笑って学んで健康に 大阪府と中外製薬が紡いだ大阪・関西万博「ラフ&ヘルス」

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清田正彰さん(大阪府健康医療部次長)、冨田将行さん(大阪府健康医療部 健康推進室健康づくり課参事)、跡部裕輔さん(中外製薬カスタマーソリューション部)

2025年8月31日、過去最多の来場者数を記録した前日の熱気をそのままに、大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」屋外イベント会場リボーンステージで「ラフ&ヘルス」イベントが開催されました。大阪府と中外製薬が、官民の壁を超えた協業で実現したこのイベントは、笑いと健康を融合させた新しい形の健康啓発として約8000人の来場者を魅了しました。今回は、本イベントをリードした大阪府健康医療部 清田正彰さん(大阪府健康医療部次長)、冨田将行さん(大阪府健康医療部 健康推進室健康づくり課参事)と跡部裕輔(中外製薬カスタマーソリューション部)にお話を伺いました。

 

笑いと健康の祭典「ラフ&ヘルス」

 

「健康づくりは堅苦しくなく、楽しく続けられるものであってほしい」—この想いから生まれた「ラフ&ヘルス」イベントは、万博ならではのエンターテインメント性と健康啓発を融合させました。

イベントの様子

大阪府健康医療部で「ラフ&ヘルス」プロジェクトを統括した清田さんは「健康づくりには日頃の取り組みが重要ですが、若い世代の方々や健康に関心のない方々にも興味を持ってもらうため、万博での共催イベントを通じて健康づくりのきっかけを提供したいと考えました」と「ラフ&ヘルス」の着想のきっかけを語ります。

「大阪は『お笑い』の聖地。笑いの文化と『いのちと健康』という万博のテーマが自然に調和し、府民だけでなく、来場者にとても親しみやすい形で健康啓発ができました」とプロジェクトの実務をリードした冨田さんは大阪・関西万博という舞台を活かした背景を語ります。

会場となった大阪ヘルスケアパビリオンのリボーンステージは、バラエティ豊かな出演者で彩られました。お笑い芸人「藤崎マーケット」のライブと医学博士・早稲田大学客員教授の宮田敏男先生とのトークショーでは、来場者は笑いながら健康について学ぶ機会を得ました。「楽しみながら、自然に健康を意識することができる場を提供したかった」と清田さんは語ります。

お笑い芸人「藤崎マーケット」のライブ

続いて開催されたタレントの松丸亮吾さんによる謎解きイベント「バイオレンジャーミッション」では、環境問題をテーマにした松丸さんならではの謎解きチャレンジを通じて、観客席にいる子供たちを巻き込みながら環境問題を一緒に考えました。積極的に手を挙げ、謎解きに挑む子供たちの生き生きとした眼差しが印象的でした。

松丸亮吾さんによる謎解きイベント「バイオレンジャーミッション」

夕方からの「ラフ&ヘルススペシャルナイト」では大阪を中心に世界で活躍するバイオリニストSHOGOさんによる力強いパフォーマンスとともに始まりました。観客から大きな手拍子と喝采を浴び、会場全体が一つに。

バイオリニストSHOGOさん

続く四條畷学園高等学校マーチングバンド部の演奏では、一糸乱れぬ圧巻のパフォーマンスと演奏で会場を魅了しました。高校生たちの若さあふれる情熱的な姿に多くの観客が感動し、目頭を熱くする姿も見られました。

その後、両者によるコラボ演奏に続き、特別バージョンとして演奏された健活10ソングでは、ステージと通路まであふれた観客が「健活10ダンス」で一体に。音楽にあわせて体を動かし、健康づくりにつなげたいという、大阪府健康医療部の思いの詰まった素晴らしいステージでした。

四條畷学園高等学校マーチングバンド部の演奏
四條畷学園高等学校マーチングバンド部の演奏
四條畷学園高等学校マーチングバンド部の演奏

イベントのエンディングを飾ったのはMPLUSPLUSによるダンスパフォーマンス。光り輝く電飾を身にまとったダンサーたちのステージが幻想的な雰囲気を創り出していました。

MPLUSPLUSによるダンスパフォーマンス

跡部は「健康や医療というと固いイメージがありますが、笑いを通じて親しみやすく伝えることで、より多くの方に健康の大切さを感じていただけたと思います。中外製薬としても、万博を通じてヘルスケアに貢献できることを示せたのは大きな意義がありました」と語ります。

 

医療現場にも広がった「健活10ソング&ダンス」

 

開会式のパフォーマンスを皮切りに、イベントの節目で展開された「健活10ソング&ダンス」は、「大阪府民のみなさんがもっと健康になって、ずっと健康でいられますように」というメッセージを込め、大阪府健康医療部が考案した楽曲とダンスです。これを、一般の皆さまだけでなく、医療と健康を支える医師や看護師の皆さんにも展開して一緒に盛り上げていこうと、医療関係者が健活10ダンスを踊る動画投稿プロジェクトを中外製薬が提案しました。募集をかけたところ、27の医療施設が参加。

健活10ソング&ダンス

医療関係者の方々が笑顔で踊るダンス動画もリボーンステージで上映され、多くの観客が楽しみました。

医療関係者の方々が笑顔で踊るダンス動画

「この取り組みが健活10の盛り上げだけでなく、医療機関内のチームビルディングやコミュニケーション活性化にもつながったこという反響を頂いたことは、予想外の嬉しい効果でした」と跡部は語ります。

 

官民の壁を越えて

 

「ラフ&ヘルス」イベントの成功の裏には、大阪府と中外製薬が垣根を越えて協力し合った官民の共創があります。異なるスキルや経験を持つメンバーが、それぞれの強みを活かして「ラフ&ヘルス」に取り組みました。

イベントをリードした方々

大阪府健康医療部の冨田さんは「中外製薬さんと連携できたことで、行政だけでは実現できなかったアイデアやアプローチが可能となり、イベントの幅が大きく拡がりました」と語ります。 「従来の製薬会社のイメージを超え、エンターテインメントと健康啓発を融合させた取り組みで、『中外製薬ってこんな面白いこともするんだ!』と新鮮な驚きをもっていただけた」跡部も手応えを語ります。

 

万博を超えて広がる共創の輪

 

大阪・関西 万博という大きな舞台で開催された、「ラフ&ヘルス」イベント。大阪府の二人と跡部はこれを一過性のものとは考えていません。清田さんは「大阪・関西万博のテーマが『いのちと健康』ということもあり、この盛り上がった機運をレガシーとして残していきたい。健康づくりはすぐに結果が出るものではないので、今後も継続的な取り組みが必要です」と強調します。 中外製薬としても、この経験を活かして全国の自治体との連携を広げていく考えです。跡部は「この大阪府との共創を契機に、全国の自治体との連携にもつなげていきたい。単なるイベントの運営ではなく、行政の皆様とWIN-WINになれるようなソリューションをともに生み出し、日本全国に広げていくことが我々のミッションです」と今後の展望を語ります。 大阪・関西万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマに沿った「ラフ&ヘルス」イベントは、健康と笑いを通じて人々をつなぎ、官民連携の新たな可能性を示しました。この取り組みが、中外製薬と多様なステークホルダーとの共創を生み出す原動力となることが期待されます。

清田正彰

大阪府健康医療部次長

1994年 大阪府入庁

平成30(2018)年 健康医療部保健医療室健康づくり課長

2019年 同部健康医療総務課長

2021年 同部健康推進室長

2023年 同部次長

健康づくり課長時代に、健活10の取組みスタート。また、中外製薬との連携による冊子の制作や啓発イベントの開催などを推進。健康医療総務課長時代には、新型コロナウイルス感染症が発生し、対応に奔走する。現在は、部次長として、健康づくりのほか、健康医療行政全般の推進に携わる。

清田正彰さん

冨田将行

大阪府健康医療部 健康推進室健康づくり課参事

2008年 大阪府入庁

2024年 健康医療部健康推進室健康づくり課参事

金融機関勤務を経て、大阪府入庁。入庁後は、府の人事施策や成長戦略を担当する部署等に所属。現在は、健活プロモーション担当として、万博を契機とした健康づくりの啓発等を担当している。

冨田将行さん

跡部裕輔

中外製薬 カスタマーソリューション部

2012年MR職にて入社。同年より大阪府北河内医療圏の医療機関を担当。2017年からは埼玉県比企医療圏担当、2020年からは北関東エリアの神経領域専門MRを経験。

2023年よりカスタマーソリューション部に異動し、現在は自治体連携、一般の方向けの疾患啓発活動等を担当している。

跡部裕輔さん

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