世界情勢の急激な変化や自然災害の発生など、ビジネスを取り巻く環境はさまざまな脅威にさらされている。そうした外部のリスクから会社を守り、事業の成長を支えているのが中外製薬のリスク・コンプライアンス部だ。多様な経歴を活かしてリスク管理の最前線で活躍する2人が、仕事への想いを語る。
※中外製薬公式talentbook(https://www.talent-book.jp/chugai-pharm)より転載。記載内容・所属は2025年5月時点のものです
外部のリスクから会社を守り、各部門の挑戦に伴走する
全社的なリスクを管理し、コンプライアス推進の実効性と効率性の向上を図るリスク・コンプライアンス部。リスク管理、コーポレートコンプライアンス推進、情報管理、調査等、様々な役割を担う。
廣田 世界のトップイノベーターとしてのリスク管理・コンプライアンス意識を醸成し、イノベーションの創出や持続的な発展、その源泉となる社員一人ひとりの成長に貢献する──それが、リスク・コンプライアンス部のパーパスです。
私たちが所属する組織では、全社的にリスクを管理するERM(※)の体制構築をはじめ、企業を経営する上で生じるさまざまなリスクへの対応に取り組んでいます。
その中で私は、全社的なリスクを管理するERMをはじめ、サードパーティや海外子会社におけるリスク管理など、幅広い業務を担当しています。
※ ERM:Enterprise Risk Management(全社的リスクマネジメント)
中山 私は主に、地政学・経済安全保障リスクへの対応を行っています。国際紛争といった有事に対しての備えや、経済安全保障をめぐる規制強化への対策など、外部環境の変化に会社としてどう対応するべきかを検討するのが私の業務です。
自組織の役割について、廣田と中山は以下のように語る。
廣田 中外製薬に入社して実感したのは、製薬業界ならではの厳しい規制に対する遵守が細部まで徹底されているということです。一方で、製薬業界に限らない外部環境の変化に対するリスク管理については、まだ強化できる余地があると感じています。
私がキャリア入社したのも、そうした点において貢献したいという想いからでした。中外製薬の経営基盤をさらに強固なものにするためにも、製薬業界とは異なる視点と経験を活かし、積極的に新たな提案を行っています。
中山 廣田の指摘にも関連しますが、外部環境のリスクを「自分ごと」として捉えてもらえるようにすることが重要です。たとえば、「経済安全保障リスクに注意が必要」と伝えても、おそらく当事者として実感が湧かないと思います。
そこで、「原材料や製品の供給途絶リスクを防ぐため、サプライチェーンを可視化して対策を検討する必要がある」というように、各部門に合わせた言葉に翻訳して伝えることを意識しています。
事業のアクセルやブレーキを踏むのは、私たちではなく現場の社員です。現場の社員全員が安全に走行できるよう、標識を見やすくしたり、道路を整理したり、時にはガードレールとなって会社の損失を最小化したりすることが、私たちの役割だと言えます。
異なる業界で培った専門性を活かす。多様なバックグラウンドによって生まれるシナジー

中外製薬に入社する以前、廣田と中山は幅広い経験を積んできた。
廣田 1社目の政府機関では、通商や経済安全保障、関税、国際政治経済などに関する情報を収集・分析し、日本企業の海外進出を支援していました。その後、自動車業界に身を置き、国際渉外に従事した後、コンサルティング企業にてERMや経済安全保障に関するプロジェクトを経験、そして中外製薬にキャリア入社して今に至ります。
中山 私は大手総合化学メーカーの法務部で経験を積みました。契約審査や紛争対応などの法務業務などを学び、安全保障貿易管理も担当するようになりました。
安全保障貿易管理は、日本企業の製品や技術が軍事転用されないよう輸出を管理するための取り組みです。その全社統括を行うとともに、経済安全保障に関するリスク対応業務にも従事しました。そしてコンプライアンス教育や全社的なリスク管理活動を推進する部署に異動し、2年ほど経験を積んだ後に中外製薬へ転職しました。
新たなフィールドとして中外製薬を選んだ理由は、ともに成長産業への関心だった。
廣田 中外製薬は成長し続けており、医薬品という社会に必要不可欠な製品を開発している点に魅力を感じました。中外製薬は、コアバリューの最上段に「患者中心」を掲げている会社です。実際に入社してみて、外部環境の変化に立ち向かいながら、患者さんに製品を届けるという強い使命感を持ってみんなが働いていると感じています。
また、当社では創薬へのAI活用も推進しているため、リスクや機会を考慮しながら新しい技術やビジネスをどう発展させるかを検討できることも、中外製薬ならではの醍醐味だと感じています。
中山 私が当社を選んだ理由は、以前からライフサイエンスやヘルスケア領域に強い関心があったからです。ライフサイエンスやヘルスケアは、各国が重点をおく産業分野であり、成長産業である点が魅力です。業界特有の規制があるためイノベーションが難しい側面もありますが、だからこそ「規制の中でどう事業を成長させていくか」に知恵を絞り、戦略を練るやりがいがあると感じています。
多種多様なメンバーが所属していると、2人は続ける。
廣田 経済安全保障や海外安全管理の経験者のほか、当部では弁護士資格を持つキャリア入社者も活躍しています。他業界からの転職者も働いており、幅広いバックグラウンドを持つメンバーが、互いの強みを活かしてシナジーを発揮しています。
中山 最近は社内ローテーションも活発になっており、転職者だけでなく社内の現場経験者が異動してくるケースもあります。現場を知るメンバーとともに働けることも、私にとって新たな刺激となっています。
急成長の中で強化していくリスク管理。キャリア入社ならではの視点で変革を推進

中外製薬がさらなる成長をめざす上で、2人のようなキャリア入社者が果たす役割は重要だ。
廣田 中外製薬ではキャリア採用を積極的に進めており、現在キャリア採用比率が約3割になりました。多様なバックグラウンドを持つ人財が増えることで、さまざまな視点で業務改善につながるアイデアが提案され、新たな取り組みが実行しやすい環境になっていると感じています。
周囲のメンバーも相談や依頼をすると親身に話を聞いてくれます。私たちのような異業種の経験者が新たな視点を持ち込むことにも好意的なので、製薬業界と他業界の知見を融合できる土壌があると感じています。
中山 状況の変化に臨機応変に対応する柔軟性があることも、中外製薬の特徴です。急成長にともない組織が変わる中で、システム化などDXを積極的に推進しています。
この機動力を維持し、中外製薬が100年にわたり築いてきた知見も大切にしながら、全社視点での最適化を図っていきたいですね。成長企業ならではの課題と向き合いつつ、組織の強化に貢献していきたいと思います。
成長戦略「TOP I 2030」で描く通り、世界のトップイノベーターをめざすためにも各部門との連携が欠かせないと2人は言う。
廣田 各部門が抱える課題やビジネスの内容は大きく異なります。そのため全社のリスク管理体制を構築するにあたり、私たちは現場の声を重視しています。まずは丁寧にヒアリングし、現体制のどこに課題があるのか把握することが大切だと考えています。
中山 コンプライアンスやリスク管理を浸透させるには、実際に現場に足を運び、直接対話することが大切と考えています。単に指示を出すだけでは現場を動かすことはできないので、直接会って自分の言葉で話して理解してもらうことを心がけています。
同時に、経営目線を持つことも重視し、経営層への働きかけも行っています。とくに当社の競争力の源泉である技術情報の適切な保護を行うことで、イノベーションの創出に寄与していきたいと考えています。
主体性によって広がるキャリアの可能性。自ら手を挙げ、挑戦の機会を創造していく

ともに異業種から転職した2人。中外製薬で働くやりがいを実感している。
中山 私のやりがいには業務と自己成長の2つの側面があります。業務に関しては、私がやりたい仕事ができていることに加え、自分の提案が採用されて実際にリスク管理に活かされることが魅力です。
自己成長については、成果を適切に評価してもらえることがモチベーションにつながっています。入社前から当社の人事制度には魅力を感じていましたが、実際に自分の業績に対して納得のいく評価とフィードバックが得られています。
今年1月からはジョブポスティング制度や一般社員への職務等級制度の導入など、新たな人事制度が始まりましたが、時代に合わせて柔軟に改善していく姿勢は、当社の特色だと思います。
廣田 私は変革期のただ中にある当社で、様々な業務に携われることがやりがいです。多様なバックグラウンドを持つ仲間たちと切磋琢磨でき、また、若手でも発言しやすく、積極性をもって主体的にチャレンジできる環境に働きがいを感じています。
とくにコーポレート部門は役員との距離が近く、役員と直接意見を交換できるのは貴重な経験です。変革期だからこそさまざまな挑戦の機会があり、新たな取り組みに対して同僚や上司、経営層まで協力してくれるので、会社をもっと良くしたいという意欲が湧いてきます。
2人のように自らキャリアを描ける人財が、成長の過渡期にある中外製薬には求められている。
廣田 当社は新しい人事制度の下、自分で手を挙げてジョブやポジションを獲得していく体制に変わりました。ただ指示を待つのではなく、自分がやりたい仕事や描きたいキャリアのために主体的に行動できる人財が求められています。
またスーパーフレックスタイム制度やテレワーク勤務制度など、柔軟な働き方ができる制度が整っているため、自律的にキャリアを築きたい方には最適な会社だと思います。
中山 私たちの業務は主体性がないと、現場からの質問にただ回答するだけになりかねません。そのため、社内外の環境変化と最新のインテリジェンスに基づく積極的な提言をしたり、質問に対する回答においても付加価値を生み出したりと、能動的に働ける方なら大きく成長できると思います。