特集:多種多様な人財の活躍を可能とするダイバーシティマネジメントの推進

ジェンダーに続き、ナショナリティ、シニアへのダイバーシティの推進により、トップ製薬企業像実現につながる人財マネジメントを進めていきます。

中外製薬では、多種多様な人財が生き生きと働き、新しい価値を生み出すための「ダイバーシティマネジメントの推進」を経営の重要課題と位置づけ、まず性別による多様性、ジェンダー・ダイバーシティについて、2010年にワーキングチームを発足し、活動してきました。
2012年1月には、この活動をさらに強化し、幅広い領域で推進するため「ダイバーシティ推進室」を新設し、意識醸成や制度環境の整備を中心とした活動を展開しました。女性自身がキャリアや働き方を考える女性フォーラムが全部門で実施されたほか、多様な経験を持つ社員による講演会やランチ交流会などが開催されました。また、ライフイベントと仕事の両立を支援するため、在宅勤務制度をはじめ、育児や介護で休職中に社内情報をキャッチアップし復職を円滑にするためのPC貸与、男性の育児休職取得促進のための育児休職一部有給化などを導入しました。そのほかにも、さまざまな社員が活躍していくための職場風土づくりを目的とし、ダイバーシティ全般の考え方の理解を深めるe-ラーニングや、多種多様なメンバーをマネジメントするためのマネジャー研修を実施するなど、制度面以外についても充実を図りました。
今後は、ジェンダーのほか、ナショナリティ、シニアについても活動を進め、多様な価値観を持っている外国人社員や、豊富な経験を活かせるシニア世代の社員の活躍を推進していきます。

ダイバーシティ推進ロードマップ

ジェンダー・ダイバーシティは、部門の推進メンバーが中心となって活動しているため、各部門の課題や状況を踏まえた、柔軟で機動力のある取り組みとなっており、従業員のダイバーシティへの関心も着実に高まってきたと感じています。さらにダイバーシティ推進を根づかせるためには、全従業員の一層の参画を促す必要も感じています。考え方や働くうえでの制約が異なるさまざまな人がともに活動することで、調整や意思決定に時間がかかることもあるとは思います。しかし、他部署における課題解決へのアイデアを知り刺激を受けることにより、組織として成長できるプラスの機会にもなると考えます。今後は、さらに広い視点でダイバーシティをとらえ、自律的で生産性の高い人財・組織がイノベーションを起こし、会社としての成果につなげられるよう、意識啓発にとどまらず、多様な人財の活躍を推進する活動に努めていきます。

人事部 ダイバーシティ推進室 室長 野原 聖子

2012年の主な活動紹介

「女性フォーラム」の全部門実施と「ランチ交流会」も開催。

女性社員がキャリアや働き方を考える場としてさまざまな部門で開催してきた女性フォーラムは、2012年6月までに全部門で実施されました。参加者からは、「自分の働き方を考えるよい機会になった」「悩みを抱えている人たちと意見交換できて参考になった」といった意見が聞かれ、意識・風土改革に向けた取り組みへの第一歩となりました。
また、女性フォーラムは、部門や事業所において分科会活動やランチ交流会などさまざまな形態の活動に発展しました。男性社員の参画も増えたことで、より多くの気づきが得られる機会となりました。

海外グループ社員との交流 「ダイバーシティ座談会」の開催。

2012年7月に、ナショナリティ・ダイバーシティ推進のスタートとして、「ダイバーシティ座談会」を開催しました。中外製薬グループで実施した海外販売会社との人財交流プログラムの機会を活用して、イギリス、ドイツ、フランス、中国、日本から12名の社員が参加しました。各国の文化とダイバーシティに関する取り組みの共有とディスカッションが行われ、異文化交流におけるコミュニケーションや信頼関係の重要性を改めて感じられた有意義な場となりました。

ダイバーシティを推進するための不可欠な要素は「お互いの信頼と尊敬」

「ダイバーシティ座談会」に参加できたことを大変光栄に思っています。オープンディスカッションでは、異文化経営への取り組み方を検討し、ダイバーシティを理解するには、歴史的背景、国籍、文化や性別の違いを熟慮しなければならないという結論に至りました。「違い」を表面的ではなく、深く探り、単なる「理解」ではなく、より積極的に取り組むことが必要だということ。実際には共通点を探し、理解し、異なる見解や視野を認識すると、個人としてお互いを理解するのはより簡単になります。このように、コミュニケーションの基本は「お互いの信頼と尊敬」であり、それはダイバーシティを推進するための不可欠な要素でもあります。私たちは積極的にお互いの声を聞いて、理解を促し、コミュニケーションを明快に、確実に行うことが非常に大切であり、それにより中外製薬がグローバル企業として成功を収めることができるものと考えます。

中外ファーマ・ユー・ケー・リミテッド 社長 ルース カリー

ダイバーシティの推進で新たな視点とアイデアを。

印象的だったのは、国によってダイバーシティへのアプローチが異なるという点です。例えば、社員が育休などを取得する際、日本では正社員を中心にバックアップすることを考えますが、欧州では派遣社員の方を紹介してもらいサポートすることが多いそうです。雇用形態における多様性がジェンダー・ダイバーシティの前提になるのだと思います。このような前提の違いに気づくことで、その国で最適なアプローチを考える視点ができると思います。今後、グローバル企業として国籍を含めたダイバーシティも進むと期待しますが、今回の交流機会は「違い」に気づくことで新しいアイデアを得るという過程を体験できとても刺激的でした。

海外営業推進部 ビジネスオペレーショングループ課長 幸松 邦彦

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