4カ月間隔で投与する治療間隔延長群、ファリシマブ 6.0 mg月1回を6回投与後、2カ月間隔で投与する群、アフリベルセプトの月1回を5回投与後、2カ月間隔で投与する群の3群が設定されました。治療間隔延長群を含む投与スケジュールは、CSTと視力により、決定されました。3つの群全てにおいて、治験責任医師や参加者の遮蔽化を維持するために、薬剤が投与されない来院日にはシャム投与(訳注:硝子体内投与の代わりに、針のないシリンジを局所麻酔下で眼球にあてる措置)がなされました。

 本試験の主要評価項目は、48週、52週、56週の平均における1年時点のベースラインからの最高矯正視力(BCVA、メガネ等で矯正した場合を含め、視力表の文字を読む際に達成可能な最高の状態における視力)スコアの平均変化量です。副次評価項目は、安全性、投与間隔延長群の52週時点における1、2、3または4カ月間隔のVabysmoの投与割合、52週時点における糖尿病網膜症の重症度がベースラインから2段階以上の改善した参加者の割合、BCVAでベースラインから15文字以上の視力改善が認められた参加者の割合の経時変化、BCVAでベースラインから15文字以上の視力低下が避けられた参加者の割合の経時変化、CSTのベースラインからの経時変化、及び網膜内液が消失した参加者の割合が含まれます。

【参考情報】

ファリシマブ、視力障害の主な原因である2つの疾患において、視力を改善・維持し、治療間隔を最大4カ月まで延長した試験成績がThe Lancetに掲載(2022年2月2日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20220202113000_1187.html

ファリシマブの新たな第III相臨床試験により、 視力障害の主な原因である2つの疾患において、初めて治療間隔を最大4カ月まで延長し、治療負担軽減の可能性がある眼内注射剤であることが示される(2021年2月16日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210216170000_1080.html

ファリシマブが新生血管を伴う加齢黄斑変性を対象とした2つの第III相グローバル臨床試験で主要評価項目を達成し、投与間隔を最長16週まで延長できる可能性を示す(2021年1月25日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210125153001_1066.html

ファリシマブが失明の主な原因のひとつである糖尿病黄斑浮腫に対する 2つの第III相グローバル臨床試験で主要評価項目を達成し、 良好な持続性を示す(2020年12月21日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20201221153000_1054.html

【出典】

  1. FDA. Highlights of prescribing information, Vabysmo. 2021. [Internet; cited January 2022] Available from: https://www.gene.com/download/pdf/vabysmo_prescribing.pdf.
  2. Heier JS, et al.  Efficacy, durability, and safety of intravitreal faricimab up to every 16 weeks for neovascular age-related macular degeneration (TENAYA and LUCERNE): two randomised, double-masked, phase 3, non-inferiority trials. Lancet. 2022 Jan.
  3. Wykoff CC, et al. FDA. Highlights of prescribing information, Lucentis. 2006. Efficacy, durability, and safety of intravitreal faricimab with extended dosing up to every 16 weeks in patients with diabetic macular oedema (YOSEMITE and RHINE): two randomised, double-masked, phase 3 trials. Lancet. 2022 Jan.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
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