医薬品の研究・開発から製造、販売までのライフサイクル全般において、その信頼性を確保する重要な役割を担う信頼性保証ユニット。クオリティの追求を通じて、グローバル品質基準に則った高品質な医薬品の提供を支えてきた。品質保証の最前線で活躍する若手社員3人の視点から、信頼性保証業務の本質と魅力に迫る。
※中外製薬公式talentbook(https://www.talent-book.jp/chugai-pharm)より転載。記載内容・所属は2024年12月時点のものです
医薬品の信頼性を守る“最後の砦”。4つのクオリティで品質を支える
医薬品の品質と安全性の確保を担う信頼性保証ユニット。医薬品の研究・開発から製造、販売までのライフサイクル全般において、レギュラトリーサイエンスに基づくクオリティマネジメントを実践し、信頼性確保に貢献している。
常盤 信頼性保証ユニットは、医薬品の信頼性向上をめざし、「製品のクオリティ」「情報のクオリティ」「プロセスのクオリティ」「人財のクオリティ」の4つのクオリティを追求する組織です。信頼性保証企画部・品質保証部・薬制管理部・クオリティ推進部・医薬情報保証部の5部門で構成されています。
私が所属するクオリティ推進部では、監査、逸脱管理、プロセス評価・改善などの活動を通じて、NCP、GLP、GCP、PV/GVPといった法規制領域をカバーしながら、クオリティマネジメントを強化し品質向上をリードしています。
また、クオリティ推進部の中でも私が所属するグローバルQA戦略推進グループは、臨床領域(GCP領域)および安全性領域(GVP/GPSP領域)における監査や、医薬品を世に出す際に受ける当局の適合性調査対応(申請審査対応)などを主な業務としています。
桑原 私が所属する品質保証部は、国内外の製造・販売に関する規制を遵守し、治験薬から市販製品まで、一貫して品質の維持・向上に取り組むことで品質の高い製品を患者さんに届ける活動をしています。
とくに、顧客コミュニケーショングループでは、「医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令(GQP)」に基づいて、医薬品の品質情報に関する医療機関からのさまざまな問い合わせに対応し、原因調査や顧客への回答作成などを行っています。
中外製薬が掲げる「患者中心」のコアバリューのもと、こうした問い合わせを改善のきっかけとし、営業・生産・研究部門の皆さんと連携し、より信頼性の高い製品を提供することが、私たちのミッションです。
庄子 私が所属する薬制管理部は、薬事規制に基づき、全社のレギュラトリーインテリジェンス活動を統括するほか、製造販売後の薬事対応や、医薬品・医療機器・再生医療等の品質管理における適切性の管理と薬機法に基づく業許可などの管理・維持を主導しています。
このうち私が在籍するレギュラトリーガバナンスグループの主な役割は、中外製薬が事業を行うための許可(業許可)の維持管理です。業許可は一度取得すれば終わりではなく、5~6年ごとに更新を行う必要があります。その際に規制当局による査察を受け、許可を保有する企業に要求される責務を果たしているか確認されます。そのため業許可取得後も、必要な届出の対応や当局とのやり取り、手順書などの文書管理などを行っています。
また、患者さんに品質・有効性・安全性が確保された製品をお届けすることが私たちの使命ですが、懸念が発生した場合には、全社の関係部署をとりまとめる業務も担っています。
品質保証の最前線で挑む3つの使命。それぞれの視点、それぞれのやりがい

グローバルな品質保証体制を築き、一貫した品質管理を実現するには、厳格なプロセスやルールが欠かせない。一方で、現場や社外の連携先に配慮する柔軟性も求められると常盤は言う。
常盤 オペレーション側からの問い合わせに対して、「規制上できません」と突き放してしまうと、現場の仕事がしづらくなってしまいます。決まりごとがある中で、全体最適な対応策を考えることが、私たちの役割のひとつです。
また最近、海外の製薬企業から導入した製品に関わる臨床試験の信頼性を確認するために、ライセンスパートナーやその委託先企業と連携して、当局からの適合性調査に対応したときのことが印象に残っています。
毎週のように会議を開催し、言語や文化の違いに直面しながらも、日本の規制について説明したり対応策を提示したりと、粘り強く調整を重ねた結果、無事に乗り越えることができました。
チャレンジングな経験でしたが、自己成長を実感するとともに、大きなやりがいを感じた出来事でした。
品質保証に携わる中で、慎重な対応を迫られる場面も多いと話す桑原。だからこそ、チーム一丸となって課題を解決したときの達成感は格別だ。
桑原 品質保証はひとりで完結できる業務ではなく、常に複数の関係者との連携が欠かせません。品質情報に関する調査では他社を含む製造所とのやり取りが必要ですし、医療機関からの問い合わせに対応するMRとの連携も重要です。
こちらの要求を一方的に押し付けるのではなく、全員が同じ方向を向いて前に進むためのコミュニケーションが重要になります。そして、誠実な対応を続けた結果、医療機関の方から「スピーディーな対応で助かりました」「やはり中外製薬さんは頼りになる」といった声をいただけると、大きな励みになります。
一方、薬事規制対応を担う庄子。法令遵守というと、「守り」の仕事と思われがちだが、規制をどう守るか積極的に提案していく立場でもあると話す。
庄子 新たな規制や法令の改正があれば、会社として対応するための新しいルールを整備する必要があります。それぞれの部門がそれぞれ異なるやり方や考えを持っているため、全員が受け入れやすい対応策を見つけ出すのは簡単ではありません。こうして新しいものを取り込み、いかに会社の体制を構築していくかを考えることは、私にとって非常に難しくも楽しい作業です。
たとえば、いま私が取り組んでいるのが、当社としてはじめての遺伝子治療製品を扱うための、生物多様性を守る法規制への対応整備です。社内では前例のない新たな挑戦ですが、患者さんがより安心して製品を使えるための仕組みづくりに貢献できていることに、やりがいを感じています。
それぞれ異なる領域で活躍する3人。仕事への原動力も三者三様だ。
常盤 そもそも私が信頼性保証ユニットに興味を持ったのは、幅広い部門の方々と関わり、製品ライフサイクルに関する多面的な知識を身につけられると思ったからです。多くの人と同じ目標を共有し、それを達成した喜びを分かち合えることがモチベーションになっています。
桑原 ルールを守るためのより良い運用方法を考えることも私たちの重要な役割です。そうした活動を通し、患者さんにより高い品質の製品を届けていくことが、目標でありモチベーションとなっています。
庄子 規制対応は成果が目に見えにくい分野ですが、ルールを見直した結果、「やりやすくなりました」「この方法が最適でした」といった現場からのフィードバックを得られると、大きな力になります。また、関係部署と一緒に目標をチームで達成したときの喜びも、私にとってのモチベーションになっています。
挑戦を奨励するカルチャーと柔軟な働き方が育む成長

ともに新卒で入社した3人。それぞれの視点で中外製薬で働く魅力を実感してきた。
常盤 当社には、思いやりをもった方が多いと感じます。みんなで協力してやっていこうという姿勢の方が多く、「ちょっといいですか?」と相談すると、快く受け入れて対応してくれるなど、人の良さや働きやすさを実感していますね。
桑原 医薬品だけでなく、デジタル技術の活用への挑戦や医療機器、再生医療等製品の品質保証といったこれまでに中外製薬として実施したことがない業務など、幅広い分野にチャレンジできることはとても魅力的です。前向きな方が多い環境のおかげで、毎日楽しく働けています。
庄子 以前、デジタル技術を用いた効率化策を提案して受け入れられ、実装まで進められたことがありました。私たちのような若手でも意見を言いやすく、新しいことに挑戦しやすい風土が根づいている点に魅力を感じています。
新卒向けの充実した研修制度がありますし、キャリア入社の方もメンター制度を活用して早い段階で職場に適応している印象です。新卒・キャリア入社を問わず、それぞれが持ち味を発揮して活躍できる環境があると思います。
柔軟な働き方ができる点も、3人が共通して挙げる同社の魅力のひとつだ。
常盤 在宅勤務がメインで、原則週1回以上出社しています。オンラインで済むことはオンラインで、対面で話した方が効率的な場合には出社するなど、ハイブリッドな働き方を実現できています。
桑原 週2~3回出社するペースで、出社とオンラインをハイブリッドで組み合わせながら働いています。柔軟な働き方を実現できる環境だと感じます。
庄子 私も同感です。みんなでアイデアを出し合う場合は対面、集中して作業する場合は在宅勤務のように使い分けて働けるようになっていると思います。働き方の柔軟性は非常に高いと感じます。
ルールを進化させ、クオリティを追求。患者さんに高品質な製品を提供し続けるために

常盤 さまざまな部門と関わる機会が多いため、コミュニケーション能力、とくに部門を横断して周囲を巻き込む力が求められます。また、チャレンジ精神も重要です。自ら改善点を探して提案したり、積極的に手を挙げて仕事に取り組んだりと、主体性がある方を歓迎します。
庄子 規制で求められていることの本質を理解し、変革していける方に向いている職場です。また、私たちは、社内のさまざまな部門の方に説明し、ルールが遵守されるような体制をつくる立場ですが、ただ「ルールだから」と伝えるだけでは受け入れられにくいものです。多様な立場の方々の意見に耳を傾け、理解したうえで、自分の言葉で発信できる方が活躍できると思います。
桑原 品質を担保するには、社内の各部門の協力が欠かせません。コミュニケーション能力に加えて、「この人が言うなら」と思わせるような人望も求められます。相手の状況を理解し、同じゴールに向かって協力できる方に来ていただきたいです。
そして3人もまた、新たな目標に向けて挑み続けるつもりだ。
常盤 将来的には海外赴任を経験し、海外での監査活動やQA業務などにも携わりたいと思っています。規制も考え方も異なる環境に適応できる力を付けたいです。
また、入社時から思い入れのある言葉のひとつに、「クオリティカルチャー」があります。これは、優れた製品が生まれる土壌として品質を最優先とする考え方のことです。これを社内外、さらには業界を超えて広く浸透させていけたらと思っています。
桑原 いま私は品質保証業務の中の一部の品質情報を主に担当しています。今後さまざまな業務経験を積み、将来的には製品のライフサイクルにおいて品質保証の実現に貢献できるような一人前の品質保証担当者になれるようにレベルアップしていきたいです。
また、私自身もクオリティカルチャーに関心があります。業界の規制が厳しさを増す中で行き着いた考えであり、まだ正解がありません。中外製薬としてどのように打ち出して浸透させていくべきかを考えていきたいです。
庄子 規制解釈などの面で頼られる存在になることが目標です。そのためには、扱える情報の幅を広げ、多種多様な経験を積む必要があると思っています。まだ対応したことのない業務にも挑戦し、自分の守備範囲を広げていきたいです。
クオリティカルチャーについては、以前、信頼性保証ユニットの啓発タスクに参加していた際、他部署ではクオリティをさまざまな視点で捉えていることに気づきました。クオリティについて考える機会を増やし、私もその普及に貢献できればと思っています。