石部 竜大 (デジタル戦略推進部 企画グループ)
越境プログラムで、新たな世界を知る
私は現在、生成AI タスクフォースのリーダーを担いつつ、DX 関連の組織風土改革・オー
プンイノベーション改革を担当しています。2023 年にはデジタル人財育成プログラム(「CHUGAI DIGITAL ACADEMY」)のひとつである「越境プログラム」に参加し、1年間のベンチャー企業への”レンタル移籍”を経て再び元の部署に戻ってきました。
プログラムでは、トラベルドクター株式会社という、病気療養中の方の旅行をサポートする会社に移籍しました。旅行業界で 3 名規模の会社という、中外製薬とは全く異なる環境だったからこそ、いかに自身が中外製薬の風土や常識に染まっていたかに気づかされ、また多くの学びが得られたと感じます。実際のプログラムでは、ゼロベースでの業務の企画から業務プロセスの整備、企業のミッションづくりまであらゆることに取り組み、意思決定プロセスの柔軟性や、ミッションに対する無償の強い想いなど、ベンチャー企業ならではの強みを肌で感じました。大企業との違いも感じ、双方のよい部分をハイブリッド形式で今後の業務に取り入れていきたいと考えています。外に出てみて、自身が大切にしたいことを再確認できた
今回のプログラムへの参加は、自分自身を再発見する機会でもありました。
一つは、プログラムを通じて、チームとして何かを成し遂げることの大切さを実感できたのが大きな経験でした。周囲の共感を誘いながらチームとして物事を推進していきたい、という自身の志向に気づくことができたと思います。
会社の存在意義は、社会や患者さんに貢献することにある、と再確認できたことも大きな財産になったと感じます。過去に希少がんのマーケティング業務に携わっていた当時は、特定の患者さんに向き合うことも多かったのですが、デジタル案件に従事するようになってからは業務の性質上どうしても現場との距離が生じてしまっていました。しかし今回、トラベルドクターでは、末期の患者さんとともに過ごす機会もあり、本人や家族を支える病院・医療関係者の裏側を見ることができました。患者さんとの直接的な関わりを通して、患者さんに貢献したい、という想いはより強くなったと思います。これからも、誰も進んだことのない道に挑戦し続けたい
私は、行きたい部署を聞かれたときには「今ない部署」と答えています。知らない世界に飛び込んでこれまでの世界とつなげることで新たな組み合わせが生まれ、イノベーションにつながると考えています。現在の所属であるデジタル戦略推進部に異動したときもそうでしたが、偶然の縁を大事にしながら、誰も行ったことのない、自分にしか歩めない道をこれからも探していきたいと思います。
「TOP I 2030」の高い目標を達成するためには、成長をより加速させるフェーズに入り、新たな領域の探索が求められていると感じています。そしてそれは、私自身の志向と重なる部分でもあります。新しいことを発見し、今あるものとつなげて、新たなものを作り上げることで、「TOP I 2030」の実現に貢献できればよいと考えています。